「愛知・名古屋は、今後の不動産投資において狙い目である」―。少なからずこんなうわさを耳にしたことのある投資家もいるだろう。楽待編集部が昨年11月に実施したアンケートでも、「一都三県以外の狙い目エリア」として、愛知県名古屋市が第1位に輝いている。

実際、同県在住の投資家の多くも「まだまだ投資先として期待が持てる」と述べる愛知県。しかし、その「愛知ブランド」だけを頼りにすると、痛い目を見るケースもある。投資対象として人気の名古屋で、「失敗の可能性がある」エリアは? 注意すべきポイントとは? その実態を現地取材で明らかにした。

「リニア」2027年に控え

愛知県が狙い目と言われる理由の一つには、何と言っても「リニアの開業」がある。2027年、品川―名古屋間を結ぶ中央新幹線、いわゆる「リニア新幹線」が開業し、東京から名古屋へ約40分で行くことができるようになる予定だ。

そんな状況も相まって、名古屋駅前を中心として愛知県内は再開発ラッシュに沸く。特に名古屋駅周辺は大規模なビルが数多く新たに建設され、商業施設やホテル、賃貸住宅などが入る計画となっている。

名古屋駅周辺

JR名古屋駅

名古屋市内では港区に「レゴランド・ジャパン」が開業したことも記憶に新しいが、こういった名古屋港周辺や、名古屋駅に次ぐターミナル駅である金山駅周辺でも開発計画が進行。また、長久手市や豊田市といった多くの他自治体でも再開発事業が実施されている。

人口も右肩上がりで推移しており、2008年に約739万人だった人口は、2018年1月1日現在、約753万人となっている。愛知県が2015年に策定した「人口ビジョン」によると、同県の総人口は戦後一貫して増加傾向にあり、また、若年層を中心として転入超過が続いているという。

将来の人口については2020年までは増加傾向にあると予想されているが、すでにその予想値を上回る人口増となっている。


愛知県の人口推移(愛知県人口動向調査より作成)

「トヨタ」狙いなら「豊田」以外?

このような状況を踏まえ、愛知県に多数の物件を持ち、年間家賃収入1億円を超える安藤新之助さんは、「よく、ほかの投資家から『愛知以外で投資をしないのか?』と聞かれるんですが、やる必要はないですね」と断言する。「まだまだ伸びるし、むしろここでしっかりと基盤を築いて投資したほうがいい。愛知県はそのくらい魅力のある場所だと思います」

そんな中でも、安藤さんが「狙い目」として特に挙げるのが「三河」地区だ。「トヨタのグループ企業であるアイシン精機やデンソーの本社は、刈谷市にあります。これらの企業は世界的にもシェアを持つ非常に体力のある会社です。刈谷市、安城市は非常に底堅い需要があります」と話す。

また、名古屋市在住の投資家・大友カツトシさんは「豊田市のトヨタ本社をはじめ、トヨタグループに勤めている人はもちろん名古屋市内にも多いですが、知立市や安城市、刈谷市に住んでいる人も多いですよ」と語る。それは、これらのエリアが名古屋駅へのアクセスが豊田市内よりもいいからだ。

「知立や安城、刈谷へは名古屋から名鉄も通っていますし、JR東海道本線も使えます」(大友さん)といい、安藤さんも「豊田市へはバスの本数もあまりなく、また電車も1時間に数本しかありません。こうしたアクセスの悪さがあるうえ、最近は開発が進んできて以前よりは多少良くなりましたが、トヨタのイメージほど商業施設もあまり充実していない、不便さを感じるまちなので、転勤で来た人は別のまちに住むほうが多いでしょうね」。

愛知県の産業として筆頭にあがる「トヨタ」だが、その本社のある豊田市の物件購入には注意すべき点も多そうだ。

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