スマートデイズが開いたオーナー向け説明会=12日夜、東京都内(画像の一部を加工しています)

首都圏で女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を展開するスマートデイズ(東京都)は12日夜、民事再生法の適用申請に関するオーナー向けの説明会を東京都内で開いた。同社は民事再生について「入居者の保全を優先した判断」と説明したが、出席したオーナーからは「責任追及を逃れる気か」などと異論が出て紛糾。同社の代理人弁護士は、最終的に破産手続きへの移行も検討することを示唆した。

説明会にはオーナーら約150人が出席。スマートデイズ側は「1月以降、赤字部門だったサブリース事業の縮小を図ってきたが、新規の不動産販売をしていないため建築事業のキャッシュフローも悪化し、資金繰りが非常に厳しい状況」と説明。「入居者からの賃料収入がほとんど見込めない中で、これ以上皆様に迷惑をかけないようにするために民事再生を申し立てた」とした。

これに対し、出席した複数のオーナーから「疑惑の塊なのに再生とかふざけるな」「破産しろ」「逃げるなよ」などと怒号が飛び交う展開に。スマートデイズ側の代理人弁護士は、破産ではなく民事再生を選んだ理由について「現在も145人のオーナーと契約が残っており、その方たちのためには事業を継続して入居者の保全、インフラの維持を優先すべきと判断した」と説明した。

「オーナーより入居者」に反発

スマートデイズによると、現在管理しているシェアハウスの入居者は合計357人。オーナー側の弁護士は「最大の被害者は700人のオーナーであって、入居者357人の電気、水道のために民事再生するという理屈は理解できない。入居者1人1人に頭を下げて転居してもらい、早急に破産手続きをするべき」などと主張した。

こういった意見を受け、スマートデイズ側の代理人弁護士は「契約中のオーナーについては入居者保全が被害の最小化につながると考えたが、認識が違っていたかもしれない」とし、最終的には破産手続きも検討する意向を示した。

出席した40代の男性オーナーは「これだけ多くの被害者を出しておきながら、会社が生き残ろうとしているというのはおかしい。民事再生ではなく破産手続きに移行し、過去の不透明なカネの流れやスルガ銀行の関与などについて明らかにしてほしい」と語った。

再生の目的は

民事再生の申し立ては一度受理されると取り下げることはできない。しかし、今回のように主要債権者の多数から反対があるなど、再生の見込みがないとして申し立てが棄却された場合、破産手続き開始に至る。

同社などに計2億円の損害賠償を求めている加藤博太郎弁護士は「破産の場合は管財人が過去の悪事を洗い出すことになるが、民事再生では会社の再生が実現可能かという点が中心で、責任追及には主眼が置かれない」と指摘。「オーナー側による破産申し立ての動きを察知して先手を打ったのだろう。再生する目的も理由もなく、ただ破産申し立て潰しのために制度を悪用した形といえる」と語った。

東京地裁に提出された民事再生手続きの申立書によると、同社の2017年3月期の役員報酬は当時の社長が約7000万円、取締役3人で計約3000万円に上っていた。さらに、このスキームでは取引の過程で抜かれた多額の裏金が実質的経営者の関与する別会社に流れた可能性も指摘されており、全容の解明が待たれる。