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公庫、一般的な呼称ではありますが、正確には『日本政策金融公庫』です。

 

「どうでもいいでしょ。呼び名なんてさ……」

 

名は体を表します。

まず、日本政策金融公庫を大和言葉風に文章に直すと、「日本の政策を金融で(実現するための)公庫」となります。

 

「なんか、つけたでしょ。だから、そんな風に見えるんだよ」

 

日本、紛れもなく国家であり、その目的は国民の発展と安寧な暮らしです。そして、その目的を達成するためには「税金」を集めなければなりません。私たちが家族の暮らしを守るために「稼ぐ」ことと同様です。

 

「身も蓋もないね」

 

金融支援により、税金をより多く徴収することこそ、日本政策金融公庫の目的です。

 

「ふ~ん、それで何が言いたいの?」

 

まず、一番肝心な点は、儲ける能力のない企業や団体、そして人物には融資しないと言う現実です。

赤字は公庫の「融資対象」にならない

 

「どうやってわかるの? 儲けるってのは、未来のことでしょ。本人だって分かる訳ないのにさ、公庫ごときに判定なんて出来ないでしょ」

 

直近2期の確定申告が1つでも赤字だったとしたら、彼らの融資対象者にはなり得ません。そもそも、金融庁からのお達しで、税金を納めていない人物や企業に融資はしてはならないのです。

 

「ウソ! 嘘でしょ」

 

本当です。

ですから、融資の際、要求される資料に納税証明書があるのです。

 

「ふ~ん、なるほどね。でもさ、本業があるなら、不動産でマイナスでも給料の所得税でプラスだから、問題ないんだよね」

 

残念!

不動産賃貸業で赤字を出している人物への不動産関連の融資は、基本的に拒絶されます。なぜなら、不動産賃貸業で稼ぐ能力は「無い」と判断され、融資をする対象者とみなされないからです。

 

「なるほど……。じゃ、節税をやりすぎて、赤字にして所得税の還付を受けちゃダメなんだね」

 

大正解!

1000円でもいいから、不動産所得から納税するよう、心がけてください。例えば……

(あ、この経費入れると、赤字になるな)

と、思われたなら、経費計上を見送るのも選択肢の一つとなります。

「でもさ、公庫って、

・返済期間も短いし、

・融資金額も少ないし、

・金利だって1%台って、ないでしょ。

お付き合いする意味ってあるの?」

 

この点も多くの方が勘違いなさっています。

 

「どこが?」

 

確かに、公庫の返済期間は5年・7年・10年・15年と比較的短期です。

なぜ、そうかと言えば、融資対象者を心から信用していないからです。当然ですよね、最初から信用することなんて、人と人との関係でもあり得ません。あるとしたら、馬鹿正直なお人よし! 金融機関が同じことをしたなら、早晩、悪党に食らいつくされてしまいます。

いい例が、元石原都知事が音頭を振って2004年に設立した「新銀行東京」。2015年に1400億円の負債を背負い、金融業界から撤退しました。

だからこそ、当初は短期の融資で様子を見るのです。

 

「短期だとキャッシュフローが出ないでしょ」

 

キャッシュフローがマイナスになったとしても、確定申告がマイナスになるわけじゃありません。

そして、1年~2年が経過すると、融資営業が公庫からかかってくるのです。これが、融資対象者として本当に認められた証となります。

また、この融資対象者として認められると金利は低下し、融資金額は上昇します。まさに、税金をより多く徴収するため、稼ぐ能力のある人物に融資支援をするわけです。

 

「露骨だね……。他に、なんかないの? 融資がおりやすくなる裏技とかさ」

 

ございます。

 

日本政策金融公庫は、創業者支援にも力を入れています。稼いで、より多く税金を徴収したい。その為には、埋もれている才能を発掘し、創業を支援しようという狙いです。

 

「何か申し込むの?」

 

およそ4日間の創業支援セミナーに参加なさるといいでしょう。

○事業計画の書き方

○貸借対照表の見方

○融資返済計画とキャッシュフローの作成方法

このように、融資申込書に記載すべきポイントを講義してくれます。修了時には、修了証明書が手渡され、修了者には講義を受けた人間として、ゲタを履かせてくれるようです。

 

「なるほど、戸建を購入して確定申告2期分を黒字にしながら、創業者支援制度に申し込めばいいんだね」

 

仰る通り!

その間にも、リフォーム資金として100万円の融資を申し込み、1年~2年で全額返済すると、融資実績者として皆さんのファイルが作成されるので、融資の際、かなりのアドバンテージを作り上げることができます。

1物件目を担保に、買い進める術

融資の申し込み支店は、皆さんの住所を管轄する支店であり、購入物件の担保対象地域に制限はありません。

 

「東京に住んでるけどさ、北海道とか沖縄でもいいの?」

 

ええ、問題はありません。ただ……

 

「ただ、何?」

 

担保は、第一順位のみです。つまり、他の金融機関に借りた物件に担保余力が幾らあったとしても、担保として評価してくれないのです。

でも、大丈夫! 最初に自己資金で戸建を購入しておけば、登記簿謄本の乙区は、マッサラですから、担保になる。

簡単に申し上げれば、最初の物件を担保にして2戸目、2戸目を担保にして3戸目という無限のサイクルが可能となるのです。

また、事業規模の戸建5戸ともなれば、アパートローン向け融資も応じてくれます。通常とは違う対応をしてくれるようになるのです。

日本政策金融公庫、お付き合いの仕方を間違えなければ、皆さんの強力な味方となります。

是非、ご検討くだされば幸いです。