
写真© siro46-Fotolia
確定申告も無事に終わり、新年度が始まりました。新年度に向けて新しく事務所を引越しし、WEBサイトをリニューアルしました。成長過程において、脱皮していくことは必須ですよね。
不動産投資業界も今までのスタイルからの脱皮、変革の時期に入りました。その変革の一つは、さらなる融資の引き締めです。もう皆さんも肌で感じるどころか直面しているでしょう。これは不動産投資するにあたり大きな壁になることは百も承知…。私はそれに備えていろいろな準備をしています。不動産投資を志している皆さんは、どんな準備をされていますか?
厳しい現実を直視する
迫り来る新しい時代を切り抜けるための方法をお伝えします。ちょうど10年ほど前です。私が不動産投資を始めて間もないころと、今の融資環境が似てきています。
当時、SMBCがサラリーマン向けに積極的に融資を出していました。地銀、信金も同様です。今ほど融資情勢は活発ではなかったものの、それでも金融機関から融資の勧誘があったりして、資金調達する側として有利な市場でした。
ところが、2007年サブプライムショック後から、SMBCが融資を引き締めだして、地銀、信金もそれに倣いました。
まだ物件を持っていなかった私。ついこの間まで物件取得へ向けて、話を聞いてくれていた銀行が急に冷たくなり、こんなに態度が急変するものかと驚きを隠せなかったことを覚えています。ほんと、手のひらを返すってこういう事かと(笑)
かくして、今回。
スマートデイズの「かぼちゃの馬車事件」。この事件を発端に、日本版のサブプライムショックのような感じで引き金になってしまいました。
アパートローンの貸し出し増加に目を光らせていた金融庁に、火に油を注ぐようなことになってしまいました。
「言わんこっちゃない…」、そんな感じでしょう。
その片棒を担いでいたスルガ銀行。金利が高いながらも、属性が良ければ積極的に融資をしていたので、不動産投資を始める方や転売業者にとって、とてもありがたい存在でした。
そのスルガ銀行がスマートデイズの破綻によって、連鎖的に投資家が破綻し、影響を受ける可能性大です。融資したかなりの額のお金が焦げ付くことは避けられないでしょう。額は数百億とも言われています。
また、スルガ銀行頼りだった不動産業者の破綻も確実に出てくるとみています。そして投資家も…。
その結果として社会問題になり、不動産融資に影響が及べば、必然的に物件取得が困難になります。取得だけでなく、売却もです。買い手に融資がつかないから、売るに売れない。売るにしても損失が出てしまう。
では今後、物件取得するにあたり、どのような戦略を立てて実行すれば良いのか。物件取得に関して金融機関からの資金調達は必須です。例をあげてみましょう。
運営実績がない場合、ほかの関係実績を作る。関係実績とは、人間関係や取引関係の実績です。
例えば家族の定期預金でも良いですし、金融機関主催のセミナーでも良いですし、とにかくその金融機関と何らかのパイプを作り、気軽に訪問できるような関係実績を作る。特に地元の地方銀行、信用金庫で実績を作ることをおススメします。
紹介がなくても、定期や金融機関主催のセミナーに参加し、名刺交換、面識を持つことは可能です。もちろん誰かの紹介を受けて取引開始できればベストです。
「良い物件が出たから、融資してください!」
仮に本当に良い案件であったり、自己資金が潤沢にあったとしても、相手の事がよくわからない場合、貸し手として躊躇します。そんなに良い条件下にいるのに何故うちに? となってしまいます。
やはり貸し手の立場として突然訪問するよりも、ある程度何らかの関係実績があるほうが「心理的ハードル」が下がります。このハードルを下げる事は、融資するにあたってかなり重要になってくるんです。
私は、金融機関との人間関係の実績の大切さをこの10年で学んでいます。特に私は、金融機関に訪問する「理由・キッカケ」を大切にし、活動してきました。要は、フェイス・トゥー・フェイスの関係の充実です。
当時、金融機関に新規案件を持って行った際に、運営実績があっても、実績の推移が見えない決算3期以内は、それを理由に断られてしまいました。
実績があるのに何で? 融資するにあたり、何かが足りなかったんですね。
特に日本で指折りの融資のハードルが高い愛知県。これは先方の内部の理由かもしれないし、私自身に対する理由かもしれない。相手の本音はわからないので、私は自分でできる可能な限りの環境を整えていきました。
売却に関しても、再度シミュレーションしてこの先、10年は持ちこたえられるようなら問題ないのですが、2~3年のうちにキャッシュフローがショートするような物件は、借り換えるなり売却するなどの早急に対策が必要です。
思い切って損切りして、立て直すのか。損失を出しながら、この先運営していくのか。
不動産投資の場合、金額が大きいので、そう簡単に判断できないケースが多いです。自身で判断に迷うときは、第三者の相談を受けるとよいでしょう。(相談相手は慎重に検討してください)
景気の動向をみていると10年周期の波があります。
先々の事はどうなるかわかりませんが、向こう10年の間持ちこたえられるような状態なら安心です。何故なら10年運営できれば、市場も動向も変化するでしょうし、元金もだいぶ減ります。売却しても、損はあまり出ないのではないかと思います。
私は3年運用できれば、損ぜずに売れるであろう物件しか持っていません。不動産投資の多くは20~30年の長期運用で利益を出し、資産形成をしていくことを目的としています。
なのに新築案件で、長期のシミュレーションで安心だったと思って購入してみたものの、全く逆で2~3年でキャッシュフローが赤字だということも…。実際に築2~3年の木造物件が、市場にたくさん売りに出されています。その答えが早くも出てきているわけです。
この2~3年以内に不動産投資を始められた方や、一気に規模を拡大された方は特に、シミュレーションを再度してみて、今後の舵取りをどうするのか早急な判断が必要です。
3月以降、急に利回りが上がってきていますよね。不動産投資を始める方にとって良い案件を取得するチャンス到来。売却を検討している方は、少しでも高く売るチャンス終盤戦。どちらにとっても、今はチャンスの時期なのです。
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