極端に狭い物件からリゾートマンションまで、不動産の市場には様々な物件が出回る。所有する際には、その物件にどんな人が入居したいと思うのか、どんなニーズがあるのかを想定し、適切な空室対策を行う必要がある。

そんな中、一風変わった物件の販売が開始されている。無印良品を展開する良品計画の「無印良品の小屋」だ。価格は1棟約300万円。居住スペースと縁側だけのシンプルな間取りで、水道や電気はついていない。2017年11月からは個人にも販売対象を拡大している。

果たして、どのような暮らしを想定しているのか。そこに居住したい、購入したいというニーズはどれほどあるのか。開発を担当した良品計画の高橋哲さんに話を聞いた。

「小屋を建てる土地の活性化を期待」

高橋さんは開発の背景について「単に小屋という商品を作るのではなく、実際に建てる土地の活性化も考えています。新しい暮らしが始まれば、土地とのつながりも生まれます。そんな期待を込めました」と語る。これが小屋のコンセプトを「はじまりの小屋」とした所以だ。

そんな無印良品の小屋は、千葉県南房総市にある「シラハマ校舎」で購入できる。地元の企業であるWOULDが廃校となった小学校の校舎と校庭跡地を、「働き、耕し、泊まり、憩う」新型コミュニティセンター「シラハマ校舎」として生まれ変わらせた。

旧校舎はオフィスや宿泊施設(ゲストルーム)として貸し出し、中にはシャワールーム、食堂、トイレを備えている。校庭には無印良品の小屋用の区画が21区画ある。個人への販売対象拡大に先立って販売し、高橋さんによると10棟が売約済みで、うち9棟は入居済みとのことだった。

小屋の居住スペースは約9平米、縁側が約3平米の合計約12平米。価格の300万円の中には施工、材料費が含まれる(その他、施設整備費、管理費が別途発生)。玄関はなく出入りは正面の窓から行う。水回りはもちろん、ガスなどのライフライン類は小屋にはなく、シラハマ校舎にある共有スペースを使用する。(電気関連はオプションで追加可能)ただ寝るだけのスペースというシンプルな作りとなっている。

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