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今年2月下旬のこと、永福町駅近物件の管理会社の方から電話がありました。入居者の方がお亡くなりになられたとのこと。それは1月中と、1カ月も前の出来事でした。

その方は、特に身寄りのない80歳代のご高齢の方。本物件は、2013年9月30日にオーナーチェンジで購入したものですが、その昔から長期間住んで頂いていました。

お亡くなりになられた時は、まずは人として「御愁傷様です」という気持ち。次いで、賃貸人の立場が頭をよぎります

自殺・他殺等の事件・事故なのか、病死なのか……。心理的瑕疵物件としての重要事項説明義務が発生し、賃貸料・売買金額が大暴落する事態は避けたい、というのが賃貸人の心理です。

今回の場合は病院でお亡くなりになられたということで、告知には該当しなかったため、まずは胸をなでおろしました。しかし、身寄りがないということで、遺体引取り・御葬式、残置物撤去等の問題があります。家賃保証会社はありましたが、滞納時の家賃保証(3カ月間程度)のみで、遺体引取り・御葬式、残置物撤去等には一切関知せずとのことです。

そんな心配は杞憂に終わる

しかしその後、残置物については、御親戚の方が引き取って下さいました。家賃についても、家賃保証会社がカバーしてくれました。不幸中の幸いで、通常の20万円位のリフォーム代で済み、御陰様ですぐに次の入居者の方が決まりました。時間はかかったものの、スムーズに処理することができたのです。

通常、残置物は撤去、賃貸借契約上は退去予定の1カ月以上前に告知するか、1カ月分の賃借料を支払っての退去となります。しかし、入居者の方がお亡くなりになられた場合は、連帯保証人か相続人が対象となります

連帯保証人・相続人がいないか、いても、らちが明かない場合には、トラブルとなりがちです。連帯保証人が学生の親等であれば実効性はありますが、兄弟であれば「兄弟は他人の始まり」というくらい「わしゃ、知らん!!」とばかりに、実効性は低いものです。

又、連帯保証人が勤め先の代表者といった場合も、会社との関係が希薄となっていれば実効性が疑問です。本人と連帯保証人が法人・代表者であれば、実質一体であり、自己破産・倒産母さん・夜逃げで全滅といったこともあります。

ところで、昨今は連帯保証人より家賃保証会社の起用が流行っています。しかし、単に家賃保証のみで、期間は3カ月間限定とか、その他の事は関知しないというところもあります。そもそも、家賃保証会社自体も、家賃値下げ、家賃滞納、倒産母さん、夜逃げという事態に遭遇したこともありますし、過信は禁物です。

中古物件をオーナーチェンジで購入した場合には、入居者、建物・賃貸管理会社、家賃保証会社等はそのまま引き継いで改めてチェックしないことが多いので注意しましょう。

昨今は少子高齢化・不景気で、私の物件も御多分に漏れず、高齢者・生活保護者も増えてきております。

今回の場合は自部屋でお亡くなりになられたわけではないので、心理的瑕疵物件として重要事項の告知義務には該当はしませんが、もし自部屋で孤独死等になり、発見が遅れ、腐乱化・白骨化となったりしたら、告知事項に該当すると言われています。自殺・他殺の場合も同様です。

因みに、腐乱化・白骨化迄いくと、床下迄液状化・腐敗し、異臭はなかなか取れません。ワンルームマンションでも、平気で50万円位のリフォーム代がかかります。

そして賃貸料・売却価格は、通常、半額程度に大暴落してしまうでしょう。その場合、判例によれば、告知は短いものでも1回転、2年間等と言われていますが、入居実績を作りながら徐々に家賃を戻していくしかありません。

最も怖いのは、一棟物アパート・マンション等での他殺で犯人が捕まらない場合でしょう。その場合、へたをこけば全空になる可能性もあります。私の場合、不自然死、首吊り自殺、練炭自殺、病院での死亡(2回)と、今回で5回目となります。

いずれにせよ、遺体引き取り・葬儀、残置物撤去、リフォーム、新規入居者募集等、時間と経費がかかり大変なものです。遺体引き取り・葬儀等は、もし身寄りがなければ、地方公共団体(市等)がケアして下さいます。京都駅近物件の入居者の方が病院でお亡くなりになられたときは、そうして頂けました。

残置物撤去については、最悪、所有者が半年間等保管した上、法的手続きを取り、処分するしかないようです。

80歳以上の高齢者で身寄りのない方は留意する、定期的に訪問し様子に注意する(郵便受け、ガスの元栓、電気メーター、洗濯物等)、生体反応確認システム(電気ポット等)、損害保険の活用等、検討することも重要かと思います。