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不動産の売買で行われる「重要事項説明」。この段階までくれば、物件に関するさまざまなことが明確になりますが、その前段階では情報が伝わっていなかったり、間違った情報が伝わったりということもあり、売買契約書の締結の当日になって、仲介会社の担当者から「実は…」と、さらりと告げられることも多いものです。

心理学的にも、一旦「OK」を出した後は「NO」とは言いにくくなるそうです。また、売主・買主双方の仲介会社、売主・買主等が参集する当日ともなれば、多少のことでは断りにくいものです。

不動産広告を見る時の注意点!

こうしたケースでは、仲介会社は本当に後になって知ったのか、わざと先延ばししているのかわかりません。当日になって「話が違うじゃないか」とならないよう、不動産の広告を見る際に念頭に置いておきたいポイントをいくつかご紹介します。

■住所・交通:「○○駅から徒歩5分」とあるが、「○○駅」(メイン駅)ではなく、「△△駅」(マイナー駅)の間違い、あるいは「徒歩5分」とあるのに、実際に歩いてみると10分近くかかることがあります。

(基準としては駅の最寄りの出口から単純に80メートル=1分ですが、実際には駅が広く、最寄りの出口から改札・ホームまでが遠かったり、坂・信号・踏切等があったりすることもあります)

■周辺地図:かなり適当なので、全然違う場所の場合があります。

■接道状況:記載がないにもかかわらず、実際は道路付けがなく「再建築不可」だったり、建蔽率・容積率オーバーになっていることがあります。この場合、原則融資受けは非常に難しくなるでしょう。

■セットバック:記載がないにもかかわらず、実際はセットバックが必要なことがあります。

■駐車場:「駐車場有」となっているが、実際は月極駐車場を賃借しているだけというケースがあります。

■隣地との関係:何の記載もないのに、境界標がなかったり、屋根の一部が越境していたりといった場合があります。隣地との「覚書」を整備しておく等の対策を取っておいた方が無難です

■専有面積:広く見せる為に通常は「壁心面積」で記載しますが、役所の補助関係では「内法面積」が使われますし、体感的な広さには「内法面積」が近いと言えます。壁心面積での記載の場合、特に鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造りでは、壁内に配管スペース・柱等があるため、実際の室内には圧迫感を及ぼす場合が多いと思います。

■管理費・修繕積立金:安過ぎる場合には、管理、長期修繕計画等が将来的に立ちゆかなくなる可能性がある点に注意が必要です。

■現況:「入居中」となっているが、例えば、2世帯戸建てで1世帯分のみ入居、もう1世帯は長期間空室、といった場合もあります。あるいは入居中の1室に売主が居住しており、売却と同時に退去予定というパターンも考えられます。買ったとたんに即、空室です。

長期間空室の場合、水回り・冷暖房等が機能しなくなっており、数百万円単位の修理費が発生する場合もあります。瑕疵担保責任免責特約も付けられていれば、全て自分で負担せざるを得ず、その上で新規入居者を募集しなければなりません。

入居・家賃状況は、古い情報のままの場合もあり得ます。悪質な場合には、売主・不動産会社の身内等が形式的に入居している「やらせ」の場合もあり得ます。

■建物管理・賃貸借管理等:ひどいケースでは、仲介会社が仲介後のリフォーム・建物管理・賃貸借管理(入居者募集等)を約束しておきながら、知らん顔されることもあります。こうなると、自分自身でリフォーム・建物管理・賃貸借管理会社を探し・入居者探しを行わなければなりません。

私が遭遇した問題のある広告で多かったケースは、重要な瑕疵が記載されていないというものです。

例えば、再建築不可・容積率オーバー・心理的瑕疵物件(自殺等)等が書いていないのです。これらの問題は、融資にも影響します。

これらは遅くとも「重要事項説明」の段階では言わなければならない事項ですが、それをギリギリまで言わないのは、客寄せのためか、あえて広告の段階では隠しているのか、最後まで言わないつもりなのか、あるいは調査不足で知らないのか…。理由はわかりませんが、お互いの時間の無駄を省く為にも、こういったことは早めに言って欲しいものです。

一般媒介物件等では複数社が情報を公開していますから、他社からの情報もチェックしてみればわかる場合も多いです。ダブルチェックもしてみましょう。

あまりにひどい場合には、同じような被害者が出ないようにする為にも、広告掲載サイト等に情報提供する場合もあります。オークションサイトのように、不動産会社に対するユーザーによる評価ポイント制度があれば面白いかも知れませんね。

早めの確認が必須

以上のように、不動産広告には重要なことの記載がない場合や、間違った情報が書いてあることもあり得ます。

早い段階、遅くとも「重要事項説明書」説明を受ける前、「売買契約書」締結前までには、気になった点は十分に確認しておきましょう。

できれば、不動産会社からの案ができた段階で、早めに電子データをメールに添付して送信してもらい、確認し、金融機関にも早めに送付しておくことです。

先に述べた物件に関する事項は勿論、取引事項についても、重要な点(手付金支払期限・融資白紙解約期限・決済日、手付金・売買金額・違約金、瑕疵担保責任等)は押さえておくことです。

いきなり、「重要事項説明書」をもとに重要事項説明を受け、そのまま「売買契約書」で売買契約締結といったことにならないようにすることが大切だと思います。