不動産投資の流れを知りたい方は、「不動産投資とは」のページをチェック!

はじめに

不動産投資を始めるのに、自己資金はどれくらい必要なのでしょうか? 一般に不動産投資のローンを組む場合、物件価格の2割から3割が自己資金の目安と言われています。 ただし、最近は自己資金のない人でも条件によっては銀行が全て融資をしてくれるフルローンも再び登場し、自己資金なしで不動産投資を始める人も増えているようです。 自己資金は多いに越したことはありませんが、少ないからと言って不可能というわけではありません。 今回は実例を追いながら不動産投資を始めるにあたっての自己資金額と、その準備の仕方を検証していきましょう。

Case1.トーマスさんの場合 200万円の資金が3000万円!? 転売益を元手に1棟物件を購入し、年間賃料は4000万円に!!

トーマスさんプロフィール 1977年生まれ。 大学を卒業後化粧品関連会社に勤務。 2001年、ある日たまたま見かけた不動産雑誌を読みながら、自分でも大家ができるかもしれないと思い立つ。 最初はとくに勉強したわけではなく、雑誌に載っていた安い区分のマンションを200万円の現金で購入、それを6か月後に約300万円で転売、100万円の利益になる。 区分マンションの転売で利益が出ることを知り、その後約1年少しの間に、同様に区分マンションの転売を30回ほど繰り返し、資産を3000万円までに増やす。 2003年、その3000万円の資産を頭金に東京池袋に9000万円の物件(RC、1K12部屋)をローンを組んで購入、以降この物件を担保に銀行から融資を受けて、首都圏で9棟のマンションを経営する。 保有物件:9棟62室 総投資額:4億8000円(借入2億5000万円) 年間家賃収入:約4000万円(純利益約1800万円)

資金200万円で始め転売で3000万円に増やす!

12年前に自己資金わずか200万円で不動産投資を始め、現在年間家賃収入4000万円、利益だけで1700万円を稼ぐのはトーマスさん(36歳)です。 トーマスさんは化粧品関連会社に勤めるサラリーマン。 当時の年収260万円とけっして収入は高くはなく貯蓄も300万円程度でした。 「たまたま不動産雑誌を見ていて、安い区分のマンションを見つけました。 大家になれば定期的な副収入が入るかもしれない。 自分もできるかもしれないという根拠のない自信がきっかけです(笑)」(トーマスさん) 雑誌を調べて熊谷の駅からさほど遠くはない場所に200万円で区分のワンルームマンションを一室購入。 転売で利益が出ることを知ったトーマスさんは、数か月でこのマンションを売却、約100万円の利益に。 転売のうま味を知ったトーマスさんは、同様の手法で安い区分マンションを購入して転売、それを30件ほど繰り返します。 「1年ちょっとで資産が3000万円に増えました。 この資金を元手に1棟オーナーとして本格的な不動産投資を始めました」

転売益を元手に9000万円の物件を購入

2003年、池袋駅から徒歩10分のところにRCマンション、1K12部屋の物件を9000万円で購入。 転売で得た3000万円の資金を頭金に、銀行から6000万円の融資を取り付けました。 この不動産を担保にしてトーマスさんはその後マンションを増やし、現在は首都圏で計9棟のマンションを経営、総資産額は4億8000万円(うち借入2億5000万円)、毎月の家賃収入は約320万円、ローン返済や経費や税金を支払った残りの純利益は約150万円。 トーマスさんの例に見るように、年収や貯蓄が少なくとも不動産投資で成功することは不可能ではありません。 トーマスさんの成功のポイントは少ない元手で買える掘り出し物の物件を見つけ、それを自己資金で購入したこと。 「200万円という少ないお金でも買える区分物件を見つけたことがまずよかった。 駅から遠くなかったので高く売ることができました。 転売利益を最初から狙ったわけではありませんでしたが、結果的に短期間で100万円もの利益になったわけですから」 ただし、転売で利益を出し続けるのは難しいとトーマスさん。 「本来は家賃収入で手堅く利益を上げることが狙いでしたから、自己資金が貯まった段階で転売ではなく不動産投資の本来の姿である家賃収入の方にシフトしたことが正解でした」 とくに最初は目先の利回りに捉われて地方の格安物件に手を出すより、安定した入居率を確保でき、いざとなっても土地の値段が下がらない物件を狙った方が良いとトーマスさんはアドバイスします。 「その方が次につながる。 私の場合池袋という繁華街に持てたことで銀行も担保価値を認めて次の融資に前向きに。 それが現在につながっています」 いずれにしても、少ない元手で始めるには、最初に区分などの転売で資産を増やし、そこから本格的な1棟もののオーナーを目指すのも一つの方法と言えそうです。

Case2.大長伸吉さんの場合 都心に新築アパートを建築し、老朽化・空き室・金利の3大リスクを排除した長期の安定した収入を確保!

