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賃貸物件のリフォーム時に、壁紙の色を何色にするか迷う大家さんも多いだろう。色は、その部屋の住みやすさを決める大切な要素の一つ。ちょっとした色使いの工夫で、早期の賃貸契約が実現し、長く住んでもらえる可能性が高まることがある。

そこで今回は、カラーコーディネーターの資格を持ちながら、インテリアのカラープランニングなどにも携わっている武田珠佳先生に「部屋作りに効果的な色使い」を教えてもらった。

色が生み出す効果とは?

色には、それが生み出す心理的、感情的、生理的な効果があります。たとえば、赤は交感神経を刺激し、体温や脈拍数を上げるため時間の経過を速く感じさせる色。そのため、回転率を上げたいお店などでよく使われています。

青などの寒色系はその逆。時間が経つのが遅く感じ、リラックス効果を得られると言われています。また、オレンジは唾液の分泌を活発にする色です。ファミリーレストラン等、または飲食店などでよくオレンジが取り入れられているのはそのためですね」と武田先生。私たちは自分の気づかないところでも色の影響を受けているのかもしれない。

では、それを部屋作りに生かすとどうなるのだろうか? それぞれ見ていこう。

お風呂にオススメの色は…

「お風呂などリラックスしたい場所に取り入れたい色は、アイボリーや淡いグリーンです。その理由は2つ。まず、寒色系・暖色系の色の場合は、色によって色温度があるため、冬に寒く感じたり、夏に暑く感じたりすることがあります。その点、中性色のグリーンは色温度がなく暑さや寒さを感じる心配はありません。

また、お風呂などの水回りは水垢などがつきやすいところです。淡目の色だとそういった汚れが目立ちにくいという利点もあります」。色彩効果的にも、実用的にも風呂場には派手な色を使うのは避けたほうが良さそうだ。

キッチンは汚れが目立ちにくいように!

毎日料理や洗い物をするキッチンは、できるだけ汚れが立たないと使い勝手が良い。

キッチンパネルはグレー系やベージュ系だと汚れが目立ちにくいですね。マーブル模様など、模様の入っているものなども良いかもしれません

気持ちを明るくしてくれる黄色なども良いそうだが、全体に使うと落ち着かない空間になってしまうため、ポイントとして用いるほうがよさそうだ。

青を中心とした寒色系の色は集中力を高めてくれるので勉強部屋などにおすすめです。また、集中したいなら色みが少ない(低彩度で中~高明度の)部屋の方がいいですね。机にだけ照明を当てて、あとは明かりを落とすとより効果的だと言われています」

書斎や子供の勉強部屋などをプロデュースする際には、寒色やベージュなど低彩度で中~高明度の色を意識して使ってみてはいかがだろうか。

大家さんが見落としがちな大切なポイントとは?

「すぐ入居者が決まる物件とそうでない物件を色という観点から見てみると意外な共通点があります」と語る武田先生。その共通点こそ「色味の統一感」で、これを知っているのと知らないのとでは部屋全体のまとまりが大きく変わるため、内見者に与える影響も変わってくるという。

そんな「色味の統一感」について、実例を見てみよう。

上の図の左側が色の揃っていない空間、右側が茶系の色で統一されている空間を示している。確かに、右側の方が全体としてまとまりがあり、どこかお洒落で落ち着きがあるように感じる。「もちろんそれぞれの部屋の色も大切なのですが、賃貸物件の場合、全体としてまとまりがある方が売上に結びつくことが多いですね」

色彩の統一をする上でのポイントは、住宅の梁や柱に使われる木材と建具。

「木の色は茶色ですが、元の色は黃~橙~赤とそれぞれあり、全て同じ色からの茶色ではないのです。パイン、ナラ、オーク、ヒノキは黄橙色系の木材で白や黄色などと調和しやすく、またウォールナットやチークは橙系で比較的濃い目の色とよく合いますね」

部屋の役割に応じた適切な色使いをすることや、住まい全体の色彩に統一感があることで、客付けや入居期間に良い影響を及ぼすこともある。リフォームを考える際には参考にしたいところだ。

武田珠佳先生のプロフィール

Office COLORCOLOR.JP主宰。カラーコンサルタント、カラーコーディネーターとして主に大阪北摂~関西・関東で活動中。

http://colorcolor.jp/

http://ameblo.jp/color-color/