みなさん、こんにちは。堀之内名人です。今までネタ担当コラムニストのつもりで執筆していましたが、前回のコラムがあまりにも大不評で、ネタだからと笑っていられなくなったので、今回はじめて役に立つコラムに挑戦してみようと思います(笑)。
管理会社から届いた不幸の手紙
ある日突然、1棟目のアパート「はじめちゃん」を管理している会社から一通のはがきが。最近、管理会社からの連絡といえば退去とリフォームの話だったので、今日は何の請求ですかいなと思いながら読んでみると、「サブリース契約」の提案でした。
飛んで火に入る堀之内
このコラムが公開されるのはまだ暑い時期だと思うので、夏をイメージして小見出しを付けてみました。だからなんだって話なんですけどね。
サブリース契約とは、不動産会社や専門業者が物件所有者から長期間にわたって建物を一括で借り上げ、入居者の有無に関係なく家賃を保証するというものです。満室状態が続いていれば、サブリースに興味を持つこともなくコラムのネタになることもなく終わっていた話だと思いますが、物件購入から約2年で、満室だったのはわずか半年だけということもあり、サブリース契約は私にとってはとてもありがたい提案でした。
ただ、サブリース契約自体にマイナスイメージしかなかったので、最初に説明を聞きに行ったときには、まさしく飛んで火に入る夏の虫状態。
今回提案されたサブリース契約は、構造や築年数によって保証賃料、保証期間が変わるもの。築22年の軽量鉄骨造、リフォーム済みの「はじめちゃん」の場合は、保証賃料70%~80%、保証期間10年という試算でした。
現在、「はじめちゃん」は4室中2室が空室で、家賃収入は満室時の50%。保証賃料70%~80%ということは約3室分の賃料になるので、とても魅力的に感じました。
契約書ではどのような内容か?
実際に申し込みをして見積りを確認すると、予想とは異なる部分がいろいろと…。まず、保証賃料が満室想定賃料の69%になっていたので、70%すら下回ってしまう低い評価でかなりの精神的ダメージ。
さらに満室想定賃料も現在の想定である12万円ではなく、サブリース会社が満室にするために想定した11万円になっていました。
次に保証期間については、サブリース契約が「悪」と評される際に必ずと言っていいほど話題になる部分ですが、契約期間は10年間で2年ごとに保証賃料が見直される契約になっていました。
サブリース会社の担当者は「中古物件で想定賃料を低めに設定しているので、見直しのたびに極端に想定賃料が下がることはないと思います」と言うものの、これは2年後になってみないことにはわかりません。
最も想定外だったのは、一括借り上げでもいろいろな費用を負担しなければならないということです。サブリース会社と賃貸借契約を結ぶので、契約後はリフォーム代や共用部分の費用しか必要ないと思っていましたが、入居者が決まるたびに賃料の1カ月分を支払ったり、管理会社へ清掃・巡回費用を支払わなければなりません。
まとめ
自分が想定していた賃料とサブリース契約で保証される賃料を比較すると以下のようになります。
※自分想定
保証期間 |
10年 |
賃料収入 |
8万4000円 (満室想定賃料12万円×70%) |
必要経費 |
リフォーム代、共用部分の電気・水道代 |
※サブリース会社想定
保証期間 |
10年(2年ごとに賃料見直し) |
賃料収入 |
7万6000円 (満室想定賃料11万円×69%) |
必要経費 |
リフォーム代、共用部分の電気・水道代、 入居時に賃料の1カ月分、清掃・巡回費用5000円(月) |
サブリース契約の際、注意しておかなければならないと実感したことを書き出しておきます。
1.賃料の保証期間
10年、35年などいろいろなパターンがありますが、契約期間中に保証賃料の見直しがあるかどうか、あれば何年ごとか確認しておきましょう。
2.必要な費用
経年劣化部分のリフォーム代を物件所有者が負担するのは当然かと思いますが、管理費や入居促進費、サブリース契約を解除する際の違約金など、様々な状況で負担しなければならないものがあるので、細かい部分まで確認しておく必要があります。
3.賃料以外の収入
礼金、更新料などは、物件所有者が受け取るのかサブリース会社が受け取るのかを確認しておきましょう。礼金をリフォーム代にあてるつもりが、勘違いで予算不足なんてことにならないように。
4.リフォーム条件の有無
リフォームの際、サブリース会社がリフォームの手配をするという契約になっている場合があります。リフォーム費用が割高になったり、こちらが勝手にリフォームしてしまうと違約金が発生することもあるので注意が必要です。
5.賃貸借契約の継承
サブリース契約を解除した際、解除時点の入居者の賃貸借契約を継承してもらえるかどうか確認しておきましょう。契約を解除した途端、入居者が別の物件へ民族大移動なんてことも…。
結論
結論としてはサブリース契約を結ぶことになりました。だって、 今の賃料収入よりサブリース契約のほうが収入が上なんだもの!
というか、それほど悪い条件ではないと感じ、次の物件を購入する場合に収入が一定に保たれていたほうが資金計画を立てやすいと考えたからです。そろそろ、 私は不動産投資に失敗しました! と宣言したほうが良いのでしょうか(笑)。
彼女の話
前回、何カ月も話を引っ張った挙句、物件の詳細を完全非公開にして何の参考にもならないコラムにしてしまいましたが、「不二子ちゃん(2棟目物件)」は今月も退去の予定はなく、気まずい雰囲気のまま元気に家賃収入を生み出しています。
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