写真© chombosan-Fotolia

楽待が開催中の「大家さん謝恩祭」は、投資家が楽待を通して物件に問合せをし、その物件を購入した際、物件購入価格の1%分の現金を楽待からプレゼントするというキャンペーンだ。

実績のある投資家はこのキャンペーンをどう使うのか? 複数の不動産投資家に、物件探しから購入、所有権移転までの流れを細かくリポートしてもらうべく、日々の活動状況を届ける本企画。本当に物件を購入するまでに至るのかなど、リアルな実態を連載する。

2人目は、東大卒のMBA保有者でコンサルティング会社を経営している珠さん。総投資額9.7億円、投資歴は13年というベテラン投資家だ。今回は、実際に楽待で物件を探して不動産会社に問合せをするまでの活動報告。6物件に問合せたが、5物件は検討から外れたという状況に…。1人目の三浦さん同様、早くも先が見えない状態で、果たして本当に物件は買えるのか?

どのような条件で物件を検索し、どんな視点で物件を選定するのか、そしてどのように融資相談を行っているのかなど、「融資を受けて優良物件を購入するための物件の見極め術」を中心に、わかりやすく、読みやすい、ユーモアたっぷりの文章でお届け!

珠さんのプロフィール

・41歳、コンサルティング会社経営。 東京大学卒業後、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了。日系コンサルティング会社を経て転職した外資系コンサルティング会社で、今まで触ったこともなかった不動産の事業性評価のプロジェクトに放り込まれる。顧客先に常駐すること約1年、その間に不動産投資の面白さ、ダイナミックさに目覚める。自分でもやってみたくなり、最初にアパートを購入したのは28歳。それから延べ投資歴は13年。

・購入履歴は1棟マンション×5棟(総額6億2,500万円)、1棟アパート×3棟(総額1億4,800万円)、区分マンション×11戸(総額1億2,000万円)、区分テナント×2戸(総額7,700万円)で合計9億7,000万円。そのうち、マンション3棟、アパート2棟、区分マンション5戸は売却済。

「大家さん謝恩祭」は投資家のストレスを軽減させてくれる!?

コンサルティング会社時代、不動産の事業性評価をする際に重要視するポイントの一つに「第一印象」がありました。その意味で、大家さん謝恩祭は「かなり人目をひく!」と言う第一印象でした。不動産を購入した経験のある方であれば、1%の重みを実感しているはずです。

・あと100万円、いや50万円価格が安くなれば…

・仲介業者さんの働きがイマイチだが、3%の手数料を値切る訳にもいかない…

・銀行指定の司法書士さんの報酬が前回の司法書士さんより4万円も高い…

・銀行が金利を下げてくれない…

・リフォームしたいけど、あとから支払う取得税のこと考えると…

などなど。不動産投資には何かとお金がかかります。そしてその金額についても、合理的に決まっているものではなく、「こんな感じかな」とか「社内基準だから」などの曖昧な、投資家から見るとイマイチ納得しかねる理由で決まっている場合も多々あります。

かつて流行った「鬼のような指値」を入れられる投資家さんなら良いのですが、私のような気弱な投資家であればあるほど、言いたいことが言えず、ストレスだけを溜める結果に繋がるわけです。

今回のキャンペーンは、そんなストレスを軽減(場合によっては激減)させてくれる、面白い企画だと思いました。個人的には支給額の天井を100万円ではなく、もう少し上げてくれても良いんじゃないのとは思ったのですが…(笑)。

物件探しの条件は「銀行の融資基準」で決める

購入履歴を見ていただければ分かるとおり、一棟ものであろうと区分であろうと、マンションであろうとアパートであろうと、レジ系であろうと商業系であろうと、物件の種別はほとんど気にしません。私には、現在取引のある金融機関が4行あり、それぞれの物件評価の傾向が分かっているので、その評価に当てはまる物件を探して購入しています。

とは言え、今回は物件を購入するまでの経緯をレポートをすると言う重要な役割があるので、現在利用している金融機関の融資スタンス(金利、融資期間、対応エリア)に応じて購入する物件の条件を絞りました。

