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買い物をした時に「その購入価格の1%をプレゼントします!」と言われたら、どう思うだろうか?
「1%って…少なくない…?」
こう思う人が、もしかすると大半かもしれない。しかしこの1%、実はそうバカにもできない金額の可能性がある。
現在、楽待で行っている「大家さん謝恩祭」は、まさに物件購入価格の1%(最大100万円)をプレゼントして、大家さんの支援をしようというものだ。
プレゼントされた現金、その税務上の取り扱いについて税務のプロが見解を述べる。一方、不動産コンサルタントや投資家は、1%の使い道について真剣議論。さらに「1%プレゼント対象だから、と物件を買ってはダメ!」と、条件を吟味せずに物件を選ぶことのリスクを訴える投資家も。
「物件購入価格の1%プレゼント」の基本を、取材によって解き明かそう。
プレゼントされた現金、どの項目で計上すべきか
そもそも、こうした企画でプレゼントされた現金、税務上どのように扱えばいいのだろうか?
税理士法人ASCの税理士で、不動産投資家でもある鵜之沢巧さんは「個人の場合でも、法人の場合でも、雑収入として計上するのがいいのではないでしょうか」とアドバイスする。
「一時所得や雑所得として、不動産収入とは別に計上するということも考えられますが、今回のお金は不動産を取得しなければ発生しなかったお金であり、不動産所得の付随収入とすることができると考えられます」
鵜之沢さんによると、個人の場合には、不動産所得についての申告書の欄で、「雑収入」として「プレゼントされた金額」を記入。法人の場合も考え方は基本的には同様で、「営業外利益」として、「雑収入」でプレゼントされた金額を計上すればいいという。
「もちろん、ダイレクトに収益計上されるということですから、その分所得税はかかってきてしまいます。ただ、皆さん物件を購入した時には初期費用でそれ以上の経費を払っていると思いますから、初期費用と相殺というイメージですね」と語る。
ただ、最終的にどのような項目で計上するかは、自分自身の状況と照らし合わせて、顧問税理士と相談するなどした上で、判断してほしい。
調査怠ることのないように
つい先月も、物件を買ったという鵜之沢さん。残念ながらキャンペーンの対象にはならなかったが、自身が1%もらったら…ということについても話してくれた。
「購入したのは、築40年以上の古い物件で、3800万円ほどでした。もらえるのは38万円ですね。築古なので、修繕費用とか、客付けのための広告費に使いたいと思います。もし買っていたのが築浅で綺麗な物件であれば、次の物件の頭金にして、物件購入までの期間を短くしたいですね」
ただ、鵜之沢さんは「最大100万円ですから、投資効率を考えると1億円の物件がいいかな…と考えがちですけど、そこにとらわれすぎてはだめですね。やっぱり自分の投資基準を曲げないということは大事だと思います」と注意喚起する。
「キャンペーンだからと言って利回りが低い物件を買っても意味がないですし、1%くらいの金額、利回りがいい物件ならすぐに取り戻せちゃいます」という。
また、通常と同じように、物件の調査を怠らないことも大切だ。鵜之沢さんは「満室と言っているけど本当に満室なのか? 瑕疵はないか? など、調査を怠れば1%もらえる以上の損失になる可能性もありますから、気を付けないといけませんね」と語る。「もらえるならもらいたくなっちゃいますけど、そこは我慢しながら、ですね」
ところで、1%プレゼントの最小金額は1万円。もし購入したのが100万円で、1万円もらったらどうするのだろうか?
