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本業では飛行機の設計をしながら、近畿・東海地方で大家さんとしても活動する「おーき」氏。飛行機の設計と不動産投資はなかなか結び付かないワードだからこそ、なぜ始めたのかは非常に気になるところだ。

そこで今回は、なぜ不動産投資を始めたのか、そしてどんな物件を所有しているのかなどを詳細にリポートする。

大家になろうと決めたきっかけはやっぱり「あの本」

不動産投資を始める理由は十人十色だが、きっかけとなった書籍に『金持ち父さん貧乏父さん』を挙げる人は多い。おーき氏もその一人だ。

「高校生の頃に父から勧められたのですが、衝撃的な内容でしたね。その後ずっと『人生において必要不可欠なお金を、なんとかして増やさなければ……』と考えていました。

大学や大学院は、航空宇宙工学科に進学し、将来『飛行機関連の仕事をしたいな』と思いつつも頭の片隅には不動産投資のことがありました。そのため在学中から、不動産投資の本を買って就職後のプランを練っていました」

労働だけでお金を得るのではなく、「お金に働いてもらう」こと。そのためにできるだけ早く物件を所有しようと、おーき氏は計画していたのだ。

「ほかに参考になったのは石原博光さんの『まずはアパート一棟、買いなさい!』です。でも、さすがに初めての不動産投資で一棟買いする勇気も資金もなかったですし、区分所有のマンションを買うのもちょっと違うなぁと思い、戦略を考えたうえで中古の戸建てに絞ることにしたんです」

戸建てならば、目利きもしやすく、「自分が住みたい」と思える物件を探せば、それがよい物件の目安になると考えたのだ。

奈良県内に絞って物件を所有する理由

「初めて購入したのは奈良県桜井市にある平成2年築の物件。お金を貯めて370万円で購入しました。これならば万一失敗したとしても新車をぶつけて廃車にした程度だと思えます。小さくてもまずは始めることが、自分にとって大事なことでした。

家賃7万3000円で貸し出していて、購入から5年ほど経っているので、回収率は8割ほど、利回りは18%です。それから所有物件は4軒(平成28年12月時点)まで増えましたが、すべて奈良県です。

奈良県は狭い土地に住宅が密集していて、物件の価格に対して比較的高い家賃が期待できるんです。とくに近鉄線より北側のエリアが良いと思いますね。地元の三重や大阪、名古屋でも探しましたが……。

三重はエリア的に物件価格の割に家賃が期待できなかったり、大阪や名古屋はどうしても物件価格が高かったり、自分の理想とする物件がなかなか見つからなかったという事情があります」

物件を増やすために、2軒目以降はローンを組んでいるという。

「日本政策金融公庫から1500万円ほど借りています。10年固定で月の返済額は1軒当たり5万円ですね。もう500万円ほどは返しました。2棟目は家賃7万5000円で利回りは13%ほど。3棟目は家賃6万5000円で利回り12%。4棟目も家賃7万円で利回りは10%ほどです。

現在の家賃収入は満室ならば月28万円です。1軒空室が出ているので、がんばって埋めたいですね」

不動産投資の世界では数千万単位、億単位のローンを組む人は珍しくない。しかし、精神的に余裕を持てるよう、無理なく組める範囲でローンを組んでいるという。

大家業を通じて、社会に少しでも貢献したい

おーき氏は購入した物件のリフォームも手がけている。不動産投資をするにあたり、「お金を稼ぐことだけ」に終始したくはない、という思いがある。

「株やFXは単純な金額のやりとりだけで収益が出ます。でも、不動産投資の場合は物件を所有して、リフォームなどを施してから貸せば、社会に対して価値を提供できると思っています。

1軒目の物件は40万円ほどかけて、壁紙を張り替えたり洗面台を交換したり、トイレにウォッシュレットをつけたりしました。今は参考になる本もたくさん出ているので、どんな家が住みやすいかを自分でも考えていますね。

まだ先の話だとは思いますが、ゆくゆくは物件を売却することも視野に入れています。そのときに私が手をかけたぶん、売却時に『気に入ってくれる人がいるといいな』と思っています。やっぱり、大家業は、社会に価値を提供してこそ意義があると思います。だから、なるべく住みやすいようにリフォームできるところは、手を入れるようにしていますね」

仕事で飛行機の設計をしているだけあって、図面を見てリフォームをするのはお手のもの。たとえば、実際にメジャーで家の寸法を測り、それに沿って壁紙を貼る作業は、飛行機の部品を図面と照らし合わせるのに似て、楽しい時間になっているのだとか。

とはいえ、それほど難しいリフォームはしていないようだ。順調にステップアップしてきたおーき氏。「今後も不動産投資を続けていきたい」と語る。

直近の目標は戸建てを5軒持つことですね。そのためにも今組んでいるローンの完済を目指しています。それから、持っている物件は少しずつ売却していって一棟ものの物件を購入する準備を始めていきたいです」

おーき氏は不動産投資をしている、というよりも「大家業をやっている」と思うと言う。なぜなら、不動産投資は利益が先行するイメージがあるが、大家業は賃貸で借りてくれる人に、「この家に住む価値を提供できるから」と話す。おーき氏の夢は、この先もまだまだ膨らみ続ける。

おーき氏プロフィール

大阪生まれ、三重県育ち。愛知県豊山町在住。妻と息子と3人暮らし。名古屋で飛行機の設計の仕事をする傍ら、大家業を行う。ブログ「金のなる木で大家生活」管理人。http://okita926.com/