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こんにちは。鑑定士×投資家です。今回もコラムをご覧下さり、ありがとうございます。前回コラムでは僕の付き合いのある金融機関のうち、メガバンク2行について特徴や融資に対する考え方などを紹介させて頂きました。今回は、メガバンク以外で取引のある金融機関(地方銀行・政府系金融機関)についてです。

現在のところ、地方銀行4行、政府系金融機関1行との取引があります。それぞれについて、取引に至った経緯・特徴等について解説します。

地方銀行の良さ

先のコラムでも触れていますが、僕は投資エリアを全国とする不動産投資家です。メガバンクは融資エリアが広くて一見使い勝手が良さそうに思えるのですが、敷居が高かったり、融資基準が厳しかったりとデメリットが多いのも事実です。

実際のところ、僕はメガバンクより地方銀行との取引関係を重視しており、今後もこの方針は変わらないと思っています。

何故か? それは、不動産投資をする上で、メガバンクより地方銀行の方が圧倒的に「使い勝手が良い」、この一言に尽きます。

メガバンクと比較して、金利がやや高い、融資エリアが狭い等のデメリットはありますが、しかしながら、地方銀行にはそれらを凌駕する使い勝手の良さ、柔軟性がある、と僕は思っています。極端なことを言ってしまうと「地方銀行を制する者が不動産投資を制する」くらいに考えているのです。現に、僕のメインバンクは某地方銀行です(下記の地方銀行B)。

では、取引のある地方銀行それぞれの特徴を、開拓した順にご紹介します。

○地方銀行A

東北地方に本店を置く第二地方銀行で、あまりメジャーではありません。当初、狙っていた物件所在地にある地方銀行Aの支店を片っ端から当たりましたが、取りつく島もなく断られ続けました。地方銀行特有の「地縁」というハードルにぶち当たっていたわけです。縁もゆかりもない一見さんである僕は断られても仕方ないのですが…。

ダメ元で地銀Aの東京支店に融資相談の電話をしました。

余談ですが、地方銀行の東京支店というのは在京地元企業の相談窓口となっていることが多く(基本的に法人しか相手にしない)、個人投資家は門前払いされるケースがほとんどです。

しかし、地銀A東京支店で僕の電話を取ってくれた方は融資課長、非常に融資に積極的な方で、「一度、支店にいらっしゃいませんか?」と面談をセッティングしてくれて、物件・属性にも問題がないという判断で本部に掛け合ってくださいました。

その後はトントン拍子に話が進み、物件を購入するに至りました。この銀行の融資条件は下記の通りです。

金利

1.5%

融資金額

オーバーローン

融資期間

法定耐用年数起算(RC造47年-築年数)

○地方銀行B

東北地方に本店を置く地方銀行で、東北では比較的大きな銀行として割とメジャーです。不動産投資には積極的なので、この銀行から融資を受けて不動産投資をされている方も多いと思います。ここが僕のメインバンクです。

投資初期にあの手この手を使ってこの銀行を開拓しました。最初の担当者が非常に優秀だったため、持ち込む案件すべてフルローン以上の承認を貰っていました。無論、モノにできなかった物件もあるので、全て取得できたわけではありませんが…。

昨年、この敏腕担当者が異動になってしまい、すでに融資枠も上限と告げられていたため、これ以上融資を獲得するのは無理だと思っていました。

しかし! 後任者は「鑑定士×投資家様であれば、もう少しご融資することができると思いますので、良い案件があればご相談ください」とのこと。後任者は前任者以上に積極的だったのです。

そこからまた快進撃が始まります。結果、当初提示された融資枠の倍額近くまで融資して頂きました。この銀行の融資条件は下記の通りです。

金利

1.2%~1.7%(物件により異なる)

融資金額

フルローン~オーバーローン

融資期間

法定耐用年数起算(RC造47年-築年数)

