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家電の省エネ性能が重視されるように、住宅も「どれだけエコなのか」が問われるような時代になった。2017年4月には、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(以下、「建築物省エネ法」)が全面施行され、大規模の非住宅建築物に対する省エネ基準への適合義務化を開始したところだ。

この法律に基づく、建築物のエネルギー消費性能(以下、「省エネ性能」)の表示制度の一つとして、「BELS」(ベルス、Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)が挙げられる。

この「BELS」を取得すると、エコ意識が高まっている今、環境に配慮した物件であること、省エネ性能が高いことをアピールする付加価値がつく。それだけではない。後述するBELSを補助の要件にしている補助金制度に応募し、補助金の要件を満たした場合は、30〜60万円の補助金を受けることができる

環境省では2016年度から、一定の断熱性能を満たし、省エネ性能にも優れた賃貸住宅を新築・改築する際、追加で必要になる高効率住宅設備などの導入費用を支援する「賃貸住宅における省CO2促進モデル事業(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)」を実施してきた。

2016年度は、申請数合計618棟、採択数609棟、補助対象となった住戸数は3237戸(1棟あたり約7戸)で、補助率の上限額は省エネ性能に適合しているのを前提として、省エネ性能をどれくらい満たしているかによって、30万円〜60万円となる。補助を受けられる可能性があるとなると、不動産投資家にとっても、省エネ対策に関連する話題は追いかけておきたいトピックのひとつといえる。

2020年には義務化も

2014年に閣議決定されたエネルギー基本計画では、「規制の必要性や程度、バランス等を十分に勘案しながら、2020年には全ての新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準(省エネ基準)への適合を義務化する」とされている。

こうした状況から、本年4月より建築物省エネ法を全面施行し、大規模の非住宅建築物に対する省エネ基準への適合義務化を開始したところだ。

○建築物省エネ法とは

本法律は、建築主等の自発的な省エネ性能の向上を促す誘導措置に加え、建築物の規模等に応じた規制措置を講じている。誘導措置としては、「エネルギー消費性能向上計画認定・容積率特例」「基準適合認定・表示制度」が挙げられる。

一方、規制措置は、延べ面積が2000㎡以上の非住宅建築物省エネ基準への適合義務、および従来の「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」で措置されていた延べ面積が300㎡以上の建築物の新築等の「省エネ措置の届出」などで構成される。

省エネ措置の届出においては、省エネ基準に適合しない場合は、必要に応じて所管行政庁が指示・命令などを行うことができるようになった。

○建築物省エネ法における誘導措置(表示制度)について

建築物省エネ法における誘導措置として、表示制度が挙げられる。この表示制度の趣旨として、建築物の省エネ性能の見える化を通じて、省エネ性能が高い建築物が市場で適切に評価され、消費者に選択されるような環境を整えることが重要である。

具体的には信頼性の高い評価指標や第三者の評価による建築物の省エネ性能の表示制度の充実及び普及が有効である。本法律の第7条では、「住宅事業建築主やその他の建築物の販売または賃貸を行う事業者は、販売または賃貸を行う建築物について、省エネ性能を表示するよう努めなければならない」と規定されている。