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「買うまでは大変、買って満室になってしまえばラク」といわれる不動産投資。不動産投資が不労所得といわれるワケは、物件を購入して「大家さん」になってからの仕組みにある。あらゆる業務をアウトソーシングすることが可能で、「大家さん自身は通帳を確認するだけ」ともいわれる。

ただ、実際には退去があったり、入居者からのクレームや修繕などに対応したりと、すべきことは多い。そのため、大家さんを中心としたチームワークが不可欠になる。

そんな中で、周りから嫌われてしまう大家さんがいる。一体、どういう人が「嫌われる」のか。管理会社、銀行担当者、入居者、不動産投資家─。普段投資家が接するであろう人々に、大家さんならではの「嫌われる」理由を聞いた。

(1)管理会社から嫌われる大家さん

物件を購入した後は、いかに物件を高稼働させて、順調に経営させるかが肝となる。そのための重要なパートナーが管理会社だ。とくに首都圏に住む大家さんが地方物件を購入した場合は、管理会社がライフラインといっても過言でもない。その、もっとも味方になってもらわないといけない管理会社から嫌われてしまっている大家さんがいる。

「こんなこと、なかなか本人には言えませんが、せっかちで細かい大家さんは嫌われますね。私は今地元に戻っていますが、元は東京の不動産会社に勤めていました。だから、都会の方のペースもわかるのですが、地方の人間は不動産会社も業者もみんなのんびりなんです。そこに首都圏の投資家さんから高圧的な物言いで、いろいろダメ出しされると関係がすごく悪くなります」

そう話すのは、S県某市にある管理会社の店長Aさん。よくあるのは、修繕に対してのクレーム。見積もり書の内訳を詳しく知りたがったり、報告の写真の撮り直しを命じたりするもの。

「大家さんからすれば、換気扇交換一つとっても工賃がいくらでどんな材料を使っているのか詳しく知りたい気持ちがあるのも分かります。型番から価格を調べて、『インターネット通販であれば半額で購入できる』と言われても、管理会社からすれば設備業者に頼んでいることなので、どうしようもないのです。

設備業者にしても『だったら自分で交換すればいいのでは?』という話です。他にも、修理前後の写真を撮ってくれるように頼んでいるのですが、年配の職人さんだとうまく対応できないケースもあります。一度、とある大家さんから『撮り直し』を命じられたときには、修繕をお願いした大工さんが臍をまげてしまい、『もう、おたくの修繕は請けない』と言われました。その大家さんが間違ったことを言っているとは思いませんが、地方ではお互いの信頼関係で成り立っている部分があります」

投資家にとってはコスト削減のために行っていることも、伝え方や管理会社のスタンスによっては嫌われてしまう原因にもなるようだ。Aさんはこう続ける。

「一番困るのは管理会社の人間が入居者対応ではなくて、オーナー対応に追われてしまうこと。オーナーの相手をするために時間をとられて、肝心の修繕の手配や物件への対応が遅れてしまえば本末転倒ですよね。クレーマー入居者は困りますが、クレーマーオーナーはもっとも厄介だと思われていますよ」

続いては、誰もが名を知る大手のフランチャイズの管理会社の客付担当Bさん。

「うちは客付に強い会社として知られています。もちろん、自社の管理物件を優先的に客付していますが、管理物件以外の物件の客付も行っています。最近よくあるのは、名刺を持った管理物件以外の大家さんが挨拶にきたり、熱心に電話をかけてきたりすることです。おそらく、そのようなマニュアルがあるのかもしれませんね。

インターネット広告のアクセス数を教えて欲しいとか、内見数はどうだとか、とにかくいろいろ聞かれます。正直な話、自社の管理物件であれば対応しますが、他社の管理物件で客付を頼まれている場合には、『自分の管理会社に聞いてくれ』と思いますね。

また、管理物件の大家さんであっても、毎週毎週電話をかけて『早く空室を埋めてくれ』と口うるさく言われると、モチベーションが上がるどころか、電話を受けるのをみんな嫌がります。そんな大家さんに限って、こちらからの提案をスルーするんですよね。いたずらに家賃を下げるのはよくないと思いますが、競争が激しい現実がありますから、それ相応の経営努力は必須だと感じます」

Bさんいわく、客付営業は若い女性も多いため、しつこい大家さんの電話攻撃に参ってしまうケースもあり、非常に困っているのだとか。

本来であれば、こうした相談は自身の管理会社に行うべきこと。大家さんが独断で動くのは、管理会社にとっても客付会社にとっても迷惑なのだ。

リフォームコスト削減や空室対策など、現状について不満や懸念があるのであれば、まずは管理会社の担当者と打合せを行うのがベター。とくに遠隔での管理運営のトラブルはコミュニケーション不足が原因であることが多いという。一方的なコミュニケーションになりがちなメールや電話のやりとりばかりでなく、一度顔を合わせてミーティングしてみることで、円滑に進む可能性が広がるだろう。

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