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本日のコラムの内容は、1部屋10平米前後の狭小アパートについてです。

前回のコラムでもお伝えした通り、限られたスペースで効率的に利回りを上げようとすれば、空間を区切ることで容易に実現できます。その典型がシェアハウス・ゲストハウス・狭小アパートのような施設です。

これらの施設で気をつけなくてはいけないのは、あくまで見かけの表面利回りだということです。入居率が下がれば、絵にかいた餅になるわけです。今後の人口減少を考えると、賃貸需要は減少し、供給が減らない限りは競争に巻き込まれて、稼働率(入居率)が落ちるのは誰が考えても分かる将来像です。

追い打ちをかけるように、売って終わりの業者が供給を増やすと、物件同士で入居者を奪い合う形になり、時間の経過とともに入居率が低下していくことも予想されます。

直近の金融機関の融資姿勢消極化の状況をみても、物件価格は下がっていくでしょう。となると、あとは保有し続けて利益を生み出し続けることができるのか、最終的に土地値としてどれだけの価値が残りそうなのか、これが今後の物件を選ぶポイントとなってきます。

建売の狭小アパートは、業者としては売ってしまえばおしまいで、運営で苦労するのは我々のような不動産賃貸経営者です。銀行の融資がつくからという安易な理由で、見かけの利回りが高い狭小アパートは、入居者の立場で考えると選ばれづらくなるでしょう。

一方で見方を変えると、一時的なキャッシュフローを得る手段として、狭小アパートは有効です。あくまで「一時的」で、長期に渡り優位性を保ちにくいため、競争力を失ったときにどうするのかのリスクヘッジをしておかなくてはいけません。

例えば現金をためておき、家賃と返済が逆転してもそれを補う体力、資金力をつけておく。また、同じような物件を買わず、広めの単身者用アパートを保有しておく。もしくは修繕しながらローン完済まで保有し続けるぐらいの覚悟がないと、なかなか出口が取りづらいタフな賃貸経営になることが予想されます。

このようなスキームとは一線を引くため、基本的には私の物件は、最低20平米以上の部屋の広さを確保し、長期に渡る優位性を保とうとしています。しかし、それを分かっていつつも、実は、2016年に一棟だけ新築狭小アパート(12平米のワンルーム)を購入してしまっています。今日はその運用状況をご報告します。

狭小アパートを購入した理由とは

そもそも買ってしまった理由は、リタイア直前にもう一つ金融機関を開拓したかったためです。一部の金融機関は、収益還元法で物件を評価してくれます。今後、リタイヤ後に物件を増やすため、取引金融機関を増やしたいと、安易に見かけの利回りが相対的に高い狭小アパートに手を出しました。

立地は中央線の人気駅から徒歩10分以内なので悪くはありません。しかし、駆け込み乗車で購入した狭小アパートは、思った以上に運営が大変でした。「○○までに買いたい」と納期を切って実行すると、良い物件は買えないですね…。

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