昨年秋には、投資や資産運用を学びながら経済的な自立を目指す女性グループ「富女子会」に入会。勉強会やセミナー、イベントなどに参加し、年齢の近い異業種の仲間たちと語り合っている。「周りに投資をしている女性は多くないし、こういう仲間を探していました」。今では講師側として、不動産投資のポイントなどを若い女性たちにレクチャーしている。

「不動産投資を遠い存在だと思っている人は多いと思いますが、やってみればそれほど大変なことはありません。1棟目の名古屋の物件は完成してから1回も見に行ったことがないですし、信頼できる管理会社に任せれば仕事をしながらでもできる。1棟買うと2棟、3棟と買い進めたくなるし、『リタイア』という選択肢が現実的になれば、心の余裕が生まれるんです」

太陽光18基

5棟購入後の3年間は物件を買っていない。「いい物件がないというのもあるんですが、既存借り入れ額も大きいので。また不動産の価格が下がってきたときに自己資金を多めに入れて買うための準備期間かなと思っています」

その間は太陽光発電投資に力を入れてきた。「2013年末、5棟目を買おうと思って地銀に融資の打診をしたら断られたんですが、その担当者と雑談中に『太陽光いいですよ』と言われたんです」。当時は太陽光発電投資の存在自体知らなかった。家に帰ってすぐネットで調べ、土地付きで販売している会社に連絡してその月に契約を済ませた。「国の制度だし、投資先として安心だと思ったんです」

1基2000万円程度で、現在は10基が稼働中。日本政策金融公庫や信販会社でローンを受けたほか、現金で購入したものもある。売電は1基20万円程度で、10基で220万円ほど。買取価格は36円/kWhが中心で、20年間はこの価格での買取が保障されており、利回りは約12%。さらに稼働前のものを含めると18基になる。

「不動産と太陽光を比べると、太陽光の方が収益性の面でも手間の面でも上だと感じました。ただ、太陽光は20年で一旦の区切りで、将来的な資産価値は残らない。逆に不動産は土地が残るという意味で『夢』があります」

実験的な投資も

2014年にはフィリピンのコンドミニアムを3戸、計2500万円ほどで現金購入した。「自分は本業の収入で十分生活できるので、投資から生まれるお金の一部は実験的に新しいものに投資したいんです。損するかもしれないし、それこそ詐欺に遭うかもしれませんけど、守るべきものがあるわけではないので」。新しい投資先を探す中、業者のセミナーに参加して興味を抱いた。

ただ、海外コンドミニアムについては「失敗とはいいませんが、やらなくても良かったし、今後もやろうとは思いません」と語る。「企業が自社買いの部屋をウィークリーやマンスリーで運用し、収益を投資家に均等分配する方式なんですが、思ったより稼働率が上がっていないようなんです」

利回りはもともと14%という説明だったが、実際は6%ほどにとどまっている。「投資は当然リスクを負うもので、株でも投信でも予定利回りを下回ったからといって文句を言えない。だから細かく追及するようなことはしていません。現金購入なので、6%でもプラスになっている限りはいいかなと思っています」

今ではホテル投資やバイオマス発電投資などにも参入している。

頑張る理由

ここまで規模を拡大する動機は何だろうか。「生きること、食べていくことを目的に働くのが嫌で、やりたいことをやって生きていくのが理想なんです」。40歳までに会社を辞めて独立し、行政書士と税理士、ファイナンシャルプランナーの資格を生かして女性の貧困問題解決のために起業するのが目標だ。「不動産投資を始めてから年収は倍になりましたが、住んでいる場所も生活レベルも変わっていない。結局、どれだけ手元にお金を持っていても、いつか死ぬから意味がない。それよりは社会に還元したいという気持ちが強いんです」

将来に不安を感じている友達の姿が、今の自分を後押ししている。「今までの自分の経験と資格を生かして、その人の人生を丸ごとプランニングする『ライフコンサルタント』のような仕事を考えています。不動産売買や投資後の税務、法人設立もそうですが、購入以前に属性を上げる必要がある人には転職サービス、転職が難しい人には留学の斡旋など…。投資を始める前段階から購入後までワンストップでサポートし、お金がなくて大学に行けない人のためにはファンドを作ったりすることも思い描いています」と夢は大きい。

「若い女性たちに伝えたいのは、属性が低い、お金がないからといってあきらめないでほしいということ。今からでも資格を取ったり、留学をしたり、できることは必ずあるはず。絶対に努力次第で道は拓けると思うんです」

(楽待新聞編集部 金澤徹)