誰にも看取られることなく、自宅でひっそりと息を引き取る人が増えている。

特に多いのは高齢者の孤独死だ。内閣府によると、2015年に起きた65歳以上の孤独死者数は東京23区内だけでも3127人。1日に約8.5人もの高齢者が人知れず亡くなっていることになる。

一方、近年では40代~50代の中年層の孤独死も珍しくないという。背景にあるのは生涯未婚率の上昇や少子化、家族関係の希薄化など、現代社会が抱える構造的な問題だ。

「特殊清掃業」という仕事

孤独死は、遺体の腐乱が進んだことで異臭が発生し、その臭いがきっかけとなって発覚するケースが多い。オーナーの視点で見れば、孤独死が理由で他の入居者が退去してしまったり、その後の入居のために家賃を大幅に下げざるを得なかったりといった状況に追い込まれることになる。

孤独死が起きてしまった場合、とりわけ発見が遅れて部屋にダメージが生じているケースでは、ともかくまず物件の清掃を急がなければならない。

こうした現場で清掃を行うのが、いわゆる「特殊清掃業者」だ。その特殊性から存在は広く知られているが、彼らの詳細な仕事内容はあまり知られていない。

不動産オーナーにとって決して他人事ではない「孤独死の現場」とはいったいどのようなものなのか。今回は特別に、遺族・オーナーの了承を得て、特殊清掃作業に同行させてもらった。

動画でチェック

・作業中に換気をしない理由
・孤独死の現場に特有の「臭い」とはどのようなものか
・第一発見者となった場合はどう対応すべき?
・孤独死を防ぐための対策は?
・作業にかかる費用は?

 

増える孤独死、解決の糸口は

最近では、「セルフネグレクト」と孤独死の関係も取り沙汰されている。独居により社会とのつながりを失って孤立し、食事や入浴、医療機関の受診など、生きるために必要な生活行為を拒否、あるいはその意欲を喪失してしまう。そして最終的に「生きることに興味を持てなくなる」のだ。今回のケースのように、40代と若い世代でもこうしたことは起こりうる。

高齢者の独居世帯数が右肩上がりに増加している昨今、孤独死を未然に防ぐ仕組み作りは喫緊の課題だ。すでに民間企業や各自治体が、生活インフラや家電製品を通じた見守りサービス、また地域社会とのつながりから独居高齢者の孤立を防ぐ取り組みなどを始めているが、抜本的な解決にはつながっていない。

孤独死問題はこれからさらに深刻化していく可能性が高い。解決に向け、地域を挙げ、ひいては国を挙げての早急な対策が求められる。

○取材協力/家財整理専門会社エバーグリーン(https://evergreen-is.com/

(楽待新聞編集部)