刑事告発のため警視庁に入る弁護団=22日午後、都内

女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズ(東京都)が経営破綻した問題で、物件オーナーの弁護団は22日、スルガ銀行の行員らが融資審査書類の改竄に関与したとして、有印私文書変造・同行使の疑いで警視庁に刑事告発した。

行員の多くが不正行為を認識か

弁護団が告発したのは、大半の融資を実行したとされるスルガ銀行横浜東口支店の行員ら14人と、販売会社15社の担当者19人。告発状などによると、オーナー35人の預金通帳や源泉徴収票のコピーを改竄し、金融資産を多く見せることで融資を通りやすくした疑いがあるとしている。

スルガ銀行は15日に開いた2018年3月期決算発表会見で、審査書類の改竄や二重売買契約などの不正を相当数の行員が認識していた可能性があるという調査結果を発表。「営業部門の幹部が審査部門に圧力をかけていたケースがあった」などとし、独立した第三者委員会を設置して真相究明に乗り出す方針を示している。

スルガ銀行の説明によると、預金通帳などの金融資産確認資料については原本確認が省略され、ネットバンクでは画面の印刷資料のみで確認を済ますケースが多く存在したとみられている。弁護団が入手した改竄後の資料には、支店担当者の印鑑とともに「原本と相違なきことを確認」という記述があり、弁護団は「担当者が原本確認をしていないのに『確認した』と虚偽の報告をしていた可能性が高い」とみている。

改竄業者の紹介も

弁護団は今月に入り、スルガ銀行の行員と販売会社の担当者の電話を録音したとされる音声を公開。その中で、販売会社の担当者からの「通帳のエビデンスをいじくれない販売会社がいたらどうするか」という質問に対し、スルガ銀行の行員が書類の改竄をできる業者を紹介する内容のやりとりがあった。弁護団はこの音声について「スルガ銀行が改竄を主導した根拠といえる」と主張している。

楽待新聞編集部が「販売会社に書類の改竄を指示したという事実はあったか」と質問したところ、スルガ銀行は「現時点ではそのような事実は確認できていないが、引き続き調査を行っていく」と回答。オーナーへの今後の対応については「金利の引き下げやリスケなどの交渉には真摯に応じていく方針だが、元本の減免などに対応する予定はない」とした。

弁護団は一連のスキームについて、建物の建築請負契約でのキックバックや中間省略登記での中抜きによる割高な販売価格なども含め、「全体として詐欺的なビジネスモデルで2000億円近い被害を生み出している」と指摘。今後、詐欺や特別背任容疑での刑事告発も視野に入れて調査を進めていく方針を示している。

(楽待新聞編集部・金澤徹)