写真© gukodo-Fotolia

賃貸物件を新築するとき、入居者にとっての使い勝手が完全に無視されることはほとんどないだろう。しかし、世の中には「どうしてこうなったのか?」と首をかしげたくなるような不思議な間取りの物件が存在する。そうした個性的な間取りは人々の関心を集め、『ヘンな間取り』(イースト・プレス)をはじめとした、面白い間取りを集めた書籍が何冊も発売されるほどだ。

「無茶な後付け」でヘンな間取りに

同書のモデルとなったブログ「まどりましょ」を書く竹安功さんに、これまで見つけた風変わりな間取りの中から、特に印象に残るものを紹介してもらった。

そもそもなぜ竹安さんは、変わった間取りの物件をブログで発信し始めたのか。

「就職で上京し、部屋をネットで検索した際に『世の中には不思議な間取りの部屋があるんだな』と感じました。これは世の中に知らしめなければならない、と思いましたね」

竹安さんによれば、風変わりな間取りはよくあるが、意識しないと見過ごしてしまうという。注意深く間取りを見て「あれ、これって変じゃない?」と違和感を抱いたら、脳内引っ越し(妄想)をする。そうすることで、間取りのおかしさがじわじわと湧き上がってくるというのだ。

たとえばこちらの間取り。

「一見、どこにでもありそうな間取りですが、洗濯機置き場に洗濯機を置くとトイレのドアが開きません。そもそも、洗濯機を置こうと思っても洗面台に引っかかって搬入できません」(竹安さん)

変な間取りにトレンドがあるか聞いてみると、竹安さんは「学生街の築数十年のアパートでは、狭い部屋に強引に水回りを付けて、明らかにおかしな間取りになっていることが多かったです」と話す。

建築当初は風呂なしだったアパートに対して、時代の流れと共に変化するニーズに対応しようと、強引に水道を後付けしてしまう。その結果、ユーザーにとって極めて動線が悪い間取りが完成するわけだ。

具体的には、専有部にキッチンを作れず共用廊下に設けるというケースや、リビングに行くために一度脱衣所を通り抜ける必要があるなどのケース。「とりあえず水回りをつけました」感が満載だ。冷蔵庫をシンクの反対側にしか置けなさそうな物件や、キッチン動線が狭すぎる物件もある。

シンクの反対側にしか冷蔵庫を置けそうにない

キッチン動線が狭すぎる

次のページヘンな間取りトップ3