【取引銀行4行の融資条件】

クリックすると拡大できます。

【物件の検索条件】

クリックすると拡大できます。

A行は基本的に「法定耐用年数以上の融資期間は組めない」ため、木造の築古物件などは融資の対象外となってしまいます。ただ、調達金利は低めでかつ価格が大きな物件(3億円程度)でも融資可能なので、築年数は30年まで、価格は2.5億円までとしたのが「条件1」です。

B行とC行は「法定耐用年数以上の融資期間が組める」かつ、大規模修繕が実施してあれば「経済的耐用年数が伸びた」と見なしてくれて、融資期間が延びます。極端な話で言えば、築古の木造であっても30年などの融資期間を組むことが可能なため、構造や築年数は問いません。

また、B行は神奈川県の地方銀行であり、C行は東京都内の信金で、神奈川県全域とは言いませんが川崎市や横浜市、相模原市が融資可能エリアです。ただ、C行はあまり大きな金額の融資(1億円以上)は組みにくいのと、B行とお取引するのは初めてなので金額については小さめにし、「条件2」で、物件を探すことにしました。

【活動報告】

♦9月23日(土)
早速、楽待で物件を検索したところ、条件1では39件、条件2では100件近い物件がヒット。昨今の売り物件不足を考えると、「思っていたよりもあるなぁ」と言う印象です。その中で、エリアや利回り、構造や築年数などの条件を加味した後、さらに絞り込んだ結果、下記の6物件に問合せを行いました。検索時よりも物件の数がだいぶ少なくなっているのは個人的に物件の候補から絞り込みをかける作業が好きなのと、数多くの問合せを行っても現地訪問などの時間を取ることが難しいからです。

クリックすると拡大できます。

物件を絞り込んだ際の3つのポイント

物件の絞り込みをする際、まずは一つ一つ物件の概要をみることにしています。次に、自分で決めている3つのポイントで除外を行っていきます。

1つ目の除外ポイントは「同じ物件が多くの業者さんに出回っている」こと。これは自分が物件を売却する際に感じたのですが、あまりたくさんの業者に売却依頼を行うよりも、数社、場合によっては専任の方が話が進みやすいのです。

逆に、購入する立場で考えると、複数社が掲載している物件の場合、掲載している業者さんの売り物件に対するグリップ力が弱い場合が多いということになります。そのような業者さんに問合せをしてしまうと、時間のムダだったりして、私の精神衛生上良くないことが多いです(笑)

2つ目の除外ポイントは、「築年数が古い」こと(木造で言えば耐用年数以上)。これは単純に築古が嫌というわけではなく、まずは耐用年数が残っているものから当たりをつけてみたいと考えたからです。要は順番というか、ローラー作戦というか(笑)そんな感じです。

3つ目の除外ポイントは「満室状態である」こと。普通に考えれば、満室の方が金融機関の評価が出るのでありがたいのですが、逆を言えば満室は「潜在能力をすべて出しきっている」状態で、それ以上のパフォーマンスは望めません。ここは個人の嗜好にもよると思いますが、不動産投資をするからには、何かしら収益アップを狙いたいですし、それが醍醐味だと思っていますので、満室の物件は除外しました。

それと、空室が何部屋もある物件だと金融機関の評価がシビアになります。シビアになればなるほどライバルは減り、そうすれば購入のチャンスが自ずと上がるというのも要因です。

問合せをする際は、不動産業者さんに対しては下記の資料を送るようにお願いしています。

・レントロール(ランニングコストが分かれば尚可)

・修繕履歴(大規模修繕を行っていればその内容)

・固定資産税評価証明書(もしあれば)

・登記簿謄本(もしあれば)

大規模修繕を行っていれば「経済的耐用年数が延長された」と見なしてくれて、融資期間が延びる金融機関があるので、修繕履歴はチェックするようにしています。先に挙げた金融機関の中ではC行(信金)がそれに当たります。

登記簿謄本では、売主の残債がどの程度あるのかチェックします。一昔前までは、その残債の金額を想定して多少上乗せする形で指値していたのですが、今ではほぼ指値は困難な状況になっています。それでもお願いしてしまうのは、慣習なのか売主の残債を確認するのが趣味なのか、自分でも良く分かりません(笑)