「物件を購入したご褒美として、飲みに行っちゃいますかね」と鵜之沢さん。「物件の仲介をしてくれた不動産会社さんと飲みに行けば、その後にもつながる可能性もあります」
不動産鑑定士の資格を持ち、コンサルタントとしても活躍する浅井佐知子さんは、「もらえるのは1%ですから、単純に仲介手数料が1%減ると考えていいんではないでしょうか」と指摘。
通常、仲介手数料は物件価格の3%程度かかる。これが2%程度になるということについて「大家さんにとって影響は大きいと思いますよ」と浅井さんは話す。
そうして浮いたお金は、どんな費用を賄えるだろうか? 浅井さんは、「古い物件ならリフォームの費用としたり、空室対策を施したりといったことができますね」と語る。
投資家にとって、空室は避けたいもの。「客付けのための広告宣伝費、ADとして活用することもできると思います」と浅井さん。「あとは、ホームステージングなどを行うこともできますね。ステージングなら、100円均一で小さな棚などを買ってくればたとえ1万円でもできますから、こうした用途に使うのもいいんじゃないでしょうか」
ホームステージングによって、成約率アップを狙う作戦もとれそうだ。

ホームステージングのイメージ
特に初心者の投資家向けだが、キャンペーン活用について浅井さんは「まずは、自分が決めた目標…例えば区分で行くのか、1棟モノがいいのかということや、あるいは、融資を引くのか引かないのかということ、返済比率は何%まで許容できるのかということの基準をきちっと決めて、その範囲内で物件を探すことが一番大切です」と助言する。
キャンペーンの対象物件だからといって、自分の基準を曲げるような物件の探し方をしてはいけないということだ。「例えば2件迷っている物件があって、そのうちの1件がキャンペーンの対象となっているのなら、それに後押しされて購入してもいいと思います。無理のないような投資をしてほしいです」(浅井さん)
突撃インタビュー! 自分のために使うのもアリ?
さて、不動産投資を実践している大家さんたちは、「1%」というプレゼント金額についてどのように感じているのだろうか? そして自分なら何に使うのだろうか? 楽待で活躍するコラムニストの方々に、突撃インタビューを実施した。
東大卒・MBAホルダーの岸登さんは「たかが1%、されど1%。物件を買った時にかかる初期費用はだいたい7%程度ですが、その7分の1が賄えるわけですから、大きいですよね」と指摘する。
「区分投資の生き字引」とも称される芦沢晃さんは、もし自分が1%の金額をもらったら「物件のグレードアップをしますね。古い物件が多いので、余剰キャッシュが出来れば中を直します。内装リフォームの金額にちょうどいいと思います」と話す。
女流メガ大家・内本智子さんも同様に「電子錠にしたり、無料インターネットをつけたりと、物件のバリューアップに使いますね」と述べるなど、「物件をよりよくするための資金にする」という意見は多かった。
パート主婦大家なっちーこと舛添菜穂子さんは、「例えば1億円の物件を買ったら、100万円をもらえるんですよね。その現金で100万円の物件を買って、それが利回りの良い物件なら、ただで儲かるということなのですごくいいと思います!」と語る。
ただ、使い道については「もしかしたら、自由に贅沢しちゃうかも…?」と想像をめぐらしていた。
実は、投資家の方々に1%の使い道を聞くと、「最新家電を買いたい」「新しいパソコンが欲しい」「旅行に行っちゃおうかな」という声が予想以上にたくさん集まった。DIYの戸建て投資を実践する日曜大家さんは「家族で食事に行きたいですね。普段の不動産収入は生活には使わず、次の物件を買うために使っているので、こういう『あぶく銭』はぱっと家族で楽しく使いたいです」と話す。
さまざまな費用を賄える「1%」。こういう時には、自分や家族のために使うのもいいかもしれない。モチベーションアップにもつながるだろう。
キャッシュフロー見極めて
インタビューでは、前述の鵜之沢さんや浅井さんと同様に、「1%もらえるなら、なんでもいいから買っちゃえ! というのは非常に危険な考え方だ」と指摘する投資家も多く見られた。
ママチャリ大家・小林ヒロシさんは「1%もらえるからと言って、飛びついてはだめ」と警鐘を鳴らす。「物件をきちんと吟味して、キャッシュフローが残るか、ちゃんと見極めないといけないですよね」
「空き家再生人」こと広之内友輝さんも「たまたま物件を探していて、いいものがあったらラッキー! そういう気持ちで投資をしたほうがいいと思います」と語る。「1%に目がくらんで、買わなくてもいい物件は買っちゃいけませんね」と話すのは内本さんだ。
失敗のリスクを極力減らすためには、自分自身できちんとシミュレーションをすることが重要になる。
例えば、キャッシュフローシミュレーションなどを使って、自分はこの物件で利益を出すことができるのか、きちんと見極めてほしい。
◇
楽待の思いは、すべての大家さんを支援したいということ。
「これだ!」という物件に出会い、満足のいく利益が出ると判断した時には、「大家さん謝恩祭」キャンペーンの応募を念頭にWebから問い合わせてみてはいかがだろうか。
「大家さん謝恩祭」の詳細はこちら
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「大家さん謝恩祭」の応募受付は終了しました。
たくさんのご応募、誠にありがとうございました。
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