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2014~2015年にブームとなった宿泊施設予約サイトAirbnb(エアービーアンドビー)を利用した民泊は、もはやブームではなく不動産収益を上げる一つの手段、もしくは空き家や空室の利活用の方法として定着した感がある。

当時「民泊」は、そのサイト名の略称である「エアビー」と呼ばれることが多く、一部の感度の高い人だけが知っているような存在だった。初めは自分の部屋でだけ行っていたのが、ほどなくすると、空室を借りて数室規模で運営し、月額数十万円の売上を手にするフリーターや学生も出てきた。その後、企業が収益事業として複数運営するケースも現れ、騒音やゴミ捨てマナー等、周辺住民とのトラブルが顕在化し始めた。

投資妙味がなくなりつつある

トラブル事例がマスコミなどを通じて周辺住民以外の人にも伝わるにつれ、それまでは「民泊はグレー」という風潮であったのが「民泊は旅館業違反」という流れに変わってきた。

大きなきっかけは、2015年12月に京都市が「民泊対策プロジェクトチーム」を作り、無許可民泊の調査に乗り出したことだ。このような行政からの働きかけが圧力となり、また近隣住民に注意を受けるなどして自主的に廃業する事業者が増加、それと歩調を合わせるかのように「簡易宿所」として旅館業の許可を取得した物件が増えた。

実際に京都新聞(2017年12月5日付)によると、京都市内の宿泊施設の客室数は増加を続けており、2020年には15年度末から4割増となる約1万2000室が増える見込みであることが分かっている。

このように現在では、かつて「エアビー」と呼ばれた旅館業の許可を得ていない民泊だけでなく、旅館業の許可を得た施設も相当数増えているのだ。

また、旅館業の許可を得る以外にも「民泊特区」(国家戦略特別区域法に定められる国家戦略特区で認められた民泊)を利用して開業した人、また「新法」(2017年6月成立・2018年6月施行予定の住宅宿泊事業法)の元で宿泊業を行おうとしている人も多い。

しかし、数年前と比べて宿泊施設は激増、実質的には個人営業のような簡易宿所から大型ホテルまで開業ラッシュが続いている。数年前であれば「やれば儲かる」の入れ食い状態であった「エアビー」も、最近では儲からないからやめる事業者も増えている。現在、投資物件としての宿泊施設は以前ほどの妙味はない。

しかし、宿泊施設が投資に向かなくなったわけではない。エリアを間違わなければ十分に収益を狙うことができる。今までとは違い、事業として継続するために賃貸アパート等と同じくマーケティングが必要なフェーズに入ったということだ。

では、今後はどのようなエリアを狙えば良いか? いわゆる「ホテル」ではなく、比較的少額で投資が可能な「海外観光客をターゲットとした民泊・簡易宿所」を想定し、投資に適したエリアを見抜くポイントをいくつか挙げてみたい。

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