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先日、10年来のお付き合いのある不動産業者Aさんと食事をしました。Aさんは、収益物件を購入したいと熱く語っていた当時の私を「身の程知らずの変人的な人」と思ったそうです(笑)

無理ありません。年収300万円台で、2000万円台の住宅ローンも通すのに苦戦したことを知っていた方なのですから。それが数千万~数億円の収益物件を購入しようとしているわけです。

「この人本当に大丈夫なの?」

客観的にみて理解に苦しむのは当然です。私も住宅を購入した後ですし、金融機関からの与信もないことは容易に想像がつきました。その時代は、今ほど不動産投資に対し世間の理解はなく、他の業者からも同じように思われていました。なかには、業者から叱責を受けた事もありました。

でも私は、生活環境を末永く維持すべく、収益の柱を獲得しようと真剣でしたから、他から何を言われようがまったく気になりませんでした。そういった観点からみても、今のマーケットは情報もたくさんあって恵まれていますね。

さて、今回のテーマは「副業で成功している人・失敗している人の特徴」についてです。

副業で成功している人の特徴は?

私は不動産投資で独立してから、サラリーマンを辞めて独立した人と出会うことがとても多くなりました。また、現在サラリーマンの方から、副業に関して相談を受ける事もずいぶん多くなりました。

副業の目的の大半は「今より稼ぎたい」

それをきっかけに副業を通じて好きな仕事をしたり、スキルを磨いたり、定年後も続けて生涯現役など、様々なスタイルがあります。

いきなり独立起業するよりも、当然ながら副業から一歩踏み出したほうがいい。そう思うのは自然な事。自身の将来に期待し夢をイメージして、一歩踏み出そうとする志はとても素敵だと思います。

では、副業で成功している人はどんな人か?

それは「本業のスキルを活かして副業をしている人」です。そして、本業で結果を残している人

厳しい言い方かもしれませんが、本業で結果が残せずして副業で結果を出すのはハードルが高いという事です。ある有名な週刊誌の記事にも同様の事が書いてありました。私の知る限りでも、不動産投資に限らず本業のスキルを活かして副業をしている人の成功率は高いと思います。

ポイントとして、本業で得た知識、経験を生かすことで「時間」にレバレッジをかけることができる。なぜなら、全くの畑違いの仕事にチャレンジするのは新鮮味があって楽しいかもしれませんが、1からスタートしなければなりません。1から学ぶとなると、知識は得られても実務経験に乏しいので、その部分でハンデを負うことになります。この実務経験のハンデは、インパクトとしてかなり大きいです。

本業を生かした副業であれば、実際に本業で会社に利益をもたらしているのであり、知識、実務経験ともに豊富です。よって副業でも同じように利益をもたらす活動に直結します。業務内容を把握しているので、その分野では失敗するリスクも軽減できるわけです。

副業で失敗するのは、とにかく手っ取り早く儲かればいいという意識の強い方です。

書店に行くと「副業」という見出しの本がたくさん売っています。「簡単に儲かる」とか「仕込んだら通帳を見るだけ」とか…。いろんなジャンルがあって、見ていてほんとに楽しいですよね。私もつい手に取ってしまいますが(笑)

不動産投資に関しても同様の書籍が売られています。

私の知人も、副業から得る副収入を夢見てチャレンジしたものの、失敗してしまいました。原因は、他人の用意したビジネスモデルに乗った事です。ビジネスモデルに乗るのは良いのですが、その分野は全くの未経験。善し悪しの判断の前に、目先の利益に目がくらんでしまったんですよね。

その他でも失敗している人を、何人か目のあたりにしています。痛恨の失敗事例といえば、本業の顧客をお客さんにしてしまい、それがトラブルに発展。本業に影響が出て、結局会社を退職するはめに…。こういったケースって、けっこう耳にします。これでは本末転倒です。

