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皆様こんにちは! 新之助でございます。

今回は「相続・副業の欲望につけこむ不動産投資の甘い罠」について書きたいと思います。

これは、とある有名週刊誌で見出しを飾ったフレーズなのです。この週刊誌が発売されると同時に金融機関から相当な反響がありまして、訪問する金融機関すべてで「もう読まれました? 安藤さんはどう思われます?」と質問のオンパレード(笑)。

とても関心の高い内容でしたので、今回のテーマとして取り上げてみます。

金融機関も気がかりな内容

私はこの週刊誌を読んで、失敗パターンに完全にハマっている不動産投資の実態にズバッと切り込んで書いてあるなと思いました。

相続対策を行う必要性が薄いのにアパートを建ててしまったり、35年後のローン完済後を楽しみにキャッシュフローの出ない区分マンションや新築アパートを購入してしまったりと、失敗事例の典型です。

訪問した金融機関の担当者からは、こんな感じで話しを持ち掛けられました。

担当者「先日、週刊誌の『不動産投資の甘い罠』でかなり叩かれている会社がありましたがどう思われますか??」

私「あの週刊誌ですね。新築の投資案件として紹介されたら、私的には厳しいですね。立地に魅力のある案件であっても躊躇してしまいます」

担当者「そうですか…」

貸し手としても責任を問われる時代になり、金融機関もかなり危機感を感じているんでしょう。以前と比べ、意識のレベルが高くなってきていると感じました。

この週刊誌にも日銀の金融システムレポートで半数以上の金融機関が周辺家賃を調べず融資をしている結果が出ているんですね。金融庁も「金融機関が業者の言いなりになって安易に貸し出しているのではないか」と疑いをもち始めていると…。

確かにそう疑われても無理ないかもしれません。

金融機関は不動産を購入するにあたり最大の関所なんですよね。不動産賃貸事業を志す方の大半が、ここを通過しなければ購入する事ができない。貸し手のプロとして責任を問われるのも分かる気がします。

一方で、買い手は勉強不足であるケースが多い。そもそも、建てる事や売る事を目的とし、それで収益を得ている会社に判断を委ねてしまっている。そんな方には買ってもらうようにうまくストーリーを描いてプレゼンしてくれますよ。収支が合うようにうまく帳尻を合わせててくれます。しかも融資付きで(苦笑)。

こういった業者のからんだ不動産投資セミナーは、きちんと投資家心理を研究しているので、もっともらしく見えてくる。不動産の実績と著書のある投資家が登壇すれば、さらに信頼度が増して安心感に包まれるでしょう。

そうなると、将来のリスクよりも目先の「お金」に目がいってしまって、さらに脇が甘くなる。物件を買っていないのにオーナー気分に!

まさに人間の性ですよね。

私もそういう時がありましたので、気持ちはよく分かります。

私の経験上、売りこんでくる案件に良いものは無いケースがほとんど。特に新築アパートや区分所有では、出口の見えない疑問のある案件が多かった。一度も黒字化することのない案件もありました。

本当に良い物件であれば購入する人は山ほどいるので、私でなくてもよいはずですよね(笑)。

昨今の金融情勢は、数年前と比べてなんだかんだいっても緩和されており、融資を受けやすいです。だから、借り手としても苦労せず資金調達ができる。苦労がなければ、見る目も甘くなります。

金融機関としても、保全の取りにくい零細企業の設備投資よりも、担保が取れて収益も見込みやすくロットも大きい不動産賃貸業には魅力を感じているんですね。

建設会社・金融機関・投資家、3者の利害が一致している以上、このトライアングルのどこかが崩れないかぎり、この不動産投資ブームの終息はないのではと思います。

情報を精査することが必須

この週刊誌に取り上げられ吊るしあげられたD社×2、L社、S社に対し、とてもネガティブな印象を持たれがちなのですが、一方でこの会社と契約し、うまくいっているオーナーもいるわけです。私はこの特集を鵜呑みにしすぎるのも、あまりよくないかと思います。

自身のノルマ達成のために「売ってしまえばもうお客とは関係ない」なんて冷酷な営業マンもいれば、きっちり良心的に試算し、提案してアフターフォローを含め面倒見がいい営業マンもいる。業者だって社会的貢献をせずに無茶な営業をしていれば、会社自体長く存続することは不可能です。

今回の週刊誌だけでなく、TVや新聞などのメディアでも不動産投資について多く取り上げられていますが、不動産投資に警鐘を鳴らしつつ、消費者である買い手の保護をする流れになってきています。

サラリーマン投資家や地主さんはまだ素人の域を脱していない方も多く、近年で急拡大した資産○○億なんて投資家でも、数年後に立ち行かなくなるであろう方も多くなるのではないでしょうか。

融資しかり、一括借上げの制度しかり、徐々に厳しくなっていくでしょう。オーナーにとっても本当に勉強が必要な時代になりました

最後に印鑑を押すのは本人であり、契約しなければそれ以上話しは進まないわけですから、立ち止まる勇気も必要。不動産投資の運用の結果はすぐに出る事は少なく、数年後に出てきます。

騙されたと言って訴訟を起こしても、相当な時間と労力、費用にストレスがかかる。

「不動産投資を始めるにあたり、臆病なくらいで丁度いい」

「恐いもの知らずよりも、知っていたほうがいい」

度胸満点、億の借入も臆さない印象の私。でも実はとっても慎重で、取り越し苦労の多い性格なんです(笑)。