シェアハウスというと、居住費を抑えたい若者向けのイメージが強いのではないだろうか。しかし、シェアハウス総合プラットフォーム「ひつじ不動産」を運営する株式会社ひつじインキュベーション・スクエアによると、近年、シェアハウスへの問い合わせが増えている中で最も多いのが、20代後半から30代前半の大人の女性利用者だという。(2017年3月調査より)

実際に、大人の女性の間でニーズは高まってきているのだろうか。また「大人の女性向け」としてシェアハウスを運営する際、オーナーとして心がけるべき点は何なのか。

多くの大人の女性たちに支持されるシェアハウスの企画・管理・運営を行うRバンクの金子智美さんに話を聞いた。

働く女性たちの選択肢のひとつになったシェアハウス

不動産業のRバンクは創業2年目の2008年にシェアハウス事業を開始。当時、巷ではシェアハウスではなく、ひと部屋にたくさんのベッドが並ぶゲストハウスが主流だった。

「私たちは、当初から分譲のワンルームマンションと同じレベルまで上げていきたい、と思っていました。そうすると、賃料も周りのワンルームの物件と同程度になってくる(*)。必然的に、入居される方もある程度収入がある方になります。

女性の晩婚化も進んでいますし、みなさんのキャリアもどんどん上がってきている。さらに、結婚しないという選択肢も出てきています。ただ、ひとりで暮らすには安全な世の中とは言い難い。また、大人になって初めて実家を出る女性は、ひとり暮らしよりも、帰ってくると灯りがついているような場所を求めているのでは、と思いました。

安心感があって、デザイン力もある住まい。女性が自分のステータスを考えたときに、シェアハウスはひとつの選択肢になってきていると思います。その状況を見越して、我々のターゲットは当初から、20代後半から30代前半の働く女性、と設定していたんです」(金子さん)

*賃料

賃料は一般的な賃貸と比較。同社では、共益費は警備保障・水光熱費・清掃・インターネット含んで1万5000円。光熱費は、固定の方が実費のシェアハウスより手間もかからず、オーナーが安定して収益を得られるのでは、と考えているそう。

 

現行の賃料の相場(1R~1K)は場所による。現在の管理物件では、渋谷より45分以内の駅徒歩10分以内の東京、横浜市、川崎市で約 5.3~9万円、管理費 3000~5000円となっている。

Rバンクのシェアハウスに入る多くの女性が理由としてよく挙がるのが、「ひとり暮らしより防犯面で心配がないから」。隣人の男性が自分の家を覗き込んでいた、などの体験をすると、その家に帰るのが怖くなることも……。管理人が男性の場合はその心情を理解してもらいにくい。

「うちの女性専用シェアハウスでは巡回もアルバイトも清掃もすべて、女性が行うように徹底しています。そのあたりが安心感を持っていただいているようです」(金子さん)

90%の稼働率を誇るRバンクのシェアハウス。高い稼働率を誇る裏には、女性目線の細かい気配りのほか、運営面におけるこだわりもあった。

高稼働になるシェアハウスの秘密

不動産業で培ってきた住宅への知識は、シェアハウス運営にも生きている。

「うちのシェアハウスは、まずオーナーさんにシェアハウスとして必要な工事費・設営費を出していただき、入居者さんを募集・管理しています。そうなるときちんとオーナーさんに対価を払わなければなりません。まずはどこにお金をかけてどこを抑えるかなどについてコンサルティングさせていただき、ご納得してくださったオーナーさんとお取引させていただいています。

よくご相談を受けますが、個人・法人含め、オーナーさん自身で作ったものの「運営がうまくいかないからこの先、管理運営してほしい」という依頼はお受けしていません。なぜならば、稼働していく自信と責任が持てませんから。これまで不動産業の現場に20年近く携わってきた経験を踏まえて、自社でリサーチ、コーディネイトしたシェアハウスを提供しているからこそ、稼働率が高いと考えられると思います」(金子さん)

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