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不動産を購入するには、物件価格以外の費用、俗に「諸経費」と呼ばれる費用があるのはご存知でしょうか?

 

仲介手数料とかだろ。

あと、司法書士手数料だっけ、

あれさ、なんであんなに高いの?

登記手続きのプロだかなんだか、知らないけどさ、

ちゃちゃっと書いてウン十万円取るって異常でしょ」

 

司法書士への支払いは、保存登記や所有権移転登記費用のほかに、登録免許税費用も含まれているので高く思えるのでしょう。

 

「とうろくめんきょ? って、何の免許?」

 

税金の性格上、登録免許税ではなく「登記税」とするべきです。

しかしながら不動産登記は、登録免許税法の一部であり、全体法は、特許権や意匠権に漁業権に出版権など不動産とは全く関係のない、登記や登録に免許などを総合的に規定している法体系であり、実態と違った名称となっているのです。

 

「ふ~ん、そうなんだ。

で、諸経費っていくらぐらいかかるの?」

 

いいご質問です。通常、不動産業者とは値段の駆け引きをしますが、諸経費は後回しです。

 

「そういやぁ、そうだったな。

他にいくらぐらいかかるんだい? って聞いたらさ、

物件価格の10%前後ですかね』

とか、なんとか言ってはぐらかされたな。

それでどのくらいかかるの?」

 

仮に5000万円の専有面積85平米の4LDK、新築マンションとしましょう。5000万円の内訳は土地2000万円と建物3000万円であり、借入は4000万円とします。

 

「それで幾らかかるの?」

 

内訳は以下の通りですが、必要最低限の概算数値として、465万円必要となります。また、本物件は投資用物件とします。売主直売の新築物件ですので、仲介手数料はゼロであり、通常必要となる引越し費用も家具導入費用も入れていません。

■税金関係

消費税:240万円

登録免許税:60万円

不動産取得税:50万円

固定資産税:10万円

印紙税:2万円

司法書士報酬:8万円

小計:370万円

■ローン費用・保証料など

融資手数料:5万円

保証料:55万円

火災保険料:25万円

団体生命保険料:10万円

小計:95万円

(なお、本件ケースは軽減税率適用の新築マンションをベースとしています)

 

「なるほどね、

大体、売値の10%かぁ……

って、待ってよ!

なんだよ、この消費税って?

なんでこんなにかかるんだよ

240万円って、ふざけんな

仲介手数料がゼロでもさ、どうしようもないでしょ」

 

いいところにお気づきになりましたね。

 

「どういうこと?」

 

日本は法治国家であり、消費税は税法の要ですから、何人も消費税から逃れることはできません。ですから、新築物件の購入者は消費税を払わなければ、新築物件を購入できないのです。

 

「じゃ、マイホームの購入者はさ、みんな払ってるの?」

 

いいえ、新築住宅購入者は消費税を払っているという厳然たる事実を申し上げました。

「じゃ、中古は?」

 

基本的にかかりません。

 

「どういうこと?」

 

個人所有の不動産売却に消費税はかかりませんが、所有者が宅建業者や不動産の売買を生業とする業者の場合、建物に関しては消費税がかかります。

 

なぜ、こうした違いが出るかと言えば、消費税の課税対象は、国内において「事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡及び外国貨物の引き取り」と規定されているからです。

よって、個人の資産処理である不動産の売却は消費税の課税対象とはならないのです。

 

「じゃさ、買った翌日に売ったら、昨日払った消費税はどうなるの? 還付されるとかないの? 固定資産税はさ、売った時期で清算されるとかあるじゃない」

 

1円も還付されませんし、売主から消費税分を貰えることもありません。全くの払い損です。

「ふ~ん、じゃ、新築よりも中古物件がお得なんだぁ……」

 

大正解です。これだけでも、中古物件の良さをお分かりになることでしょう。

 

「他にもあるの?」

 

次にご紹介したいのは、不動産売買契約書で節税する方法です。

 

「けいやくしょで節税する? そんな、バカな話はないでしょ」

 

そこが法治国家の面白いところでして、平成19年に税法が改正され、不動産の建物は全額減価償却できることになったのです。いやぁ、大家さんからすれば、待ち望んでいた法律改正でした。

 

「なんか、えらい持ち上げようだけどさ、

どうすりゃいいの?

具体的に言ってくれないかな」

 

例えば、築25年の木造のアパートが5000万円で売られていたケースで考えて見ましょう。

 

<ケース1>

青木さんは、5000万円の売買契約書に判をつき、そのまま所有権を移転しました。確定申告の時に減価償却が経費となると知り、建物の価格を算定しようと課税標準価格で案分した結果、土地が4000万円で、建物価格は1000万円だと分かりました。この場合、経費として計上できる減価償却費の上限金額は1000万円です。

 

<ケース2>

井口さんは同じ物件を購入する際、不動産売買契約書の土地と建物の割合を土地2000万円、建物3000万円と売主と合意して作成しました。この場合、経費として計上できる減価償却費の上限金額は3000万円となります。

減価償却費は、経費計上できるものの、外に出て行かないお金ですから、財務的にプラスに働きます。

たった、数行、

「土地○○○○万円建物○○○○万円」

と書き加えるだけで、全く違った結果になるのです。覚えて損のない、合法的な節税テクニックです。是非、ご活用のほどを。

 

「他にないの?」

 

物件が増えた後のことになりますが、お聞きになりたいですか?

 

「もったいぶらないで教えてよ」

 

個人事業者として認定される規模になれば、青色申告をした場合、貸借対照表も付けた確定申告をすると65万円の控除ができますし、専従者給与として奥様に給与を支払い、所得税の軽減を図ることができます。

 

ただし、赤字にしては意味がありません。税務署は、税金の増額が目的です。金融機関は金融支援(融資)により、税務署は、徴税に日夜努力されています。

 

不当に税金を逃れる個人や企業に税務署は頬をピクつかせ、厳しい措置を取ることをお忘れなきように。

「過ぎたるは及ばざるが如し」です。