○地方銀行C

北陸甲信越地方に本店を置く地方銀行で、比較的大きくメジャーな銀行です。不動産投資には積極的なイメージがありますが、昨年、融資基準が大幅に改定され、僕が狙う中古RC一棟物への融資は厳しくなったようです。

たまたま地銀Cに持ち込んで融資を受けて物件を購入しましたが、融資基準が改定される前月のことでしたので、ギリギリ滑り込みセーフといった案件でした。

融資基準が改定されてから幾つか中古の案件を持ち込ましたが、担当者から出るのは「以前の融資基準でしたら満額融資させて頂くことができたのですが、現行基準ですと担保評価が出ないので、頭金が3割ほど必要になってしまいます」といった言葉ばかり。

地銀Cの現行融資基準は、中古物件に対して過度に大規模修繕費のストレスをかけて試算する仕組みに変わったようなので、今後は持ち込んでも徒労に終わることが必至と判断し、持ち込むのを辞めることにしました

今後の追加融資はないと判断したので、やることと言えばお決まりの「金利交渉」です。唯一、2%台の金利でしたので交渉して引き下げました。

金利

2.3%→1.9%(交渉後金利)

融資金額

フルローン

融資期間

法定耐用年数起算(RC造47年-築年数)

○地方銀行D

関東地方に本店を置く地方銀行です。東京都内にも多くの支店を持っているので比較的メジャーで、不動産投資にも積極的です。

今年の5月のこと、知人から非常に積極的な支店を紹介してもらい、地銀Dに相談に行きました。

前向きに検討してもらえると思って支店長面談に臨んだのですが、支店長から言われたのは「昨年度末(3月)まではうちの支店で取り組みができたのですが、4月から本部の方針が変わりまして、居住地最寄りの支店が担当する決まりになってしまいました。うちで取り組ませて頂きたいのは山々なのですが…鑑定士×投資家さんのお住まいは○○ですので、最寄りの○○支店をご紹介させて頂きます」という衝撃の回答でした。

改めて○○支店に案件を持ち込みましたが、非常に手続きや資料提出等が煩雑な支店でした。結果的に融資して頂けたのですが、融資承認が出たのは案件持ち込みから2カ月後のこと。メガバンクより細かい印象でした。この銀行の融資条件は下記の通りです。

金利

1.5%

融資金額

オーバーローン

融資期間

法定耐用年数起算(RC造47年-築年数)

○政府系金融機関

100%日本政府出資の金融機関です。一般の市中銀行とは色々な意味で一線を画す金融機関です。普通貸付、セーフティネット融資、シニアや女性向け融資など様々な融資制度(融資金額も区々)があります。

基本的に不動産専用の融資制度がないため、数ある中の融資制度にマッチさせて融資を引く必要があります。

あまり優秀ではない(もしくはやる気がない)担当者にあたってしまうと、「不動産への融資はしていません」「該当する融資制度がありません」と杓子定規な回答しか得られません。

僕の場合は、運良く優秀な担当者でしたので「数多ある融資制度の中からどの制度を利用すれば、鑑定士×投資家が望む結果が得られるか」「制度の中でどのようなロジックを組み、稟議を通せるか」という視点で融資制度を検討してくれました。

結果、僕にとってベストな選択をしてくれ、稟議を通し、融資実行まで漕ぎ着けてくれました。この金融機関の融資条件は下記の通りです。

金利

1.2%

融資金額

フルローン

融資期間

20年

余談になりますが、政府系金融機関で融資を申し込む場合は「民間銀行と違って属性や金融資産の多寡はほとんど関係がない」といったことを言う人がいますが、それは誤りです。政府系とはいえ、当然ながら貸し倒れを嫌う金融機関ですので、融資申込人の属性や金融資産の多寡は必ずチェックされることを覚えておきましょう。

ここまで金融機関の特徴についてお伝えしてきましたが、前述の通り、融資方針が変更になった金融機関もあります。常に最新の情報を入手した上で、その金融機関との付き合い方を考えていけると良いでしょう。