私は、不動産投資で4つの危機を経験しました。
平成バブル崩壊、耐震偽装事件、不自然死・首吊り自殺・練炭自殺、そして、今なお続く悪徳金融機関による融資承認・金銭消費貸借契約締結後の理由無き融資ドタキャン、それに便乗した不動産会社による手付金不返還や違約金請求、仲介手数料請求トラブルです。
不動産経営だけでも、一発玉砕、自己破産、再起不能の瀬戸際にあって、メンタルをやられ、眠れない日々もありました。特に4番目の金融機関、不動産会社とのトラブルでは大変な目にあっています。
そんな中、私を立ち直らせてくれた言葉たちがあります。私も含め、皆さんにも、不動産経営以外に本人や家族の健康、学校、仕事、金銭面等、心配事も多いことかと思います。
そんな時、物は考えようで、気持ちを立ち直らせてくれる言葉もあるものです。
人生、資産運用等においても格言がありますが、不動産経営においても生かせるものがあります。私が好きなものを御紹介させて頂きます。多少なりとも、皆さんの心の支えになれば幸甚です。
未来と自分を変えるしかない
○「過去と他人は変えられない。未来と自分は変えられる」
カナダ出身の精神科医、エリック・バーンの言葉だそうです。
失敗を繰り返さないようにしたり、歴史から学んだりすることは必要です。しかし、過ぎ去ったことはいかんともしがたいことなので、くよくよしないで、前向きに生きていくしかありません。私達には、「今」と「未来」しかないのです。
人の性格等は変えられないものです。誰かや何かに過度の期待をしても、裏切られたり、報われなかったりすることも多いものです。そんなことに神経をすり減らすよりも、自分自身が変わった方が早い。
ただ、自分を、今の周りの環境や人達に無理に合わせる必要はないと思います。
自分が精神的、経済的に成長していけばステージが上がっていくもの。
そして周りの環境や人達も変わっていくものです。
サラリーマンから不動産経営などのビジネスに進出していけば世界は広がり、精神的、あるいは経済的に周りのサラリーマンの世界が狭く、浅く感じられ、物足りなくなっていくものだと思います。
例えば私も、悪徳金融機関から、融資承認・金銭消費貸借契約締結後、実行前日になって特段の理由もなく融資ドタキャンという経験をしました。
そしてそれに便乗した不動産会社による手付金不返還、違約金請求、仲介手数料請求というトラブルに巻き込まれています。このトラブルでは6000万円の損失を被りました。
元はと言えば悪徳金融機関が一番悪いと思います。しかし、その悪徳金融機関を信頼したのは私です。結果として騙されたわけですが、過ぎたことはもう取り返しが付きません。
その悪徳金融機関は、相変わらず同じようなことをし続けています。過去と他人は変えられません(それでも、私と同じような被害者が出ないようにと思って注意喚起はしていますが、なかなか難しいものです)。
今では、自分自身で反省し、未来に向かって、未来と自分を変えるしかないと思っています。
○「人間万事塞翁(さいおう)が馬」
幸不幸は予測がし難いもの。不幸だと思っていたことが思わぬ幸せを呼び込むこともあります。長い人生、その時は一喜一憂するものですが、その結果の良し悪しは、後になってみなければわからないこともあるものです。
例えば融資が通らなくてその物件が買えなくても、実は、その物件は隠れた瑕疵だらけ、滞納だらけ、空室だらけ、高金利・キャッシュフロー赤字等で、もし買っていたらひどい目にあっていたかもしれません。
「縁もの」とあきらめ、転身することです。
先ほども説明したトラブルで言えば、悪徳な金融機関や不動産会社とは、傷の浅いうちに縁を切り、今後は付き合わないということです。これを機に、信頼できる賃貸管理会社に管理を変えることです。また、より低金利・長期間と条件の良い金融機関に借り換えることです。
良いこと、悪いことというものは得てして続きがちです。良いことが続いていても、「皆様の御蔭」と思い、決して奢らず、高ぶらずに、謙虚に生きることです。逆に悪いことが続いていても、いつか反転することを夢みて、落ちるところまで落ちないように、できるだけ踏ん張ることです。
○「捨てる神あれば拾う神あり」
サラリーマンとして、自分の勤め先で不遇な目に会っても、他の道もあります。
そもそも、サラリーマンに求められる素養と経営者に求められる素養は、必ずしも一致しません。というか、真逆な場合も多いものです。
サラリーマンは、自社のノウハウや人脈という狭い世界で完結し、変わったことを嫌うなど、保守的な傾向があります。必要最低限の餌は与えられますが、必要以上の餌は貰えません。言わば、「動物園の動物」「40点から60点の世界」です。
一方、経営者は、幅広い社会のノウハウや人脈の中で個性と特徴を持ち、革新的に生きていかなければなりません。飢え死にするリスクも、成功する可能性もあり得ます。言わば、「野生の動物」「0点から100点の世界」です。
むしろ、サラリーマンで不遇な目にあっていた方が他の道を模索したとき、危機感を持ち、ハングリー精神に富み、時間もコントロールし、成功し易いのかも知れません。諦めずに頑張りましょう!
悪徳な金融機関や不動産会社も跋扈していますが、信頼できる金融機関、不動産会社もあります。諦めずに探しましょう!
何度も融資を断られると自己否定されたようでへこみますが、いつか情勢も変わって、理解してくれる金融機関、支店、担当者も現れるものです。諦めないことです。
まとめ
数年前、ある金融機関さんから優遇提案(金利、期間、歩積み両建ての定期預金無し等)があり、借換や新規融資等により、キャッシュフローを厚くすることができました。
しがないさえないサラリーマンではありますが、御陰様で、今では不動産経営からのキャッシュフローが私の安月給を上回るようになっています。もし、減給やリストラ、会社が倒産母さんという憂き目にあっても、何とか生きていけるレベルにまでなることができました。
今回の悪徳金融機関・悪徳不動産会社とのトラブルは大変でしたが、そんなところとはこちらから縁を切ればよいのです。こうして過去を清算したことは、長い目で見れば、損失を補って余りあるメリットになります。
皆さんも、自分ならではの言葉を支えにしてみるのもいいのではないでしょうか。
(加藤隆)
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