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人も建物も、生まれたて、新築直後はどこにも問題がなく、ご両親も、お施主さんも満面の笑みで喜んでくださるものです。

 

「オレもさ、赤ん坊の頃は玉のような子どもだったらしいんだよ。今じゃ、歯周病に悩まされて、肝臓の数値に一喜一憂しているけどね」

 

時の流れには、残念ながら抗えません。

仏陀の教えにも、「生じたものは必ず滅する」とあるように、逃れることのできぬ定めです。

事実、人の寿命には限りがあります。平均寿命は80歳~90歳だとしても、人の限界寿命は120歳でしょうか。200歳まで生きた実例は寡聞にして知りません。

一方、建物の寿命はどうでしょう?

 

法定耐用年数が限界でしょ。木造は22年RC造のマンションは47年だったんじゃないかなぁ」

 

法定耐用年数については仰る通りですが、建物の限界は違います。

正岡子規作「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」に詠われている法隆寺の五重の塔は世界最古!

なんと推古15年(西暦607年)築でして

築1411年……

木造建築の法定耐用年数は22年ですから、64回以上繰り延べしたことになります。

 

「何が違うの?」

 

維持管理の差です。建物を朽ち果てさせるのは、動植物に必要不可欠な「水」です。水の浸食力と朽ち果てさせる力はそら恐ろしく、木造も、鉄筋コンクリートでさえ、あっという間に崩壊させます。

放置すると……屋根は抜け、床は崩れ落ち、壁も倒壊。幽霊屋敷に変貌するのに3年かかりません。

ですから、いかに水の侵入を防ぐかが、建物の維持管理の一丁目一番地と言っていいでしょう。

そして、中古不動産の購入の際、忘れてはならないのが、「修繕履歴」の確認作業です。

 

「しゅうぜん……なんちゃらって何なの?」

 

建物の価値を保つためには、継続した維持管理が必要不可欠です。

ですが、いかに気を付けたとしても、

○不具合からの修繕

○法律に定められた改善や法定検査

○価値を高めるための大規模修繕

などを行う必要があります。

そうした建物の修繕した記録こそ修繕履歴であり、精緻に分析すれば、大規模修繕計画が予測可能となり、中長期収支の立案に役立ちます

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