業者の見積は約10万円したというが、自分たち自身でDIYを行った結果、材料費だけの5000円前後でキッチンのリフォームを完成させることができたという。

三田さんがDIYで作り上げたキッチン

こうしたDIYなどの結果、「仲介会社の印象にも残り、何もしていない時期より成約率は上がったと感じていました」と語る三田さん。

客付けのために物件の写真を紹介する際も、そうしたDIYを実践したものを全て見せるのではなく、「内見に来てもらえるように何かわくわくする、写真映えするものを載せる一方で、実際に内見に来てみて既知感が出ないように、すべて紹介しないようにしていました」と小さな工夫を明かした。

中古テレビを取り付け、利回り38%

山梨や長野などで10件の物件を所有する、不動産投資家で不動産投資評論家の不動たたみさん。中古の大型液晶テレビを買って、自分自身で壁掛けする作業を自身の物件に必ず行っているという。

「中古なら、だいたい32インチの有名メーカーの液晶テレビは2万円程度で買えます。以前、中古プラズマテレビが激安処分されていて、46インチで1万5000円だったこともありますよ。そういった豪華そうに見える電子機器を物件に入れるようにしています」

テレビの壁掛けのためにはコンクリートドリルやコンクリートねじ、電動ドリルなどが必要だが、キットはインターネットの通販で2000円程度で購入している。作業時間も1時間程度しかかからないという。

テレビを取り付ける不動たたみさん

これに加えて、ベランダやエアコンの室外機の高圧洗浄も自身で行うという。さらに、壁紙の細かい補修やネジ穴の跡の修復、小さなクロスの傷や汚れについても自分で補修を必ず行っていると話す。

「壁紙は貼り替えると高いですが、DIYの補修キットを使えば簡単に直せます。貼り替えるほどでなければ、自分でやるようにしています」

清潔感を大事にしているという不動さんは、清掃業者が一度清掃した後も、必ず自分で細かな清掃を心掛けているのだという。

山梨県の1R区分マンションを100万円で購入、所有している不動さん。購入した時にいた入居者が退去した後、半年間ほど空室が続いてしまったという。

「なので、46インチテレビを自分で取り付け、室内の細かな補修やベランダの高圧洗浄を行ったところ、翌月には家賃3万2000円で入居が決まりました」

利回りは約38%にもなる計算で、修繕などにかかったコストを考慮しても利回りは34%ほどだという。家賃の値上げはしていないが、「山梨では家賃が値下がり傾向なので、現状維持できるだけでもラッキーです」と話す。

不動さんは「区分所有だと他の入居者募集中の部屋と比較されるので、綺麗でオプション設備が充実していれば、入居の決め手になると思います」と語る。

DIYのデメリットについては「時間がない人、車がない人、補修部品や機材を置く場所がない人には、難しいかもしれません」と指摘する。

「忙しい都心のサラリーマン大家さんには向いていないのかも…でも、逆に時間があり、車があり、場所がある人ならやらない理由がないと思うほど、メリットが大きいです」

DIYを賃貸経営の武器に

いずれのオーナーも、自分自身でできる範囲をきっちりと見極め、その上で物件の魅力を最大限引き出せるように工夫を重ねている。コストを削減しながら、入居希望者や仲介会社の印象に残るようなDIYを実践することが、成功の秘訣かもしれない。

賃貸物件の供給過剰が叫ばれる中、少しでも入居率の向上や家賃アップを実現するために、DIYを学び、自分なりに工夫を行って魅力アップを図ることは、賃貸経営の武器の一つだ。

(楽待編集部 浜中砂穂里)