なお、物件Eは、私の友人が勤めている不動産会社が掲載している物件でした。この友人(仮にN氏としておきます)と知り合ったのは約10年前、きっかけは楽待の物件紹介です。当時、私が楽待にニーズを登録していたところ、N氏がコンタクト(物件を提案)してきてくれました。

そんなN氏とは同学年だったこともありそれなりに話も弾んだのですが、ふとしたきっかけで船釣りと言う共通の趣味があることが分かり、それ以来、1~2ヵ月に1度は一緒に釣りに出かけるようになりました。楽待は、ある意味「出会い系」ですね!(笑)

話を戻して物件Eですが、問合せの欄に友人N氏の名前を書いておきました。さてどうなるか。N氏からのレスポンスも楽しみですが、他の物件の情報も楽しみにしながら、この日はパソコンを閉じました。

9月24日(日)
朝一番、9時過ぎに電話がかかってきました。物件EのN氏からで、開口一番「や め て お け」とのこと(笑)その理由を整然と説明。予想していたとおりでしたが、接道状況が最悪でグーグルマップではたどり着けない。車で行くなどもっての外。そして土地は割と広いが半分以上が、法地(のりち:宅地として利用できない斜面のこと)。

売却依頼を受けて半年近く経過していて反響数は多いものの、みな現地を見て断念するのだとか。

以前の私なら興味半分で現地見学をしていましたが、娘を2人抱えた今となっては休日に不毛な現地見学など入れようもありません。N氏の言うとおり、見送ることに。

意外だったのは、この日のレスポンスはこれだけだったこと。日曜日だったから業者さんもお休みだったのでしょうか?

♦9月25日(月)
物件Aと物件Cの業者さんからレスポンスがありました。

物件Aの業者さんからは、登記簿謄本はないものの、それ以外の資料は全て揃った状態で、管理規約や重要事項調査書まで送ってもらいました。過分な資料をもらいましたが、ここまで揃っているなら登記簿謄本も欲しいのですが、持ってないのかそれとも忘れているのでしょうか。

物件Cの業者さんからは概要書(マイソク)のみが届きました。物件Cの業者さんは誰でも知っている大手の仲介業者さんなのですが、メールの冒頭に○○(←楽待以外のサイト)からのお問合せありがとうございます!と書いてありました(笑)

一瞬動揺しましたが、このことを冷静に確認(ツッコミとも言う)しつつ、接道状況や空室の状況(募集はいつから、空室期間の確認)、レントロールの早期取得をお願いするメールを書きましが、梨のつぶてになりました。「なんやねん!」の一言です。

♦9月26日(火)
物件AはA行が使えそうなので、金融機関評価を聞くため、持ち込んでみることにしました。A行の場合、一棟ものであれば数日で簡易評価が出ますが、区分ものだと10日ほど掛かってしまいます。その旨を仲介業者さんに確認してみると、現時点では競合もいないのでOKとのこと。評価が楽しみになりました。

物件Dの業者さんから連絡がありました。概要書(マイソク)とレントロール、物件写真が数枚届きましたが、築15年が経過しているのに修繕履歴はないとのことでした。ただ単に履歴が無いのではなく、修繕自体を行っていないそうです。写真を見る限りでは外壁の耐久性はそれなりにありそうですが、屋根は修繕のやり時のように見えます。

また、接道状況をヒアリングしてみると、物件へのアプローチで急な階段を登らざるを得ないところがあり、それが空室を生む主要因ではないかと思われました。その分を加味して価格交渉を打診してみると、売主さんは強気で一切下げる気がないのだとか。価格を妥協して追いかけるほどの物件でもないため、見送ることにしました。

それにしても物件Bと物件Fの業者さんからは連絡が来ません。本当に問合せをしたかしら? と思ってメールボックスを再確認しましたが、ちゃんと楽待からの確認メールは届いていました。なんだかこの企画に対しての私のコラム、早くも暗礁に乗り上げそうな気配が…(笑)

♦9月27日(水)
物件Fの業者さんから連絡が来ました!
なんと楽待に掲載した担当者さんが不在だったとのことで、別の担当者さんからの連絡でした。どういった事情があるのかは分かりませんが、申し送りが上手く出来ていないようで、初めに送られて来たのは概要書(マイソク)のみでした。

何度かのやり取りを経てレントロールと年間の固定資産税額はゲットしたものの、それ以外は闇の中。レントロールを見る限りでは、駅近なのに半分が空室になっています。長い部屋だと1年近い空室もあり、これはきっと何かあるに違いない!

