スルガ銀行本店=静岡県沼津市

女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」への融資をめぐり、行員が審査書類改竄などの不正行為に関与した可能性が指摘されているスルガ銀行(静岡県)。独自のビジネスモデルで高収益を実現し、「地銀の雄」として急成長を続けてきたスルガ銀行だが、今回の一件では極端な収益至上主義の「歪み」があらためてクローズアップされている。

サブリース事業が破綻したかぼちゃの馬車約800棟のほとんどで融資を引き受けていたように、他の金融機関が融資をためらうような物件にも積極的に融資を出してきたスルガ銀行。近年は不動産投資に興味を持つ若い女性会社員らがスルガ銀行から融資を受けて1棟目を購入するケースも増えていたが、そのようなオーナーたちは現在、どのような状況にあるのだろうか。

今回はスルガ銀行から借入をして不動産投資を始めた女性2人に、融資を受けた経緯や現在の収支状況、そしてスルガ銀行に対する思いについて話を聞いた。

動画でチェック

・スルガ銀行で借りた理由
・提示されたシミュレーションの内容
・業者によって水増しされていた金融資産
・現在の収支状況
・スルガ銀行に対する思い

 

急成長の裏で

スルガ銀行は個人向け融資に特化した独自のビジネスモデルで成長を続けてきた。アパートローンの金利は基本的に3.5%または4.5%と高めに設定している一方、他の金融機関に比べて物件に対する評価基準が甘く、法定耐用年数超えの物件にも対応。投資家としては他で融資を受けられないような物件も購入できるという側面があった。

しかし、高金利で借り入れることによって、購入後の資金繰りで問題を抱えてしまうケースも当然多くなる。また、他の金融機関が融資を行わないような担保評価の低い物件でも融資を引くことが可能なため、そのような物件を購入した場合は買い手を見つけることも難しくなり、同様の理由で借り換えもできず行き詰ってしまうパターンもある。

使い方次第で敵にも味方にも

動画に登場してもらった2人の女性はともに、十分な知識が不足したままスルガ銀行から高金利で融資を受けて不動産投資に参入したことに後悔の念を抱いている。

一方、収益不動産への融資に積極的で審査期間も短いことが特徴だったスルガ銀行は、使い方次第でスピード感のある規模拡大を可能にし、活用することで成功している投資家がいることも事実。高金利をカバーできるほどの収益性がある物件かどうか、将来的な借り換えも視野に入れられるほど担保評価は十分か、などを考慮したうえで利用すれば強い味方にもなりうる。

スルガ銀行の米山明広社長は今年5月、かぼちゃの馬車の問題に関して「最高益を連発する成長の過程で忘れてしまったものは何かということを明らかにした上で、ゼロから再生を目指していきたいと考えている」と述べた。今回の一件を契機として、積極的だった融資姿勢には変化の兆しが見えているが、いずれにしても、融資の際には投資家自身による綿密なシミュレーションを経ての決断が必要なことに変わりはないといえる。

(楽待新聞編集部)

動画に登場してもらった2人の今後について、皆様からのアドバイスを募集しています。記事下のコメント欄でぜひお聞かせください。