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今回は、不動産賃貸業をしていると必ず出てくる固定資産税について解説します。

役所からの通知でしか見たことがない…という方もいるかもしれませんが、実は、自分でチェックするメリットもありますから、基本的なことをおさらいしてみましょう。

固定資産税の歴史

固定資産税は不動産投資家、大家さんにとっては、毎年必ず掛かる、切っても切れない税金ですよね。この固定資産税は市区町村の税金で、地方税の税収の約20%強を占める、地方自治体の重要な財源の1つになっています。

固定資産税の歴史を紐解くと、もともとは江戸時代、収穫量の一部を収める「地租」がありました。その後、欧米列強と並ぶために財政基盤を強化したい明治政府によって「地租改正」が行われ、地主が地価に応じて税金を納めるという、固定資産税の原型が出来上がります。

戦後、地租は地方税に移譲され地方の独立財源となり、1949年の「シャウプ勧告」(米国の経済学者カール・シャウプら使節団が出した、日本の税制に関する勧告)を契機に従来の地租が廃止され、土地、建物、償却資産を課税対象とする固定資産税が創設されました。

誰が何に対していくら払うのか?

固定資産税を払うのは、1月1日現在に不動産を所有している人です。物件を購入すると、買主が売主に対し、対応する期間の固定資産税を清算しますが、本当は1月1日に所有していない買主は、税法的には払う義務はないんです。

でも、不動産売買の慣例で、固定資産税を清算することが当たり前になっているんですね。したがって、買主が払った固定資産税の清算金は、税務会計では、その分物件を高く購入したという形になります。間違えやすいところなので、しっかりと覚えておいてくださいね。

さて、固定資産税は、どうやって計算するのでしょうか。

まず、土地や建物については、賦課期日に課税台帳に登録された金額が課税標準となります。この金額は「適正な時価」とされていますが、土地の評価は基準年度の前年1月1日の地価公示価格、または不動産鑑定評価額の7割を基準としています。

この課税標準に対して、固定資産税は1.4%、そして、市町村が都市計画区域内の土地や家屋に対して課税する都市計画税が0.3%掛かります。なお、この数字はあくまで標準税率なので、市区町村が条例で税率を定めることもできます。

ただし住宅用地については、政策的な配慮から課税標準が本来の3分の1になり、また1住宅当たり200平米以下の小規模な住宅用地については本来の6分の1になりますので、かなり安くなりますね。

また固定資産税の中には、事業用資産に課税される償却資産税という税金があり、こちらは毎年、減価償却後の課税標準に対して所有者が申告して納税をします。

ただし、10万円以上20万円未満の償却資産で、3年均等割償却する「一括償却資産」にすれば、償却資産税は非課税になります。でも、30万円未満の償却資産を一括で経費にできる「少額減価償却資産」を適用すると、償却資産税は掛かってしまいます。

どの制度を選択するかで、償却資産税の対象になるかならないかが変わるので、注意してくださいね。

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