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こんにちは! 不動産鑑定士、不動産投資コンサルタントの浅井佐知子です。今回は皆様からとってもよく聞かれる質問にお答えしたいと思います。「浅井さんは不動産投資をされていますか?」という質問です。

答えは「NO」です。意外ですか?(笑)

私のように不動産投資のスクールを開催している人には、2パターンいます。ひとつは私を含むいわゆる「不動産のプロ」と言われている方々。そしてもうひとつは、投資家さんが自身の経験をもとに講師として教えているパターンです。

それぞれ特徴があると思いますが、実は「不動産のプロ」には不動産投資をしていない人が多いのです。実際私の周りにもいません。それはなぜでしょうか?

今まであまり語られてこなかった「不動産のプロはなぜ不動産投資をしないのか?」というテーマについて、プロにインタビューしてみました。

1.昔のトラウマ

2003年を底とする、平成バブルの崩壊を経験している不動産関係者は、不動産投資に関してかなりネガティブです。あの頃、不動産に手を出したプロは地獄を見たからです。

昭和の終わりから平成にかけて発生した不動産バブルの時期、不動産業者も土地やマンション、ビルを買いあさりました。今日買った不動産が、買ったとたん3割増し、4割増しで売れるのです。みんな目の色を変えて土地転がしに奔走していました。

その後バブルが崩壊すると、所有していた不動産はピーク時の半分になってしまいました。土地転がしをしていた不動産業者とその関係者の中には、破産、倒産、夜逃げ、自殺…など悲惨な人生を送った人たちも数多くいます。

こういった時期を乗り切ったのは、不動産投資をしてこなかった人たち、もしくは幸運にも売り逃げられた人たちです。そしてこの時期を経験しているプロは、今でもあの頃の「天国と地獄」を忘れられず、トラウマになっているため、不動産投資をしないのです。

ちなみに、平成バブルの頃と今の不動産市況を比べると、いずれも価格は上がっていますが、根本的な違いが多いです。

・平成バブルの頃は土地そのものの値段が上がったが、今は住宅地の値段はそれほど上がっていない

・平成バブルの頃は利回りで不動産を買うという発想はなかったが、今は投資物件を利回りで判断して購入している

・平成バブルの頃は金利が高かったが、今は超低金利

平成バブルの崩壊で破綻者が出たのは、利回りの低い物件を高金利で買ったから。もしくは土地転がしを目的として実需の不動産をどんどん買ったからです。

逆に言うと、利回りの高い物件を低金利で購入すれば、バブルが崩壊しても何も怖いことはありませんし、破たんもしません。入居者がいる限り賃料が入ってくるので、収入は安定しているのですから、売却せずに所有していればいいのです。

2.良い物件はお客様に紹介してしまう

優秀な不動産の営業マンなら、お買い得な物件が出てきたら、「自分が買おう」と思う前にお客様の顔が浮かぶはずです。

私がインタビューした不動産会社の社長さんも、「過去に自分で購入した物件はかなり利回りが良かったのですが、それを知ったお客さまに『やはりお客さんより自分優先なんだね』と言われました。それからは、お客さまに良い物件を第一優先で紹介しようと決めました」という意見でした。

仕事ができる不動産のプロは、良い物件が出てきたら自分で買うのではなく、お得意様に買ってもらおうと思うものなのです。

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