♦9月29日(金)
物件Fの業者さんとやり取りをし、結果的に見送ることに。空室が多い理由はある意味では予想どおりでしたが、売主さん事情。管理会社と何らかの原因で揉めたらしく、切替も含めて募集停止状態だったのだとか。

これは逆にちゃんとやれば利回りをアップさせる要因だと思いますが、難点だったのは接道状況とロケーション。軽自動車がやっと通れるくらいの道に面しているだけでなく、ほぼ線路沿い。

この物件Fの最寄り駅は神奈川県内でも比較的大きい駅で、複数路線が乗り入れています。数年前に同じ駅にある、駅近だけど線路沿いと言う物件を視察したことがありました。

その物件も、同条件の物件と比べても家賃が割安だったにもかかわらず、入居率は7割未満。視察中にたまたま入居者に話を聞くことが出来ましたが、夜中までうるさくて眠れず、住んで半年も経たないのに引越予定と聞かされたことがあります(笑)

同じ駅にある物件のため、かつての記憶が蘇り、見送ることにしました。

【活動の振り返り】

結果的に、物件Bの業者さんから連絡が来ることはありませんでした。ただ、10日ほど立ってから物件Bのページを確認すると物件情報が消えていたので、おそらく私よりも早く問合せた人が即断で決めてしまい、他決してしまったのでしょう。

それでも何らかの連絡は欲しかったですけどね(笑)物件Bはスペックを見る限りでは良好だったので、良い(良さそうな)物件の足は、サバの生き腐れよりも早いと再度心得た次第です。

何物件が問合せて継続したのが物件Aだけという状況は情けない限りです。楽待経由で提案を受けることはあっても自分で掲載されている物件から探したこと自体が久しぶりだったので、目線のハードルが昔のままだったことやシンプルに勘所が鈍っていたことが原因でしょう。

また神奈川県の物件は特に接道状況に難がある物件が多いことを忘れていました(笑)特に比較的新しい物件(15年以内程度)にその傾向が顕著ということを再確認しました。金融機関のB行やC行は経済的耐用年数で見てくれるので、別に古い物件でも良いのです。むしろその方が立地や地形が良い場合が多いと思いました。

また物件探しのさなか、楽待に掲載されている物件だけではなく提案される物件も1%プレゼントの対象になると聞いたので、あらためて登録中のニーズを変更することにしました。楽待にニーズを登録して10年近くになりますが、今の市況で「利回り10%以上の物件しか受け付けません!」と書いても、業者さんからは物件の提案をもらえないでしょう。

現在の市況に合っていないニーズ条件を見直して、「23区&神奈川県&埼玉県、一棟マンション/アパート/区分マンション/区分店舗/区分事務所、構造および築年数問わず、利回り8%以上」と言う、釣りで言えば五目釣りのような幅広い条件に変更してみました。

一つ一つニーズを登録するのは少し面倒でしたが、これで状況が好転することを祈りつつ、次回、どのような変化があったかをご報告します!

※楽待に会員登録をするとニーズ(購入希望の物件条件)を登録できるようになります。ニーズを登録すると、不動産会社から個別に物件の提案が受けられます。提案物件の中には広告不可の非公開物件も多くあります。
詳しくは下記ページでご確認ください
https://www.rakumachi.jp/about/#merit

▼「大家さん謝恩祭」の詳細や物件の検索はコチラから▼

https://www.rakumachi.jp/campaign/support/

 

_________________________

「大家さん謝恩祭」の応募受付は終了しました。

たくさんのご応募、誠にありがとうございました。