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早いもので、2017年もあと2カ月と少しで終わりますね。今年は昨年に比べると、融資条件が厳しくなったり、投資家さんに注意を促す本が出たりと、投資の環境は昨年よりもクールダウンしているように思えます。

でも、全く投資熱が冷めたのか? というと、そうではなく、投資家さんも積極的に良い物件を探していますし、都銀を除く金融機関はまだまだ貸し出しに積極的です。新築アパートやマンションもたくさん建築されました。

ここで心配になるのが、「こんなに1K物件が増えても大丈夫なのか?」ということです。少子高齢化で若者が少なくなっていくのに、若者中心の単身者用アパートやマンションは増え続けています。

将来の人口は

今年4月に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口」レポートによると、2015年の総人口は1億2709万人でした(国勢調査)。この総人口は以後長期の人口減少過程に入り、2065年には8809万人になるものと予想されるそうです(出生中位推計=出生率が中くらいで推移すると仮定した場合の推計)。

生産年齢人口(15~64歳)は戦後一貫して増加を続け、1995年の国勢調査では8726万人に達しましたが、その後減少局面に入り、2015年の国勢調査では7728万人となっています。将来の生産年齢人口は、2029年に7000万人、2040年に6000万人、2065年には4529万人まで減ると予測されています(出生中位推計)。

・日本の人口は今後減少する

・若者が減って高齢者が増える

このことは上記の発表結果を見るまでもなく、今までも何度も言われてきたことです。

ただ、「若者が減るから1Kのニーズが少なくなるか?」といわれると、私はそうは思いません。逆に「今よりも増えるのではないか?」とさえ思っています。

若者に代わる入居者

なぜ今後1Kニーズが増えるの? と不思議に思った方も多いと思います。その理由は、「単身の貧困高齢者が増える」からです。

西日本新聞の今年9月の報道によると、65歳以上の高齢者がいる世帯の貧困率(生活保護受給者と同等の生活水準となる世帯年収に満たない割合)は、2016年時点で27%に上るそうです。つまり、高齢世帯の4分の1が貧困ということになります。ひとり暮らしの女性は特に深刻で、2人に1人が生活保護の水準を下回る収入で暮らしているそうです。

家賃の安い都営住宅や公営住宅も数に限りがあり、すべての人が入れるというわけではありません。そういった住宅に入れない高齢者が、若者に代わる1Kの入居者になると思っています。

先日、都内の区分マンションの1階部分が売り出されました。オーナーチェンジ物件で、3点ユニットの1Kタイプ、広さも17平米程度。その物件に入居しているのは92歳の女性で、生活保護を受けている方でした。

92歳といっても健康そのもので、日中はデイサービスに通っており、ケアマネジャーさんもしっかり付いているとのこと。普通は不利になる「3点ユニット」も、デイサービス先で入浴を済ませてしまえば気になりません。

コンパクトな1Kは、欲しいものも手を伸ばせばすぐに届き、意外と便利なのではないでしょうか?

「高齢者用アパート」のニーズ

ある投資家さんは、築古で空室の多いアパートを安く購入し、1階部分を高齢者用のアパートにしたところ、すぐに満室になったそうです。20%以上の高利回りで、空室もなく安定した経営につながっています。

高齢者用アパートにするには、部屋の中の段差をなくし、手すり等をつける方法があります。また、条件はありますが、空家リフォーム費用として「住宅セーフティネット整備推進事業」で最大100万円の補助金を利用できるケースもあるようです。

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