昨年末に行われた「クソ物件オブザイヤー2017」授賞式のニコニコ生放送の様子

まもなく3月ですが、少し昨年の出来事を振り返りたいと思います。人生もそうですが、不動産も「振り返り」というのがすごく大切です(笑)

昨年末にニコニコ生放送で「クソ物件オブザイヤー2017」の授賞式の実況・解説をさせていただきました。2017年の不動産でエントリーされた作品、とても個性的なものがたくさんありました。笑いあり、涙ありの全77作品!今回は優勝した作品の解説をしたいと思います。ちなみに、「クソ物件」という名前を初めて聞いたときは、一瞬ひるみました(笑)

でも、「クソ物件オブザイヤー」というのは「クリエイティビティ溢れる不動産を実現する力」「損益のみに囚われず、地域に貢献したいという志」「物件に対する愛情の深さ」の頭文字を取って名付けられたのだそうです。名前とその意味がずいぶん違いますね(笑)

昨年のエントリー作品には、

家電量販店転用ホテル…平屋の店舗を2階建のホテルにしてしまった案件

日本郵政による野村不HDの買収報道…結局実現しませんでした

日本興業銀行本店ビル解体

ツーブロックゴリラ…投資用マンションを押し売りする特徴的なヘアスタイルの営業マン

など、2017年という年を反映した作品が多かったようです。

優勝作品は?

その中で優勝した作品は、「カーサ桜上水」でした。カーサ桜上水というマンションの敷地内に戸建て住宅が新築され、マンションが違法建築になってしまい、マンション住民が住宅の撤去などを求めて訴訟を起こした事件です。

なぜこのような事件が起きてしまったのでしょうか?

カーサ桜上水は、そもそも借地権付きマンションでした。土地の所有者(底地権者)と建物の所有者が違っているということです。底地部分が2013年に競売になり、不動産業者が底地の所有権を取得しました。その後、駐車場部分の敷地を違う不動産業者に転売。そしてその業者が住宅6棟を新築したのです。

駐車場を含む敷地全体で建築確認申請をし、確認を受けたのですから、駐車場を切り離して売却するとマンションは違法建築になってしまうというのが今回の事件の概要です。

マンションの住民は住宅の撤去などを求める訴えを起こし、区もマンションを適法な状態にするよう勧告しましたが、戸建て6棟が完成してしまったのです。

東京地裁の判決では、「原告の住民は駐車場の土地を借りる契約を結んでいたわけではなく、土地に関して権利を持っていない」などとして、住宅の撤去を認めませんでした。ただし、その後和解が成立したため、住宅は今後撤去され、違法状態が解消される見通しとなりました。やれやれという感じですね(笑)

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