(前編から続く)
首都圏を中心に女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を展開するスマートデイズ(東京都)が、オーナーに対するサブリース賃料の支払い停止を発表した問題。なぜ、大手企業に勤める会社員や弁護士、医者なども含めた700人に上るオーナーが総額1000億円もの被害を受ける結果となったのか。高金利で数億円のフルローン融資を受けたオーナーに話を聞いていくと、彼らを惹きつけた「社会貢献」というキーワードが浮かび上がってきた。
魔法の言葉に誘われて
「貧困ビジネス的な側面もあって、入居者がいなくても会社は黒字経営できるという説明。社会貢献につながるという仕組みに良い印象を持ち、購入することを決めたんです」
都内の会社員で年収1500万円のBさん(30代)は2016年、スマートデイズが提唱するビジネスモデルに共感し、かぼちゃの馬車2棟26室を購入した。きっかけは販売会社のセールスで、総投資額は約3億円。スルガ銀行から金利3.5%のフルローンで融資を受けた。
「他行に借り換えの打診をする際にスマートデイズ経営者の与信問題で引っかかるケースが多く、メガバンクからは数年で急成長した財務内容に疑問を呈されたりしたので、気にはなっていました。でも毎月の賃料は問題なく振り込まれていたので、経営状況を不審に思うことはなかったんです」
しかし、昨年10月に賃料の減額通知の手紙が届き、1月のオーナー向け説明会で支払い完全停止の発表。今後は返済額が100%負担となり、毎月150万円以上の持ち出しが発生することになった。
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