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不動産の購入や賃貸経営には、多かれ少なかれさまざまなトラブルが発生する可能性がある。実際に弁護士のもとに持ち込まれた事例や裁判例から、こうしたトラブルについて知識を得て、自身の不動産投資に役立ててもらいたい。

今回は、投資用不動産購入におけるトラブル。いわゆる「デート商法」的な営業手法によって物件を購入した女性が起こした実際の裁判例から、デート商法はどのような手口なのか、また、どのような点に気を付ければいいのかを確認してほしい。

利回り4%の区分を買ってしまった…実際の裁判例

以下に記載するのは、2016年に東京地裁で判決が下された損害賠償請求事件だ。

判決によると、2011年、当時30代だった女性Aは、婚活サイトを通じて男性Bと出会い、メールのやり取りをするようになった。BはAに対して好意、あるいは交際や結婚をちらつかせるような言動をとっていたという。それから数カ月後、Bは投資用区分マンションの購入を勧めるようになった。その際には「空室の心配はない」「家賃保証がある」「節税効果がある」と勧誘。Aは購入を否定したが、Bは「そんな考えでは一生結婚できない」などと執拗に述べ、だんだんAも購入を考え始めるようになったという。

Aはその後も慎重にシミュレーション表などを作成、マイナスになる可能性を告げたが、Bはこれも否定し、さらに「いい物件は早くなくなる」などと急かした。Aはこれを受けてとうとう約2700万円の区分マンションを購入してしまった。しかし、Aが売買代金を不動産会社に支払った後、Bと連絡がつかなくなったという。

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