築古のボロ物件を取得してリフォームしていくにつれ、DIYの魅力にはまっていく大家さん達がいる。

最初はDIYが上手な先輩大家さんのブログや物件見学会に触発され、自分もやってみたくなり、壁紙を貼ったりペンキを塗ってみたり…。すると、ボロボロだった物件が少し綺麗になったことが嬉しくなってくる。材料費しかかからないため、業者に依頼するより安く済む。

壁紙の貼り合わせがズレた部分をコーキングで誤魔化したり、床に貼るクッションフロアの端がうまく切れずにガタガタだったりと、初心者ゆえの失敗もあるが、モノづくりが好きな人ならたまらない。より高度な技術を持つ先輩大家さんに教えてもらったり、自分の物件で試行錯誤したりしながら上達していくのだ。

今回は、そんなDIY好きな大家さんのために、女性でありながらプロ級の腕前を持つDIY大好き大家の「ちゃーみー」さんが企画した、電動工具「丸ノコ」の使い方講習会に参加した。手でノコギリを挽くよりも早く簡単に材料を切断できる丸ノコを、安全に使用する方法を知って、DIYの幅を広げる方法を学んでいきたいと思う。

丸ノコで何ができるのか?

「丸ノコ」とは、電気モーターで円盤型の「のこ刃」を高速で回転させ、木材などを切断する電動工具。手でギコギコとひくノコギリよりも早くきれいに、力を入れずともラクに切断することができる。

丸ノコが使えるようになると、物件の収納スペースをアップするために手作りの棚を作ったり、和室の壁に壁紙を貼る下地として、ベニヤ板や構造用合板、石膏ボードなどを壁に打ち付けたりする際、それらの材料を大量に切断するのに大変便利なのだ。しかし、ケガをする危険性も高い電動工具なので使うことに躊躇する人も多い。

さまざまな種類がある丸ノコ

「ちゃーみー」さんの本業は医療職だが、過去にモトクロス・バイクの選手だったことからバイクなどの整備が得意。数年前に大家業を始めてからDIYにハマり、20戸強の物件を所有する今では、かなりの部分をプロに頼らず自分でリフォームしている。最近3台目の丸ノコを購入したので、使いこなすことができれば便利な丸ノコの魅力を他の大家さんにも知ってもらおうと、講習会を企画したという。

講習会の講師は大阪府にある建築会社の若き経営者「ダイちゃん」。ちゃーみーさんが3台目の丸ノコ購入時に、どれを買ったら良いかをプロとしてアドバイスしてくれたそうだ。もう1人の講師は、ダイちゃんと一緒に仕事をしている大工さんで、なんと本名も「大工さん」。この2人が今回はボランティアで講師を務めてくれた。

講習会の会場は、ちゃーみーさんが購入したばかりの平成築の戸建。駐車場付きの4LDK、80平米強で、2階にはロフトもある。とても広々として状態の良い物件だ。ちゃーみーさんによると、相場の半額ぐらいで購入できたと言う。

DIYする前の「ビフォー見学会」も兼ねたこの日の参加者は、男性大家さん1人と7人の女性大家さん。築古ボロ物件ではないのに安く手に入れることができたちゃーみーさんの手腕に、参加者から称賛の声が上がっていた。

今回ちゃーみーさんが安く買うことに成功した理由は、同じ不動産屋さんから過去、何件も物件を購入しているので新しい売り物件情報が早く届いたこと。しかも、所有者の高齢女性が施設に入ったので、自宅を賃貸に出したものの入居者が決まらず、かさむ維持費に耐えかねて急に売却へと方針転換したという事情もあったようだ。

丸ノコにも種類がいっぱい

一通り物件を見学した後、講習会が始まった。ダイちゃんからお手製の資料、「丸ノコの種類」と「丸ノコと一緒に使うと便利な道具」の2種類が配られた。

丸ノコの種類は大きく分けると2種類ある。家庭用コンセントから電源を取るコード式のものと、バッテリーで動く充電式の丸ノコだ。そして、粉塵を吸い込む防塵タイプや大きめの卓上タイプなどもあり、今回は講師2人が様々な種類の丸ノコを7台持ちこんでくれた。

まずは、実際にダイちゃんが35ミリ角の木材や構造用合板(ベニヤ板を何重にも貼り合わせた合板)など厚さのある材料を切りながら、それぞれの丸ノコの特性を説明する。

「これが電気コードがついたタイプの一般的な電気丸ノコです。いろんな厚みや大きさの木材を切ることができ、専用の刃を装着すれば石膏ボードや金属を切断することもできます。刃を傾ければ材料を斜めに切ることもできて、のこぎりで切るよりも早く正確に切ることができます。そして丸ノコを安全に使うには、切りたい材料の厚みを見て、丸ノコの刃が材料よりも少し多めに出るように調整して切ってください。刃が多く出過ぎると危ないので、少し多め、ぐらいにね」

一般的な丸ノコ(左)と、造作用精密電気丸ノコ(右)

「この『造作用精密電気丸ノコ』も電気コードがついているタイプです。さっきの丸ノコとの違いは、こちらは円形の刃のギザギザの数が一般用よりも多く、回転も速いので、精密な加工ができることです。和室など、木材の加工がよく見える部分の造作用に使うものです」

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