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少ない初期費用で高い利回りを得ることができ、しかも手間はほとんどかからない―。こうしたメリットの多さから、コンテナやトランクルームといった「物置」投資の人気がじわじわと高まりつつある。

実際に15%や20%といった実質利回りを実現できている投資家からは、「始めるなら市場が拡大しきる前の今が狙い目」といった声も聞こえてきた。

実質利回り15%

ハンドルネーム・Takaさんは、サラリーマンの副業として、2012年ごろから物置投資を始めた。現在、複数の投資家との共同出資を含め、事業会社を通じて、関東地方で複数のコンテナやトランクルームに投資しているという。総投資額は約1000万円で、これに対する実質利回りは15%ほどだ。

「不動産投資についていろいろと調べていた時に、たまたま見つけたのが物置への投資でした。手軽だし、まずはこっちから始めてみようと思いました」ときっかけを振り返る。

少額で始められることは大きなメリットだとTakaさんは語る。初期投資としては、一番安いもので50万円、立地が良く大きなもので600万円程度かかったという。また、毎月の管理費も事業会社に支払っている。それでも月々15万ほどの手残りになるという。

物置投資は「最初が一番大変で、それが終わってしまえば楽です」と語るTakaさん。大変なのは、立地選定や、利用料の値段付け、満室までの期間が長いことなどが理由だ。

「駅前は初期費用が高額です。また、そういう場所はトランクルームという形式をとりますが、テナント料や改装料も含めて高くついてしまいます。ただ、利用者は車を使う人がほとんどですし、行く頻度がそこまで高い施設でもないので、利便性を考えても駅前より郊外の方が立地としては良いです」

利用料設定は「そういうノウハウが私にはないので、事業会社に任せています」と言いつつ、「すでに競合が出店しているところなら相場が出来上がっているので、そこに合わせる。一方、まだ出店されていない場所なら先駆者になれますから、極端に高い値段付けはできませんが、少し高めに設定して、埋まらなければ徐々に下げていきます」と、市場を見極めることの重要性を訴える。

「最初が肝心」

「最初から満室になるケースはまれ」と、空室をすべて埋めるまでには時間がかかると指摘するTakaさん。感覚として「1カ月に1、2件申し込みが入るという感じ」だという。入退去の時期である春先などに申し込みが増える…というようなこともないと話す。一方で、一度荷物を入れた利用者は荷物を動かす手間から契約を解除しにくいため、「最初が肝心」ということになる。

「いかに早く契約してもらうか、早く空室を埋めるかが大事です。いったん荷物を入れてもらえれば、後から競合が出てきても、ちょっと安いくらいだと『面倒だからこのままでいいや』となってもらいやすいです」

そのために、Takaさんは利用者に向けて、初期費用無料や、1年契約することで1カ月の利用料無料といったキャンペーンを打ち、とにかく最初に利用者を増やすように努めている。「キャンペーンが終わって出ていく人もいますが、入らないよりはましです」

ただ、キャンペーンが終わっても利用をやめない人は長期利用する可能性が高いため、「それを繰り返すことで、最終的には長期利用者ばかりと契約することができます」と話す。長期利用者ばかりになればほとんど手間もかからず、「大規模修繕も塗装くらいしかありません」とさらなるメリットを述べる。

しかも、利用者の反応が良くないと思えば新たに土地を探して、コンテナだけ動かすこともできる。「不動産は文字通り『不動』ですが、そうではないのがコンテナの面白いところですね」

右肩上がりの市場

こうした手軽さから、今後の参入者の増加が見込まれているが、「もし始めるなら、今ではないでしょうか」とTakaさんはアドバイスする。今後さらに市場が大きくなれば、期待できる利回りもどんどん下がっていくからだ。「実際、私が始めた5年ほど前の利回りは20%以上でしたが、緩やかに下がってきています。始めたいと思う人は、早いほうがいいと思います」

実際、市場は拡大を続けている。株式会社矢野経済研究所の「レンタル収納・コンテナ収納・トランクルーム市場に関する調査」(2016年)によると、トランクルームやコンテナ収納の国内市場規模は右肩上がりで推移しており、2011年度の455億5000万円に比べ、2016年度は1.5倍近い増加となる652億6000万円と予測されている。

また、2016年6月末現在のコンテナ収納などの部屋数も、2013年同月末時点に比べ約23%増の約43.8万室にも上るとみられている。

出典:矢野経済研究所による「レンタル収納・コンテナ収納・トランクルーム市場に関する調査(2016年)」 )

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