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こんにちは。鑑定士×投資家です。今回もコラムをご覧下さり、ありがとうございます。今回は僕が付き合っている金融機関の特徴などについてまとめたいと思います。

過去のコラムで既に6つの金融機関と取引があるとご紹介しましたが、半年後の現在では取引数が1つ増えて7つの金融機関と取引をさせてもらっています。内訳としては、メガバンク2行、地方銀行4行、政府系金融機関1行です。

今回のコラムではメガバンクとのやり取りにスポットライトを当て、次回のコラムで地方銀行と政府系金融機関の解説をします。

メガバンクとは?

現在の日本では、3大メガバンクグループが存在しますが、僕はそのうちの2つと取引をさせてもらっています。メガバンクの特徴は、地方銀行と比較することで鮮明になります。

営業エリアについては、地方銀行が本店のある都道府県内および近隣都道府県に留まるのに対し、メガバンクは日本全国および世界各国に及びます。また、支店エリアについては、地方銀行が主に地元エリアに集中展開するのに対し、メガバンクは国内全域および海外にまで展開しています。

要は、対応エリアが広いのです。

不動産投資家としては、メガバンクの営業エリア及び支店エリアについて意識しなければいけません。メガバンクを利用することのメリット・デメリットは後述しますが、メガバンクを利用する最大のメリットは支店網の広さ、つまり、全国対応してもらえるということに尽きます。

僕のように日本全国を対象として不動産投資をお考えの方は、メガバンクとの関わり方が不動産投資の成否を分けるといっても過言ではありませんので、その動向・融資姿勢には常にアンテナを張っておく必要があります。

○メリット

・融資エリアが広い

先述の通りです。

・金利が低い

地方銀行やノンバンク等に比べて圧倒的に金利水準は低いです。個人の属性や会社の経営成績が良ければ、1%未満の住宅ローン並みの金利を引き出すことも可能です。

・融資期間が長めに取れる

キャッシュフローを狙いに行く投資家にとっては、融資期間の長短は生命線となります。融資期間の考え方については、地方銀行とメガバンクを比較すると理解しやすくなります。

【地方銀行 RC造の場合】

融資期間=経済的耐用年数(30年~40年)-築年数

【メガバンク RC造の場合】

融資期間=法定耐用年数(47年)-築年数

地方銀行の多くは法定耐用年数ではなく、経済的耐用年数等と称した独自の基準を設定する場合が多く、メガバンクと比べて融資期間が短くなるのが一般的です。一方、メガバンクは法定耐用年数起算で検討するところが多いため、融資期間が長めに取りやすくなります。

○デメリット

・敷居が高い

メガバンクは自己資金が乏しい個人や実績があまりない中小企業を顧客としたがらない傾向があります。メガバンクに融資の相談へ行った時に、入行間もない新人などの営業が窓口になったことはないでしょうか? 明らかな厄介払いです。

ちなみに、個人投資家の場合は、年収1000万円前後、自己資金数千万円ほどで、やっと審査の土俵に上がれるといったイメージです。

・融資基準が厳しい

金融機関ではそれぞれ独自の融資基準を持っていますが、物件評価および人物評価ともに地方銀行やノンバンク等と比べると非常に厳しい内容となっているところが多いです。

・審査期間が長い

メガバンクの審査期間は非常に長いです。言い換えれば非常に保守的なのです。地方銀行の中には1~2週間でスピード審査するところもありますが、メガバンクの場合は1~2カ月かかることがザラです。

したがって、スピード勝負案件やグリップが甘い物件の融資付には向かない場合もあります。

○メガバンクA取引実績

このメガバンクの本店は東京にありますが、大阪にも強い営業地盤を持っており、東京、大阪、名古屋圏を中心にサービスを展開、中小企業向けビジネスローンを開拓する等、リテール部門や投資銀行分野に強いという特徴をもっています。不動産融資にも積極的で有名な銀行です。

僕が最初に購入した物件はこのメガバンクAから融資を引いています。

1棟目は四国エリアに所在しますが、仲介会社からの紹介でこのメガバンクの大阪にある支店から入りました。担当者が非常に優秀で、トントン拍子に融資審査が進み、結果オーバーローンで取得することが出来ました。

1棟目をメガバンクからの融資で取得することができたので、自分の不動産投資活動の滑り出しは上々だと当時は思っていました。

しかし、今となってはあまり良い投資ではなかったと考えるようになっています。ご存知の方も多いと思いますが、このメガバンクでは「エリア制」というものを導入しています。例えば、千葉県であれば、千葉エリア、船橋エリア、常盤エリアの3つのエリアがあるようです。

最初の1棟目は全国どこの支店からでも入れる場合がありますが(僕が大阪の支店から入ったように)、2棟目以降は居住地最寄りのエリア(管轄支店)に案件を持ち込まなければならないのです。

そこの管轄支店が不動産投資に対してネガティブだとすると目も当てられない状況に陥ります。残念ながら、僕の場合も管轄支店が不動産投資に対してあまり積極的ではないので、2棟目以降の融資に繋がっていません。

管轄支店の担当者からは、どんな物件を持ち込んでも「頭金3割をご準備頂けますでしょうか?」との回答が続いています。

こればかりは「運」ですので、どうしようもないと言えばどうしようもないのですが…。ご参考までに、メガバンクAの融資条件です。

金利

10年固定1.7%

返済方法

元利均等返済

その他

団体信用生命保険加入

※固定金利選択と団信加入で金利がやや高い水準となっています。

○メガバンクB取引実績

全国各地に設立されていた某銀行から事業譲渡された経緯をもつため、メガバンクで唯一、全都道府県の県庁所在地・政令指定都市に必ず1つ以上の店舗を持っているという強みがあるメガバンクです。間違いなく、日本一広い融資エリアを持つメガバンクです。

僕はこのメガバンクにお付き合いをしてほしくてずっとラブコールを送っておりましたが、なかなか良い返事を貰えずにいました。

メガバンクBは同じメガバンクでも不動産融資に比較的積極的な上記メガバンクAよりもずっと保守的で有名です。保守的になるには理由があります。

メガバンクBはグループ内に担保評価を専門とする不動産鑑定会社を子会社として持っているからなのです。この子会社の担保評価が超保守的なのです。銀行の融資部門がいくら融資をしたいと思っていても、子会社の担保評価が超保守的では融資稟議に上げられない案件になってしまうのです。

僕も不動産鑑定士の端くれなので良く解るのですが、鑑定業界には「金融機関の担保評価は固く見るべし」といった不文律みたいなものがあります。しかも、銀行の子会社なので、その傾向は一層強いことが容易に想像できます。

何度も案件を持ち込んでは担保評価が出ず、諦めかけていましたが、泥臭く継続することでミラクルも起きます。今年の4月にメガバンクBから融資を獲得して立て続けに2棟購入することが出来たのです。

勝因は…保守的な鑑定会社でも評価が出る物件を持ち込んだことだと思います。積算価格は売買価格の2倍程度、高利回り、稼働率90%以上、といった物件でした。

2物件とも買付が殺到していた物件でしたが、1棟は融資特約無しで売買契約を締結してグリップ、もう1棟は融資確定順でしたが、運よく他者の融資付が上手くいかなかったため購入できました。

ご参考までに、メガバンクBの融資条件です。

金利

変動0.7%

返済方法

元金均等返済

このように、何度かお断りされても諦めないことが重要です。皆さんも粘り強く融資を勝ち取って下さい。次回のコラムでは、地方銀行と政府系金融機関について解説します。