「私は、自由になりたかった」─。大学時代からの夢を有言実行で叶えてきたのは、不動産投資家であり事業家の松村裕一さんだ。現在、国内で9棟、海外で9戸の収益物件を所有、約20億円の投資を実践。共同住宅だけでなく、建物に設置した太陽光や機械駐車設備、介護施設のデイサービスやリハーサル&ライブスタジオ経営、プライベートアドバイザリー等、手掛ける事業は多岐にわたり、年間収入は2億円以上にものぼる。

「とにかくお金持ちになって、時間の自由を得たい。学生の頃はその程度にしか考えませんでした。でも、そこが原点です」。そんな松村さんの成功を掴んだ経緯やマインドセットについて深掘りする。

人生のビジョンは大学生の時に

「20代で得意分野の資格を取りまくり、30代は海外で仕事して経営を学び、40代で独立して世界のリゾートを研究する、50代は自由になり世界を旅するだったかな」。これは、経済的自由と時間的自由を求めて大学時代に定めた目標だ。「まぁ学生だったから、ものすごくラフな目標ですけどね」

当時から、人生におけるモチベーションが高いだけでなく、知らないことに対する興味関心も人一倍あった。大学3年の時、バイトで貯めた30万円を片手に、大好きなヨーロッパ建築を見ようと一人で旅に出るという行動力も見せる。

「1泊1000円のユースホステルに泊まり、宿泊費を浮かせるために夜行列車で移動しながら、ギリシャ・イタリア・スペイン・スイス・西ドイツ・フランス・イギリスと2カ月かけて回りました。英語もしゃべれない、携帯電話もインターネットもない時代。それでも、日本では建てられないヨーロッパ建築を見たくて見たくてしょうがなかったんです」

自分と同じバックパッカー仲間を見つけては声をかけ、旅を共にした。「建築が素晴らしくて本当に感動しました。アントニ・ガウディ(スペインの建築家)のサグラダ・ファミリア(聖家族教会)なんか、見た時には鳥肌が立って、前の公園から1日中ずっと見ていても飽きなかった。だって、どう頑張っても地震のある日本じゃ造れない、しかも手造りですよ!!」

「海外では日本にないものが見られる」という学びが大きかったことは想像に難くないが、その探求心はどこから湧いてくるのだろうか。

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