(前編から続く)
かぼちゃの馬車のオーナーたちにとって、スルガ銀行の過剰融資責任の追及、スマートデイズへの損害賠償請求なども重要な問題だが、喫緊の課題は「物件をどうするか」。自主管理への変更や別の管理会社への管理委託、用途変更などさまざまな形で再建を目指しているものの、彼らの前にはさまざまな障壁が立ちふさがっている。
建築面でも問題が山積
「どう見ても設計の質が悪いと言わざるを得ない」
一般社団法人日本建築まちづくり適正支援機構代表理事の連(むらじ)健夫氏は、視察したあるオーナーの物件について「建物南側に窓がない」「玄関から台所が丸見え」「キッチン周りが狭すぎる」「居室のエアコン設置箇所が窓と重なっている」「共用廊下に自然光が入らない」など、利用者視点を欠いた設計上の問題点を列挙。さらに「天井裏に本来あるべき界壁(防火、防音)がない」「契約図面上は3面鏡だった洗面台が、実際はグレードの低い1面鏡になっていた」などと指摘し、「通常ありえないレベルの安物設計だ」と切り捨てた。
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