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個人で不動産投資をしている皆様、確定申告はお済みでしょうか。私も個人所有の物件が多数あり、大変です。頑張っていきましょう。

それから、12月決算の法人があり、法人所有物件が多数あります。不動産投資はどうしても利益が出てしまいますから、納税が大変です。不動産投資の儲けには一切手をつけずに次の資産購入に充てている私ですが、納税したあとはキャッシュがすっからかんになります。

法人も個人も同様で、この時期はキャッシュ不足の時期。1月は源泉の特例納付、2月は資産管理法人の申告納税、3月は確定申告と連続し、7月の住民税と固定資産税の確定までが納税でどんどんキャッシュが流出して、年の後半でやっと息がつける感じです。

みなさん、どうでしょうか? 私は一切贅沢をせず、持ち家もなく、車もなく、ほとんど外食もしないのですが、不動産投資を始めて16年になるのに、まったくウハウハ感がありません。

不動産投資と本業も併せると、平均「年収」の何倍もの納税(平均「納税額」ではなく、平均「年収」の何倍もの納税)をしています。キャッシュがなくなりピーピーいう始末。みなさんは、もっとうまくやってキャッシュリッチになっていますでしょうか?

さて、このコラムを書く前に都内で1件物件を見てきました。このご時世に都内で表面利回り10%の未公開物件だというのです。さて、その顛末を書いていきます。

いまどき表面利回り10%の都内未公開物件とは

時々、物件情報を流してくれる不動産会社さんが複数あります。今回はあまり付き合いのない業者さんからのメールで目が釘付けになりました。なんと、都内23区内物件で表面利回り10%を超えています。さっそく連絡を取って見に行くことにしました。

駅からは遠く、バス便ですが住宅街の中です。近くに高速の出口、小学校、スーパー、病院があり、生活には困らない環境です。昔は商店街だったのでしょう。商店街の看板がありますが、全体に廃業した店舗が多くみられました。

住居側は満室です。鉄骨造りで耐用年数を過ぎています。物件自体の外観は悪くありません。数年前に外壁塗装がされたようできれいです。日当たりも良く、前面道路に面していて角地。悪くない概観です。

しかし、周りを歩くと「石」がありません境界が不明確です。「境界線明示はしてもらわなければ」と思いました。私道の共有持ち分もありました。

物件は1階が2店舗で全空室。2階から上が住居でした。住居部分は満室でした。居住部分の階段を登ると掃除がされていません。売りだしているのに掃除がされていないとは、やる気のないオーナーだと思いました。しかし、汚いのは逆にきちんと掃除して管理すればいいので問題ありません。

次に店舗部分を見ます。紹介図面には1階のうち1店舗は使用中とあったものが、実際に見ると空室。どう考えても数年前から使っていない状態です。この実態を見ただけで、もう買うのをほぼ取りやめにしました。

理由は、おそらく店舗入居が困難であることです。周りを見ても空き店舗だらけです。利回りの高さはこの店舗の家賃に支えられていましたが、絵に描いた餅でしょう。それから、この状況をきちんと説明できない不動産業者にも不信感を持ちました。

そもそも、設備や造作が取り除かれて何年も経っているように見えるのに、平気で「使用中」との記述のまま内見をさせて、来て初めて状況に気づく始末です。相変わらずの業界体質丸出し。私の最も嫌いな、プロ意識もなければ売る責任も感じていない低レベルな業者でした。買う気はゼロになりました。

その上容積率オーバーで建築確認書もないって? 融資はダメじゃない?

さらに説明が加えられました。この建物は違法建築で、容積率を無視し、容積率オーバーで、建築確認書もないとのこと。私は、少し怒りを覚えました。そもそも違法建築では金融機関の融資が下りないことを知っていたからです。

私が憮然としていると、業者は説明を始めます。「実は、既に融資をしてくれる金融機関「X」を見つけてあります。そこでの融資は条件付きでOKとなっています」とのこと。

詳しく聞くと、「(他の所有不動産を担保提供する、要は担保に差し出せという)共担をすることが条件のひとつ」とのこと。よほど良い物件でどうしても欲しいのならやぶさかではありませんが、この物件程度のものに2000年初期のころに買った優良な物件を共担にするなんてばかばかしいので、聞き流しました。

借りる段が良くても売る段になったら困るじゃないかと思い、「しかし、この物件を仮に買っても、売るときに買主の融資がまた大変になるはずですから、出口が大変です。売れに売れなくなるのではないですか?」と聞くと、「そうですね、ですからこの物件は、買う時も売るときも「X」を使うことが条件になります」とのこと。

どうやら、これで融資はOKと思っているようです。しかし、売るときに買主が「X」を使うことになるというのは制約です。金利も高い。それに、数年後、数十年後に「X」が融資してくれるなどというのは誰が保証できるのでしょう。もう、完全に買う気をなくしました。

このような違法物件でも建設に相当なお金がかかったと思うのですが、聞くとメガバンクが何行も融資をしています。バブル直前の完成で、そういう時代だったのでしょうか。歴史を見た感がしました。結局、この物件購入はなし、お断りして帰ってきました。

違法物件は融資がつかないのが普通だが、それでも買う人はいる

こうした違法物件に対し、私の経験上金融機関は融資をしてくれません。しかし、そこを何とかして買う人もいるようです。共担を出すのもひとつの手法でしょうが、キャッシュがあり、出口が描ければ買う人もいるわけです。

