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2017年は波乱含みと言われながら、蓋を開けてみると、まあ、大過ない普通の1年でした。トランプ大統領による不確実性の上昇、北朝鮮問題などありましたが、騒いでいるのは日本のメディアくらいですかね。昨年はよく海外にも行ったのですが、ぜんぜんニュースは流れていませんでした。本当のところはどうなのでしょうか。

それよりも、驚いたのは仮想通貨の暴騰ですね。ビットコインは12月初旬にやっと1BTC=100万円になって騒いでいたら、すぐあとに200万円超えです。各国紙幣を刷りすぎて、低金利で投資先もないので、資金が流入しているのでしょうか。投資のハードルが低いので小口資金も流入しているのでしょう。今は日本人が最大の投資家になっているようです。(ま、私は投機だと思いますが)チューリップバブルのようにならないと良いのですが、行く末は神のみぞ知るといったところでしょうか。

さて、不動産投資です。不動産も融資がつきにくくなっていますが、それでも融資は出ます。一方、価格は高騰したままです。なかなか下がらないですね。それでも、私は淡々と買っていく予定です。昨年は茨城で戸建2戸と一棟物件を買えました。都内も買付を入れましたが、残念。2番手で届かず、といった結果でした。

淡々と買っている反面、不動産投資において、ちょっと驚くことが起きたので、書いてみたいと思います。一つは役所がらみ、もう一つはいま不動産投資で世間をひそかに騒がせている案件です。さてさて、常に不測の事態が起きるものですが、慌てず、騒がず、対処しなければなりませんね。

「償却資産の申告をしていますか?」といった地方自治体からの問い合わせ

一昨年購入した新築戸建て4戸ですが、順調に満室経営できています。融資期間が長く、当然新築プレミアムの家賃高で手残りもあり、うれしい限りです。順調な物件ですが、最近、市役所から変な問い合わせがきました。

「屋根に太陽光パネルがありますが、償却資産として申告・納税していますか?」とのこと。連絡は私ではなく不動産管理会社にいきました。おそらく巡回している市役所の資産税課職員が太陽光パネルを見て、償却資産として申告していないとのことで問い合わせをしてきたのでしょう。

さて、私のその時の感想は、

「個別設備、造作物での金額を明らかにして売買していないし、そもそも建物価格に合算して契約している。しかも、物件の建築に関わる資料は市役所で確認して当初の固定資産税が決まっているので、固定資産税評価に合算されているでしょう。建築コストに合算されて固定資産税評価額が出ているのだから、分離していないし、その分を入れて固定資産として建物一括計上で償却しているのだから、いまさら分離する意味がない。分離するなら、17年の償却にして、建物から分離し、建物の評価額もその分下げてもらわないと困る

といったものです。

不動産管理会社に伝えて市役所の職員に伝えてもらいました。すると、職員から回答があり、

「償却資産として申告していただく方針です。太陽光パネルの評価額は物件評価額には入っていません」ときました。

で、私の回答は、繰り返しですが、

「いやいや、そもそも、固定資産税評価のタイミングで建築費用の資料は確認されていて、その価格で評価しているはず。その費用には太陽光発電の設備費・設置費用も合算されている。入っているものを、追加で評価額を出して固定資産税を支払わせるのは2重課税ではないのか?

それに、売買契約書でも家屋と土地の評価分離で購入しており、減価償却も太陽光パネルも込みで、一括で建物にしている。この方が、減価償却期間が17年に比べて23年と長くなり、経費計上と税金計算上は家主側が不利である。太陽光パネルを分離するなら、家主に不利にならないよう、その分建物の固定資産税評価を下げないと辻褄が合わない

といったものです。

だいたい新築時の固定資産評価のタイミングで資料を見て、物件を見て評価しているのに、1年以上経ってから「うっかりしました。追加で税金かけます」はないでしょう。綿密にコストも見て評価したはずです。

ということで、この案件は今不動産管理会社と市役所の協議事項になっています。

実は、私は地方自治体の徴税姿勢に不満を持っています。過去、実家でバブル以前とバブル期で建てた物件があります。バブル期は資材・手間賃が高騰して建築コストが高いので、同じような物件なのに固定資産税評価額が大幅に高いのです。家賃収入で考えても、大して賃料が取れない物件なのに、かたや普通、かたや高額固定資産税です。

我が家では、負担が重いので評価額の再考を申し入れました。「たまたまバブル期の資材・手間賃高騰で建築コストが高くなったが、別物件と同じスペックで、家賃収入も同じ程度なので、同じ固定資産税にできないか」と市役所に相談しました。固定資産税の高い物件は、それだけ収益に悪影響です。地方物件なので、下手すると固定資産税を払うために物件を持っているような事態に陥るのです。

さて、市役所の答えは「固定資産税評価額は変更しない」と、まったく取り合う気がありません。地方は家賃が下落し、空室が増えているのですから、バブル期にたまたま建築費が高かったものを今も同じ評価額で評価を見直さず、固定資産税を取り続けようとしていては、経済的に弱ってしまいます。

さて、私のこの二つの経験から、市役所は固定資産税評価額を上げたり、固定資産税を増やすことには熱心ですが、固定資産税評価額を下げたり、税額を減らすことに対しては取り合う気がないということがわかりました。

