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記事の投稿が遅くなってしまいました…。万が一、続きを楽しみにしてくださっている方がいらっしゃいましたら、大変お待たせしました。さて、前回のコラム320万円で買付を入れた戸建ての結果はどうだったのか?

その買付結果の電話がかかってきたのが2月9日、学生時代の友人達と肉パーティーをしている時でした。今ではSNSの拡散力により、その友人達にも私が不動産投資をしていることはバレてしまったのですが、当初はそんなこと知る由もありません。営業マンからの電話は出づらい状況でしたが、結果がとても気になり、席を離れてこっそり電話を取りました。

気になる結果は…?

交渉成立!! 320万円で購入できることが決まりました! 本当は「やったー!!」と歓声をあげたかったところですが、友人達がいるので、隠れて小さくガッツポーズです。嬉しくて晴れやかな気持ちでいっぱいでした。

可愛いポストや綺麗な室内に一目惚れしたこの物件。欲張って20万円の指値をせずに、320万円に留めて良かったと思いました。

そして、契約日。この日も売主様と仲介様に手土産を持参しました。手土産持参には売主様も少し驚かれている様子でした。契約、決済は順調に進み、物件の引き渡しを受けました。やっと私のものになったのです。

「客付けしてくれそうな予感」

この仲介会社は売買も賃貸も扱っているのですが、「賃貸は鎌ヶ谷駅の〇〇不動産がこれまでも頑張って客付してくれていたので、そこにお願いするといいよ」とアドバイスをいただきました。私はその時「売買したのだから賃貸もやってくれたらいいのに」と思ったのですが、後に賃貸に強い業者さんと売買に強い業者さんがあることを知り、ここは売買の方が強いのだとわかりました。

早速、紹介いただいた○○不動産を訪ねました。昔からやっている地場の業者さんという感じです。社長らしき男性とその奥様らしい女性がお店にいらっしゃいました。実は、この女性とは後々飲みに行くほどの仲になるのですが、それはまた別のお話です(そして、社長の奥様ではありませんでした)。

この物件を過去にも案内されているようで、「あーあの物件ね!」という具合に話は早かったです。この業者さんはじっくりとお話を聞いてくださったので、決めてくれそうな予感はしました。ただ念のため、ここだけではなく同じ鎌ヶ谷駅周辺にある業者さんと、隣の駅の業者さんに依頼をかけたのです。

そして物件に行ってお掃除です。元々売主様がお母様を住まわせる為に購入した物件で、リフォームも施されていました。浴室やトイレに暖房が設置されており、ダイニングには床暖房も付いています。手すりも充実していたので、お母様は高齢だったと思われます。延べ床面積は70平米ほどあり、ファミリーで住むには充分な広さです。

車がなくてお掃除道具を運ぶことに苦労する私。この頃は宅配便で送るという知恵がなかったので、いつものようにバッグにお掃除道具を詰め込んで物件へ向かいました。ホウキとちりとり、雑巾、ゴミ袋。これくらいだったと思います。それよりも、ステージング用の造花やスリッパ、玄関マット等、そちらの方が荷物になるくらい「どのように飾ろうか?」と頭がいっぱいでした。

広いお部屋を一人で掃除して、ステージングをして…気づけば夜になってしまいましたが、大好きな物件のことなので全然苦にはなりませんでした。

見送った一人目の入居希望者

そうこうしているうちに、お申し込みをいただいたのは、8人程のかなりの大家族で、ペットも飼われる予定でした。「そんなに大人数で大丈夫かな?」と少し心配でしたが、お申し込みをいただいたことが嬉しくて、もう既にこの家族の大家さんになった気持ちでした。

ところが、お申し込みをいただいてから、なかなかその先が進まないのです。私もだんだん不安になってきました。ちょっと様子がおかしいと思った仲介会社が、その家族のお宅を訪問してくださいました。するとビックリ、そこはゴミ屋敷だったのです!

仲介会社曰く、私の物件もゴミ屋敷になる可能性は高く、トラブルの元になることや、そもそも対応がルーズなことから、せっかく申し込みはいただいたけれど止めた方が懸命だということでした。私もその後のことを考えると不安になってきたので、残念ながらこの方の入居は見送ることにしました。

その後、問い合わせはぱったりと止まってしまったものの、次に2組同時にお申し込みをいただきました! 嬉しいのですが、この2組のうち1組を選ばなくてはいけないという、なんとも贅沢な悩み! 神様は意地悪です。

1組目は、30代前半の若いサラリーマンのご夫婦+わんちゃん2匹

2組目は、終の住処にしたいという年配のご夫婦です。

ドラえもんの「どこでもドア」で未来を覗くことができればどれだけ良いかと思いました。皆さんだったら、どちらの方に住んでいただきたいですか?

年配のご夫婦より、若いご夫婦の方が良いイメージはありますが、年配の方の「終の住処にしたい」というキーワードに引っかかりました。若いご夫婦だと、またすぐに退去されてしまう可能性があり、その時にまた原状回復費や募集する費用がかかってしまいます。さて、私はどちらのご夫婦を選んだのでしょう?

続きは次回にと引っ張りたいところですが、今回はやめておきます。

正解は…

若いご夫婦を選びました

その理由は「畳の表替えをしなくてもいいよ」と言ってくださったからです。え? それだけの理由? と思われる方もいらっしゃると思いますが、年配のご夫婦は、畳の表替えをはじめ、あれこれ注文を言ってこられたのです。長く住んでいただける可能性は高いのですが、入居中にあれこれ言われるとトラブルになりかねません。

私は畳の表替えをしなくていいと言ってくださったお礼に、家賃を1000円下げました。ということで、募集から約3カ月、この一目惚れした戸建てに、若いご夫婦の入居が決まりました。

そして、4年後…

このご夫婦はマイホームを購入されて退去することとなるのです。あの時「どこでもドア」があって、このことがわかっていたら…私は年配のご夫婦を選んでいたのでしょうか?

たぶん、4年後に退去されるとわかっていても、私はこのご夫婦を選んでいたと思います。それくらい私にとって、いまでも思い出すと涙が出そうになるくらいに素敵な素敵なご家族だったのです。