大長伸吉さんプロフィール 1971年生まれ。 1997年千葉大学大学院卒業後、コニカ株式会社に就職。 2003年、在職中に投資用の区分 マンションを中野に1700万、吉祥寺に2000万円で購入。 2004年、中古アパートを多摩に4000万円にて購入 2006年、新築アパートを世田谷に建てる。 自己資金1500万円、銀行ローン4500万円(毎月21万円25年返済) 2007年、北関東にて2棟目のアパートを新築後会社を退社。不動産投資業に専念する。 2008年、東京都内に3棟目のアパートを新築。 現在不動産投資業の傍ら、独自の体験をもとにセミナーやコンサルタント業も合わせて行い、セミナー受講者数、相談者数ともに現在約1700人を数える。 サポート物件は35棟168室にのぼる。

保有物件 4棟21室
総投資額 8000万円
年間家賃収入 2000万円

郊外の格安物件で長期的な投資を

自己資金は少なくても、よい物件にめぐり合うことができれば成功する可能性があると話すのは大長伸吉さん(41歳)です。 不動産投資の傍ら、自分の経験をもとに不動産コンサルタントも行っている大長さん。 その大長さんが勧めるのは転売による利益ではなく、あくまでも家賃収入を目的にした安定的な投資スタイル。 「転売で短期的に利益を狙う手もありますが、やはりリスクが高い。 私は家賃収入で長期的にコツコツ稼ぐ方をお勧めします。 そのためには物件は地方ではなく都心に近いもので、できれば新築のものをお勧めしています」(大長さん) 地方の物件の場合どうしても入居率に不安が残ります。 とくにワンルームや1Kなどの一人用のアパートやマンションの場合、安定的に入居者を確保するという意味ではできるだけ都会に近い方が有利。 さらに大長さんによれば中古物件のリスクは以下の3つを指摘。 1.老朽化リスク 2.空き室リスク 3.金利リスク 1の老朽化リスクとは、中古物件は当然老朽化が進んでいて、修繕やリフォームの必要があること。 ひどいケースではローンが残っているのに賃貸物件として使えなくなってしまうことも。 2の空き室リスクとは、物件の古さはもちろんのこと、以前の物件は入居者のニーズを重視せず部屋の仕様や設備がお始末なものが多いと大長さん。 比較的最近の物件は入居者確保のためそれらが充実している物件も多く、結果として空き室リスクが高くなると言います。 このようなリスクがあるため、メガバンクはとくに中古物件に対する融資は消極的。 そのため貸してくれるとしたら金利の高い地方銀行や信用金庫などの金融機関に絞られてしまいます。 その結果返済金額が高くなり、物件利回りが低く抑えられてしまう。 「ただし中古物件でも探せば23区内で有利な物件や掘り出し物はあります。 そのとき良い物件の見極めには十分に注意をしてください。 新築アパートで私がとくに注目しているのは東京近郊でいうならば南武線や武蔵野線の沿線の物件です。」 売り主の事情で相場よりかなり安い物件もある。 相手との交渉次第でさらに安い価格で購入できる可能性もあると大長さん。 「そのためには不動産知識を上げること。 あとは時間を味方につける。 1回ダメでも、諦めずに時間をかけて物件を探したり家主や不動産業者と交渉する。 掘り出し物件に出会ったり、相手が熱意に負けてより有利な条件で契約してくれることも。 自己資金が豊富ではない不動産投資初心者にとっては大切な要素なのです」

自己資金500万円を10年計画で!

一方でより確実な不動産投資を行うためにはある程度の自己資金が欲しいと大長さん。 ローンを組む場合、自己資金の比率が高いほど当然毎月の返済額は少なくなります。 その分安定した不動産投資が可能に。 たとえば金利3%、元利均等返済で返済期間20年のローンを組んだ場合、フルローンで借りた場合の年間の返済率は6.65%。 不動産の実質利回りがこれを超えてこなければ赤字になります。 ちなみに不動産投資における実質利回りとは、年間収入から諸経費や修繕管理費など引いた実質の年間利益を購入価格で割った数字。 高いほど収益性の高い物件となります。 同じ条件で80%の借り入れ(自己資金20%)の場合の返済率は5.32%、50%の借り入れ(自己資金50%)の場合は3.32%となり、同じ物件でも自己資金が多いほど、利回りが低くても収益が出る、つまり安定した不動産投資が可能になるのです。 そこで自己資金をどう作って行けばよいか? サラリーマンの場合にはとくに積み立て貯蓄で自己資金を作るのがポイントだと話します。 「これから不動産投資を始めたいという若い人には、毎月4万円の積み立て貯蓄を勧めます。 年間で48万円、10年で480万円、約500万円の貯蓄ができる。 500万円の貯蓄があればより現実的で安定的な不動産投資が可能になります」 20代後半であれば、30代後半に、40歳を過ぎている人でも定年前までに500万円貯まる。 それくらいの長期的なスパンで行動できる人が不動産投資で成功する人だと大長さん。 「年収が1000万円以上あっても貯蓄が少ない人より、年収がたとえ300万円でも10年で500万円貯めた人の方を銀行は信用します。 また同じ資産額でも相続で得たり事業などで一発当てて得たものより、厳しい状況でコツコツ積み立てて貯めたという事実を銀行は評価します」