このコラムでも、何度か固定資産税の法的根拠は一体なんなのかと疑問を書いていますが、その土地で頑張っている事業者を弱めてまで徴税しようとする市役所の態度に触れる度に、このままでは地方は衰退するなあと強く思う次第なのです。

とはいえ、納税はきちんとしています。新築物件の太陽光パネルに関し、追加で申告・納税となればきちんとします。物件利回りは悪化しますが、致命的なダメージにならないほど高収益物件、優良管理物件ですから。常に、こうした追加のキャッシュ流出を事前に考慮しておく必要がありますね。

結論はまだ出ていませんが、私の戸建て賃貸の屋根に載る太陽光パネルはどういう結末を迎えるのでしょうね。皆さん、こんな経験していませんか? 私が間違っていますかね? もしよかったら、ご意見くださいませ。

サブリース解除・契約問題で訴訟になっているあの会社の物件

さて、もう一つ、やはりという突発事項が起きました。想定していたので突発事項ではないかもしれませんが、私が購入してすぐアクションをとってきたので、素早いというか、あさましいというか、そんな気持ちです。

なにが起きたのかというと、私の買った物件で、前オーナーがサブリース契約で入居していた入居者を、元サブリース業者が「一斉退去させる」と言ってきたのです。

この業者は、現在日本中で訴訟になっているサブリースで有名な大手不動産管理会社です。知っている方は知っていますよね。

私が購入した物件は16戸が入る物件で、うち13戸が前オーナーのサブリース契約で残っている入居者でした。オーナーが変われば契約を変えて、入居者に不利にならないように契約内容を継承して、入居を継続するのが普通です。

しかし、この業者は新オーナーには契約内容を開示せず、変更もせず、オーナーが変わっているのにそのまま入居者とのサブリース契約を継続するのです。その間、前オーナーとの契約の家賃は支払ってきますが、契約内容が不明のため、どんな権利・義務関係なのかわかりませんし、そもそも敷金や設備の所有権などがまったくわかりません。

それでも、3戸はサブリースから外れていますし、13戸とはいえ、入居者保護の観点で急な退去とかはさせないだろうとたかをくくっていました。入居者が希望すれば賃貸借契約を新オーナーと結び直す橋渡しはするのだろうとも思っていたのですが、そうではありませんでした。「サブリースの該当の賃貸人は全員退去」させるとの連絡でした。

さて、今の日本で入居者の希望に関係なく、オーナーが変わったからと言って退去させることはありなのでしょうか。

我々不動産事業を営む者は、入居者はお客様ととらえ、可能な限り快適に暮らしてもらい、できうる限り希望を聞くことをしています。しかし、このサブリース業者はそうではないようです。

しかも、購入して1カ月程度でこの通告です。入居者はどうなるのでしょう。彼らの引っ越し費用や転居時の敷金や礼金、不動産会社への手数料などの費用は誰が持つのでしょう。通勤や通学が問題になる場合の責任はどう取るのでしょう。そして、一斉に空室になることによる新オーナーの経済的な損失はどうしてくれるのでしょう。

この業者は今、日本中で訴訟にあっています。さもありなん、実は購入前からそういう噂は聞いていましたし、契約内容は不開示、入居者との権利義務関係も不開示で、サブリース契約をしていない新オーナーに対して交渉するわけでもなく、再契約するわけでもなく、まったく不透明な状況での所有権移転だというのはのみ込んで購入したのです。なぜなら、物件が良いしロケ―ションも良いので入居が固く、家賃が下落しにくいと読んだからです。

しかし、買って1カ月でこうした通告がくるとまでは思いませんでした。甘く見ていましたね。もっと猶予を持って、合意しながら進めるのかと思ったら、一方的な通告でした。

そこで私は、購入後管理を委託している不動産管理会社に対し、

「私の問題より、入居者が迷惑だと思う。通勤に便利で住んでいる人も多いはずで、この便利な物件から退去させられたら入居者もたまらないはずだ。せめて、希望する入居者には居住を継続できるようにしてあげられないか?」と申し入れしましたが、不動産管理会社の回答は「たぶんその提案は通らないです。普通のビジネス感覚ではないのです」とのことで、どうも希望は通らなさそうです。

さて、この騒動、今私が管理委託する不動産会社と旧オーナー所有時のサブリース業者の間でのやり取りが始まったばかりで、まだ結末を迎えていません。

私は、不動産事業とは合理的な範囲でお客様である入居者の望むことを優先することで、結局関係者全員がハッピーになれるビジネスだと思っているのです。できれば、そうした結論に落ち着いてほしいものです。

そうでないと、いつまでたっても不動産に関わるビジネスを行っている人や業者は胡散臭いと思われ続けてしまいます。不動産ビジネスの近代化のためにも、透明性が高く公正な取引をしてほしいものだと思います。

ということで、今回は2件の不確定要素の話をしました。不動産投資はいろいろなことが起きます。このリスクに対処し、問題発生時にはトラブル対応をしなければならないのです。その点で、買って、あとは眺めているような一部の金融投資と違って、事前のリスク低減と問題解決の能力が求められる事業的な投資なのですね。

さて、2018年はどんな年になるでしょう。私は既に購入に向け、3件ほど情報を仕込み、融資の相談や価格の相談など始めています。また、繁忙期の入居促進策を練って、不動産管理会社と話を始めています。孫子曰く「算多きものは勝つ」というのは不動産投資では十分当てはまりますね。それでは、皆様、今年もよろしくお願いいたします。