出口としては更地にして売る再生しての転売買いたたいて安く買って高く売るなどでしょう。実際に、そういう手法を目指して買う業者も、個人もいます。条件付きで融資をする金融機関もあるでしょう。

しかし、単純にBuy & Holdで長く物件を所有し、家賃収入を得たい私としては物件再生や転売を目的としていないので、動機からしてNGです。しかも融資は下りませんから、見に行くだけムダ。

それでも買う人がいるから内見までしてくれたのでしょうが、最初に容積率オーバーで条件付き融資と言ってくれば、時間をムダにせずに済んだのです。物件案内図からは読み取れない情報ですが、事前に説明が欲しかった。

今、私が複数棟買っている不動産業者は、最初から違法建築をスクリーニングしてから紹介してくれます。過去、何度か違法建築物件で面倒にあったので、そういう私の意向を伝えているからです。

しかし、かつては違法物件で面倒な目にあったことがありました。最初に遭遇した違法物件は、3件目のワンルーム区分所有です。なんと、買ってしまっていたのですが、購入当初は気づかなかったのです。

私が購入したワンルームが違法物件だったと気づいたのは、金融機関からの連絡でした。当時一棟物を買うために、金融機関に持っている物件すべてを開示し、それこそ共担に提供する話が進んでいた時のことです。なんと、私の物件は建築図面に存在しない物件だったのです。まるでミステリーです。

やや複雑になるので簡単に説明しましょう。私が買った部屋を仮に110号室としましょう。家賃収入も110号室収受家賃として報告され、送金されていました。しかし、金融機関が入手した建築図面には110号室は存在しないのです。

心配になり物件を見に行くと、110号室は存在しました。これで、この部屋は建築確認書には存在しないが、違法に増築して売りに出したものであることがわかりました。

そこで、私の物件はどのように登記されているのか確認するために、再度登記簿を見てみると、どうやら場所がずれていて、私の物件として108号室が登記されていたのです。今思うと変な話です。

とりあえず、私の法的な所有物件は108号室なので、108号室として取り扱うように不動産業者に連絡を取ると、「それはできない」との回答。理由を聞くと「108号室は他の方に売っている」とのこと。それなら「錯誤があったので、正当な登記簿通りに戻す、でいいのではないか」と言うと、また「それはできない」の一点張り。埒があきません。

今考えると、私が108号室を登記していたとすると、このオーナーはどこに登記しているのか疑問です。110号室は建築図面上存在しないので、登記できるのかどうかわかりません。二重に登記できないはずなので、108号室は明らかに私の物件です。私の所有だとあらためて認めるだけなのに拒否されます。

何の手も打とうとせず、のらりくらりする業者に業を煮やし、東京都に相談に行きました。その旨を業者に話すと、急に態度を変えて「購入価格で買い戻します」と手のひらを返してきました。

これ以上長引いても面倒なのでOKすると、またその後がひどい。なんと、所有していた期間の家賃収入を購入代金から差し引いた金額で買い戻すというのです。所有期間中は私の収益であって、その収益は業者に関係ありませんが、この一点張りです。しかも、取締役が、ですよ。既に3戸を購入していた業者ですが、もうこの業者からは購入しないことにしました。

一応家賃分を差し引いて、安い金額を取り戻し、この件は終了としました。このままこのワンルームを所有し続け、最後に売る頃になったら、私も困ったことでしょう。

付け加えると、まだ購入して2年も経たず、瑕疵担保責任がある状態でのこの対応です。あきれてしまいました。今、この業者は区分所有業界では大手になっています。

でも、私はもう2度と付き合いません。それから、この物件の状況を見つけてくれた金融機関には感謝です。私は、ワンルームは現金買いしていたので、第3者の目が入らなかったのですね。金融機関は物件の良否を見分ける重要な第三者としても重要なパートナーです。

その後出会った違法建築物件は買えずに、というか買わないできました

その後、いくつも見に行きましたが、違法建築もありました。建蔽率違反、容積率違反、未登記増築などなどです。基本的に融資が通らないことが早期に分かったので、もう見に行くことはありません。

事前に不動産業者にスクリーニングをしてもらうのです。「公図」がないという違法ではないが、融資が滞った件もありました。以前のコラムにも書きましたが、面倒でしたね。

融資がつかなければどうせ買えませんから、違法建築物件は買わないことにしたのです。そうはいっても、最近見に行った物件で面白いものがありました。

未登記の住居がついていたのです。あれ? と思い、聞いてみると、「トレーラーハウスだから動産です。すぐ撤去できます」とのこと。確かに、家の形をしていますが、車がついています。2LDKの大きな建物ですが、動かせるというのです。不動産(ま、これは動産でしたが)というのは、本当にいろんな形態があるものですね。

ところで、違法建築でも再生を行う場合には面白い取り組みができるかもしれませんね。実際、そういう気にもならないこともないのですが、私にとって不動産投資は本業ではないので、その時間が取れません。でも、考えて動いた人が勝つという世界である点で、魅力のある業界ですね。それぞれのスタイルで、不動産事業を営んでいきましょう。

さて、長くなりましたが、みなさん繁忙期はなんとか乗り切って、満室を目指して頑張りましょう。この間、仮想通貨はアクシデントがあり、強制ガチホ状態になっています。株も乱高下があり、円高になり、金も急落しました。変動に負けず、たんたんと投資していきましょうね。