商圏は小さく設定すべし

佐藤さんもまた、立地の重要性を訴える。

「まず競合店がないかどうかはきっちり調査したほうがいいでしょう。競合店があったら、その場所で開業してはいけません」

ただし、競合店があっても逆にチャンスになる場合もあるという。

「すでにある店舗が昔ながらの汚い、いわゆる古いタイプのコインランドリーだったらこれはチャンスです。そこの利用客はコインランドリーを使う文化があるので、引っぺがしてしまえばいいんです」

さらにチェックするポイントは、視認性の高さだ。人通りが多いかどうかの確認が重要で、さらには縦長の店舗よりも横長の間口の広い物件の方が視認性が高まるため、より望ましいという。また、横長の物件の方が防犯カメラの死角が出来づらいという利点もある。

佐藤さんの店舗の利用客層は、若者から年配まで幅広いという。

「夜には若い人が多く、昼には主婦やお年寄りが来ますね。意外と多いのがお年寄りで、洗濯物を干す、腕を上にあげるという作業ができないそうで、洗濯から乾燥までやって、持って帰る人が多いんです。そういう意味では、その土地に住んでいる年齢層もばらばらの方がいいと思います」

佐藤さんは商圏を500メートル程度に設定している。500メートルほどだと、なかなか競合店が出来にくいためだ。小さく商圏を設定したほうが、失敗の確率は減ると感じているという。

また、都市型店舗のため駐車場はないが、自転車やバイクを止めるスペースはきちんと設けている。「歩道が狭いなどの理由で店の前にスペースがない店舗は、お客さんが入りにくいんです」という。

開業するべき時期

開業時期も大事だと佐藤さんは話す。佐藤さん自身がそれで失敗したためだ。

「私の店は開業が需要の薄い5月ごろになってしまいました。天気がいい日が続き、乾燥機を使う必要もないので、コインランドリーを利用するお客さんが少ないんです。6月には梅雨の時期がありますが、今年みたいに雨が降らないとハズレですね(笑)。人は来やしません。そこから夏過ぎまではお客さんの伸びが少ないので、赤字の期間が長くなるだけです」

佐藤さんのオススメの開業時期は9月ごろ。長雨が続き、さらにすぐ11月、12月と冬が来て天候が悪いため、その時期に初期セールなどを打つと開業後の立ち上がりが早いという。

開業時期の失敗もあり、固定客がつくまで、佐藤さんも開業後の半年間ほどは月10数万円の赤字だったと振り返る。

佐藤さんの場合もほかにその赤字を補てんできるアパートなどがあった上、サラリーマンでの本業もあった。

「サラリーと家賃収入があったので、『まあなんとかなるだろう』とゆったり構えられましたけど、いきなりコインランドリーを経営して、自分の貯金を崩して月10万円以上飛んでいくっていうのは…怖くなっちゃいますよね」

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