17日の説明会でも「問題解決のため全力を尽くす」と繰り返し、サブリース契約の解除には無条件で応じると説明したスマートデイズ。しかし、被害に遭ったオーナーからはその対応姿勢に疑問の声が出ている。

都内在住の会社員Fさん(40代)が所有するかぼちゃの馬車は現在、法人契約でほぼ満室状態。賃料支払いの完全停止で毎月100万円以上の持ち出しが発生する状況を受け、早期に自主管理へ切り替えようと、説明会の数日後にスマートデイズの本社を訪れてサブリース契約の解除を申し出た。

しかし、「一日に何度電話しても、担当者は『上に確認するので待ってください』の一点張りで、一向に応じようとしないんです」とFさん。その理由は、のちに明らかとなった。

契約では、入居者からの家賃振り込み期限は27日となっていた。入金までに自主管理へ切り替えることができれば、2月分の家賃約80万円は自分の手に入るはず。期限まであと数日しかない。焦ったFさんが毎日電話を続けても、スマートデイズ側は引き伸ばしにするばかりだった。

契約解除の合意が得られないまま迎えた25日、危惧していた事態が起こった。法人側がスマートデイズに2月分の家賃約80万円を入金してしまったのだ。その日の夜中、Fさんがスマートデイズに電話すると、担当者の態度は一変していた。「今まであれだけ時間稼ぎに終始していたのに、いきなり合意に前向きなことを言いだしたんです。ここまで露骨なことをやるのか、と愕然としました」

それでも前を向く

サブリース問題解決センター理事長の大谷氏は「自己防衛に必要なのは結局、利害関係のない第三者に相談することなんです」と強調。「今回のケースでも、誰かに相談していれば半数は救われていたはず。もちろん投資家の勉強不足という見方もありますが、どれだけ勉強しても業者の方が上手なので追いつけない。サブリースという制度自体の方向性を考えるべき時期にきたのかもしれません」

自身の親族がサブリースのトラブルに遭った経験を持つ隼綜合法律事務所(愛知県)の加藤幸英弁護士は「今回の契約は『管理業務委託』ではなく『サブリース賃貸借』なので、業者の方が借地借家法で保護される立場にあるんです。一方でオーナー側にとっては賃貸経営『事業』になるので、消費者契約法による保護が極めて受けにくい面がある」と問題点を指摘する。

わずか4年弱で、700人ものオーナーが総額1000億円もの被害に遭う結果となった「かぼちゃの馬車」事件。一部のオーナーは被害者の会を結成し、スマートデイズとスルガ銀行に徹底抗戦する姿勢を示している。放っておけば毎月100万を超す持ち出しが発生する中で、オーナーたちに残された時間は少ない。奪われた未来を取り戻すため、人生をかけた戦いが続いていく。これから1カ月後

(楽待新聞編集部・金澤徹)