PHOTO: iStock.com/shime02

築年数が経過した物件を保有していると、いずれ雨漏りや外壁の剥がれ、色あせ等が起き、外壁塗装を行うタイミングが来る。中古で購入したばかりの全くメンテナンスされていない物件で施工する、買い手がつきやすいよう売却前に施工する、という場合もあるだろう。

しかし実際に外壁に塗られる「塗料」については詳しく知らない、という方も多いのではないだろうか? 今回は、そんな「塗料」について、塗料の業界団体、日本塗料工業会の畑普及広報部長、内装から外壁塗装まで取扱うリフォーム会社、株式会社y‘sの三ツ木営業部長ら専門家の意見も聞きながら深堀りしていきたい。

自分の物件の外壁塗装はどんな種類?

一般的に、8~10年に1回は外壁塗装をしなければならないと言われているが、なぜなのだろうか? それは、風雨などから建物を守る役割を果たすことができる「耐用年数」が、塗料ごとに決まっているからである。

外壁に使われる塗料にはさまざまな種類が存在し、耐用年数も素材によって決まっている。価格も高いものから安いものまでいろいろだが、全て業者にお任せし、見積りの段階では把握せずに発注してしまうこともあるのではないだろうか。

一般的に、アパート・マンションなどの住宅向けに用いられる塗料には大きく分けて以下の6つがある。

(左から塗料種、期待耐用年数、材工費/1平米 ※材工費に足場・養生は含まない・下地、施工方法によって異なる)

基本的には、耐用年数が長いものほど価格も高価になる。特にアパート・マンション向けによく使われるのはシリコン樹脂塗料・フッ素樹脂塗料、ラジカル制御型塗料等である。

下塗り~上塗りで異なる塗料を使ってしまうと…

外壁を塗装する際には、下塗り、中塗り、上塗りと3段階の塗装をするのが一般的だ。この時、上に塗り重ねる塗料は下地と相性の良いものを選んでいく必要がある。この3段階の塗料の相性が合わなければ、乾燥後にひび割れが起こったり、外壁がはがれ落ちたりしやすくなってしまう。基本的に塗料は、塗装会社と塗料の卸会社が適切なものを選んでくれることが多い。

しかし、次のようなトラブルが発生するケースもある。

【トラブル事例】
塗装会社が施主に提出した見積り書と異なる製品を使用して塗装した

最も品質の良い大手A社の塗料を全工程で塗布するという見積もりを塗装会社が出していたにもかかわらず、施工後早い段階で塗料が剥がれてきてしまった。調査すると、塗装会社は下塗り、中塗りにB社、C社の塗料を使っており、上塗りのみA社の塗料を使っていたことが発覚。それぞれの塗料が層間剝離を起こして剥がれてしまった。

塗料の開発にあたって、塗料メーカーはメーカー内の塗料でテストを行い、下塗り~上塗りまでが密着し合うかをチェックしている。だからこそ、一回の塗装で異なるメーカーの塗料を使用してしまうと、トラブルになってしまう可能性が高い。各塗料メーカーの統一見解として、「一回の塗装では下塗り~上塗りまで全て同じ塗料メーカーのものを使用する」ことが推奨されている。

こうした想定外のトラブルに備えるためには、仕様書通りの製品、塗装回数の確認や写真撮りによる実証が重要である。

「塗装の怖いところは、塗ってすぐに不具合がわかるわけではないという点です。しばらく経って初めてトラブルが発覚します。そして、そのトラブルは結局塗るときの手順に問題があることが多いんです」と日本塗装工業会の畑さんは言う。

次のページ外壁塗装、覚えておきたい4つの注意点