Case3.川崎大家さんの場合 ド田舎の格安・高利回り物件を現金で購入し、資産を増やした! 金利上昇リスクもなし!!

川崎大家さんプロフィール 1975年生まれ。 1997年、大学卒業後、コンピュータ会社にSEとして就職 しかし過酷な労働環境に一生サラリーマンとしてだけ生き続けることに疑問を持つ。 2001年、ロバートキヨサキの『金持ち父さん、貧乏父さん』を読み 現状を変えるには投資しかないと思い至る。 2003年、藤山勇司の『サラリーマンでも「大家さん」になれる46の秘訣―実践版 利回りがすべてのアパート・マンション経営入門』 (実日ビジネス)に感銘、不動産投資の勉強を始める。 2008年、子供が生まれ、育児休暇を1年取る。子育てだけでなく充電期間となり、同時に本格的に不動産投資へ向けて準備を。 2009年、埼玉県入間市に1棟目のアパート(築19年、2K×4戸)を購入。 2010年、神奈川県横須賀市に2棟目のアパート(築22年、2DK×4戸)を購入。 2012年、神奈川県横須賀市に3棟目のアパート(築9年、1DK×6戸)を購入。 保有物件3棟:14室 総投資額:5350万円 年間家賃収入:940万円(満室想定)

地方の格安物件から不動産投資を始めて成功しているのは川崎に住む川崎大家さん(38歳)です。 川崎さんは2009年、34歳のときに埼玉県入間市に物件を購入します。 「ネットで調べていたら、築19年の木造アパート、2K4室の一棟ものの物件が何と680万円。 さっそく業者に連絡し現地へ。 びっくりしましたよ。 裏手はすべて田んぼというド田舎。 ただし建物の傷みは想像ほどひどくないし、駐車場も付いていました。 近所に住んでいる人にこっそりその物件の入居状況を聞いたらいつも入居者がいると。 即、購入を決意しました」 すでに4戸とも入居者がいて家賃が4万円。 毎月16万円の家賃が入り、修繕費や管理費などを除いた実益は13万円~14万円。 実質利回りは約25%と、初めての不動産投資としては上々の成果。 その後2棟目(築22年2DK4戸)、3棟目(築9年1DK6戸)と物件を増やし、現在の投資総額は5350万円、キャッシュフローは毎月約48万円とか。 川崎大家さんが自己資金のみで不動産を購入できたのも、若い頃からの貯蓄のおかげ。 とくに実家から通勤している川崎さん、収入の多くを貯蓄に自然に回せたのが大きいと自己分析。

積み立て貯蓄こそ成功の一番の近道!?

「入社直後から財形貯蓄を毎月2万円、ボーナス時3万円行っていました。 その他自社株を毎月2万円ほど、給料から天引きされて購入していました。 そのほかに積み立て型の投資信託を月6万から7万円やっていて、毎月10万円ほどは貯蓄に回していました」 1棟目の物件購入のときには約2000万円の貯蓄があったという川崎大家さん。 かなり恵まれた資産状況での不動産投資スタートということになります。 「ただし、資産の全てをいきなり不動産投資に充てる考えはありませんでした。 3分の1、700万円くらいを不動産投資に充てようと。 最初はそれを頭金にして、銀行から1000万円くらい借りて、1700万円~2000万円くらいの物件を狙っていたのですが、埼玉の物件が格安だったので、結果的に自己資金だけで購入することになったのです」(川崎大家さん) トーマスさん、大長さん、川崎大家さん、それぞれ不動産投資のスタイルが異なり、不動産投資に対する自己資金の額や、その集め方も異なります。 トーマスさんのように自己資金は少なくても転売益で勝負に出る方法。 大長さんのように東京などの大都市近郊で優良物件を狙う方法。 川崎さんのように、ある程度の資産を貯めその一部で格安の地方の物件を現金で購入する方法…。 投資のスタイルと方法によって必要な自己資金の額は変わる。 自己資金はいくら必要という決まったものはなくとも、自分なりのスタイルを確立すれば不動産投資で成果を上げることは可能なのです。

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