やっぱり、目先の利益に目を奪われて周りが見えなくなってしまっている。これは絶対に避けたいところ。

「本業のブランドに頼らない」

私は今までの経験、本業のスキルを活かしたい。ただし、本業の名称、人脈を利用せず活動する事を心がけていました。なぜなら、本業に支障が出ないようにすることと、会社の看板に依存しない「自分のブランド」を作ることを意識していたからです。

ですから、私は属性を聞かれても業界最大手のハウスメーカーに勤めていながらも、銀行以外で出会う方々には「住宅関係の会社に勤務しています」というところで留めていました。

たまたま、私は住宅業界に携わってきましたが、実際に不動産投資を始めるにあたり有利だったのは全体の1割~2割程度。びっくりされると思いますが、本当です。

それ以外は、セミナー、書籍、成功者から直接学びながら今を築きました。その新たな学びと、本業や今までの経験をうまくブレンドすることで、相乗効果を作り出してきました。それが不動産投資の実績に生まれ変わるんですよね。

ポイントは今までの知識、経験を副業でどうマッチングさせ生かすか。社会人経験のある方なら、1つや2つ必ずあるはずです。

世の中は副業ブームになっていますが、やはり本業に支障が出ないようにしたいのは核になるところでしょう。

副業のメリットとして、離職しなくても、自身の得意分野や興味のある仕事に携わることができ、本業を続けながら将来の起業に向けて試行ができることです。デメリットとして、副業を始めることで確実に労働時間が増え、自己管理をしっかりしなければ共倒れになるリスクがあることです。

私が不動産投資を始めたときも例外ではなく、確実に労働時間が増えました。休みの日や終業後に物件視察にいったり、リフォームの打合せをしたりと、気力、体力ともに消耗したことは否めません。

ただ、自己管理をルール化していたため、公私とも支障なく7年間過ごしてこれたと思っています。

ルール化の一例としては、

・週休2日の休みのうち、1日は確実にオフにする

・夜の10時以降は仕事をしない

・通信機器を持たず、外部からの情報を遮断する時間を必ず作る

体を休めるだけでなく、視覚、聴覚、脳を休める事がとても大切です。これをする事でずいぶん楽でした。

私はほんの数カ月前までフェイスブックはしていませんでしたし、LINEも2年ほど前までしていませんでした。なぜなら、不動産賃貸業を営む上で、なくても不自由なく公私とも活動できたからです。

いまはSNSを利用するようになりましたが、ものすごく時間をとられますね(笑)

でも、フェイスブックのおかげでずいぶん人脈が広がりました。情報発信や、人脈形成でとても便利なツールですが、これもほどほどにしないと中毒的な現象になってしまいますね。

まあ、私は不動産投資というリアルな業種だったので幸いしていますが、SNS起業で成功している方もたくさんいます。

ちょっと話がそれましたが、私の考える副業の成功秘訣は以下になります。

1.自身の本業もしくは趣味など、得意分野を応用した業種であること

→知識経験を生かせることは最大のレバレッジ

2.新たな分野であれば、自分の知識や経験がどのように活かせるかにスポットを当てること

→新たな分野に自分のスキルをブレンドすることで相乗効果が見込める

3.目先の利益にとらわれず、おいしい話に乗らないこと

→おいしい話は向こうからやってこないし、楽な話は無い

4.本業の会社ブランド、資格に頼らず裸の自分で勝負する覚悟があること

→会社のブランドと本人の能力は無関係

5.常に学ぶ気持ちを忘れずに謙虚でいること

→上には上がいる、満足した瞬間に成長がとまる

副業するにあたり、社内環境から一歩踏み出してみるといいと思います。社内から評価されて自信満々だったのに、世間では通用しなかった…。そんな話は珍しくありません。

私自身も、20代の時に社内でトップクラスの成績を残し、自信満々で世間に飛び出したものの、まったく通用しなかった経験があります。あれには相当へこみました…。

副業をお考えの方。まずは最初の一歩踏み出すことを目標にしてみるのはいかがでしょうか。(実はこれが一番高いハードルだったりするんですが…)