PHOTO: iStock.com/ivanastar

元国税局職員さんきゅう倉田です。

好きな税理士会は「東京税理士会」です。

国税局が行う調査に対し、納税者は太刀打ちできません。普段から税金のことだけを考えているプロフェッショナルと、事業や家族のことで精一杯の一般の方が、同じ土俵で対等に戦えるわけがありません。絶好調時の「ムドー」と「スライム」くらいの差があります。

ではどうするかというと、税理士の先生に立ち会ってもらうことになります。税金が大好きな変態集団・国税局に対抗できるのは、合格までの平均年数7年という、努力と根性を兼ね備えていないと突破できない税理士試験をくぐり抜けた先生たちだけです。先生がいない税務調査なんて、サッカーの試合でゴールキーパーがいないくらいやばいです。

先生たちの知識は、国税局並み、あるいは、それ以上かもしれません。若手の国税局職員からしたら、おじいちゃん税理士は特に恐ろしい存在。確実に食われてしまいます。

ただし、おじいちゃん税理士が100%良いかというと、そうでもないのです。この機会に、税理士さんにはどんな先生たちがいるのか、紹介したいと思います。

「どの科目で受験したか」が目安に

先生たちにも、得意不得意があります。それを語る上で、税理士試験の制度の説明は外せません。税理士試験は11科目の中から5科目を選ぶ、「科目合格制」となっています。

◎必須科目…簿記論、財務諸表論

◎選択必須科目…法人税法、所得税法

◎選択科目…消費税法、酒税法、相続税法、住民税、事業税、国税徴収法、固定資産税

5科目の選択例としては、簿記論、財務諸表論、法人税法、消費税法、国税徴収法などが考えられます。

経理や会計の基礎である簿記論と財務諸表論は必須科目、そして多くの納税者が税理士に依頼する理由となる法人税と所得税のどちらかは選択科目のため勉強していますから、その意味ではどんな先生でも概ね問題ないとは思います。

しかし、あなたが個人事業者で、所得税法を勉強していない先生に顧問税理士を依頼した場合、あるいは、あなたが法人で法人税法を勉強していない先生に依頼した場合などは不都合があるかもしれません。

どちらも重要な税法なので、受験していなくとも自己研鑽は行っていると思いますが、それには個人差があるので、やはり受験科目はひとつの目安になります。確認方法は、先生に直接聞く以外になさそうです。

消費税法は、所得税や法人税とセットで勉強するはずですので、調査があっても問題ないと思いますが、心配なのは相続税です。相続専門税理士が存在することからも分かるように、相続税は難解で、申告や調査の機会も少ないので、経験の少ない先生が多く存在します。そんな先生に依頼すると、申告内容が誤っていたり、税務調査で対抗できなかったりする可能性がありますので注意が必要です。

公認会計士、弁護士は試験が免除される

税理士の先生と契約する際は、得意な税法を確認するのが良いと思います。特に不動産投資では、あなたが個人であれば、所得税に詳しい先生、法人であれば法人税に詳しい先生に依頼すると良いと思います。

税理士事務所は、先生がひとりでやっているところもありますが、複数の税理士や税理士試験受験中の方が集まっている事務所もありますし、「税理士法人」といってたくさんの先生が集まっている事務所もあります。投資規模が大きく、予算も潤沢ならば、税理士法人に依頼すると安心かもしれません。

また、先生の中には、税理士試験を受験していない、公認会計士の先生もいらっしゃいます。公認会計士試験に合格すると、普通自動車免許についてくる原付き免許のように、税理士の資格がついてくるのです。

次のページ会計士が税務調査に立ち会うとどうなる…?