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言うまでもありませんが、不動産投資は物件の仕入れ価格、すなわち購入価格でその成否がほぼ確定します。

手前味噌になりますが、僕がこれまで購入してきた物件のほとんど(全部と言っても過言でないと思うのですが)は、購入時に勝利が確定していると自負しています。なぜなら、一般の市場価格に比べて圧倒的に安く購入しているからです。

保有していても潤沢なキャッシュフローを得られますし、(市場環境にもよりますが)売却して利益を確定させることもできるのです。

ここでは「市場価格に比べて割安な物件」を「優良な物件」と定義させていただきますが、この優良な物件をどのように探すのか、を簡単にご紹介できればと思います。

「優良」物件を探す方法

初心者の方から「優良物件の探し方を教えて下さい」「水面下物件はどのようにしたら紹介してもらえるのでしょう?」といったようなことを聞かれることがあります。

しかし、これには答え(特別な方法)などありません。地道に物件を探し続けるしかないのです。もし、そのような都合の良い方法があるのであれば、僕が教えて欲しいくらいです。

僕も皆さんと同じような方法で常に物件検索をしています。例えば、以下のような情報源です。

・REINS(Real Estate Information NetWork Systems)
・楽待のような不動産投資ポータルサイト
・不動産業者が配信するメルマガ
・不動産業者のHP(全国)
・不動産業者への直接アプローチ
・不動産競売物件情報サイト
・国や地方自治体等の公売情報

ライバルは誰なのか?

優良物件の情報が欲しいという思いは皆同じですから、こういった情報を得るにはライバルとの情報戦に勝利しなければいけません。しかし、全国のあなたのライバルは上記のようなサイトなどに四六時中張り付いています。REINSなどに優良物件が掲載されたとしても瞬間蒸発してしまうのはこのためです。

ちなみに、皆さんはどのような人たちが自分のライバルだとお考えでしょう? 他の不動産投資家でしょうか? 実はライバルとして不動産業者も含めて考えないといけません。

不動産業者は仲介手数料や転売益を得ないことには生き残れませんので、優良物件情報を得ることに必死で、僕たちが考えている以上に、彼らは血眼になって物件情報を探しています。

例えば、上記のようなサイトなどから情報を得るほか、物上げするために以下のようなこともやっています。

・全国の不動産業者にFAX DMの一斉送信
・全国の不動産業者への電話営業
・登記簿謄本を取得して所有者へアプローチ

FAX DMの送信は個人投資家でもできると思うのですが、全国の業者へ電話営業したり、謄本から所有者へ直接アプローチしたりとなるとなかなかできることではありません。

不動産業者とも戦わねばならない

つい先日のことです。ある不動産業者から一通の手紙が届きました。その内容は「謄本を拝見し、連絡させていただきました。ご所有の不動産を売却するご予定はないでしょうか? ご希望金額で売却できるよう尽力しますので、売却の際はぜひ弊社にお任せください。なお、弊社での買い取りも可能です」といったものです。

この物件ですが、都心にある物件ではなく、北関東の小さな田舎町にある物件です。興味本位で手紙に記載されていた連絡先に電話して担当者と話してみたところ、物上げするために、エリア及び狙う物件を絞って車で現地ローラーするそうです。狙いの物件をみつけては、謄本を取得してそこに記載されている所有者に手当たり次第に手紙を送り付けているようです。

どうでしょう? 僕たち個人投資家は優良物件情報を得るためにこういったライバル(不動産業者)とも戦わなければならないのです。

兎にも角にも資金調達できる準備をしておくことです。

売主や物件を紹介する仲介業者の立場になって考えてみましょう。「現金で買ってくれる客、融資が確実な客」に物件を売りたい、紹介したいと考えないでしょうか?

面白いエピソードがあります。

いま購入を検討している物件があるのですが、この物件、REINSや楽待に数日間だけ掲載されていました。「数日間だけ」というのは、僕が元付けである不動産業者に交渉して掲載を取り下げてもらったというのが理由です。

僕が購入を検討する物件ですから、当然ながら割安な優良物件です。元付業者に確認したところ、数日間のみの露出にもかかわらず、買い付けが幾つか入っており、問い合わせ多数とのことでした。しかも、一番手は現金で購入すると言っているそうです。

普通ならこれをひっくり返すことはできません。

しかし、僕には作戦がありました。実はこの元付業者の社長に一度だけ会ったことがあるのです。会ったことがあると言っても、数年前に業者ローラーした際に名刺交換をして雑談しただけですが、その社長は僕のことを覚えていてくださったのです。加えて、僕の場合、対象不動産があるエリアであれば融資はほぼ確実です。

僕が一番手になれるよう社長に以下の質問、交渉を試みました。

・一番手の現金客は取引のある客なのか? 
→ない

・その現金客は本当に現金を持っているのか? 
→不明

・物件にはある問題があって現金客がその点を気にしている 
→僕であれば現況有姿でOK

・僕には融資枠がある
→融資特約なしでOK

このような内容で社長を説得し、一番手に繰り上げてもらい、掲載している情報の取り下げを約束してもらいました。

この社長曰く、「少々難のある物件なので後腐れない人と取引するのが売主様のためですし、資金調達が確実な方であれば申し分ありません」とのこと。加えて、「鑑定士×投資家さんであれば、過去にお会いしていますし、付近で物件を購入されて賃貸経営をされていたことも存じていますので、お取引するのにとても安心です」とも言っていました。社長を口説くことができた訳です。

突然割り込んできた三為業者

実は、これにはまだ続きがあります。

完全グリップしたと思っていた矢先、社長から以下のような連絡がありました。

「先ほど売主から連絡がありました。東京の不動産業者から『今の価格より高く売れますので、うちに仲介をやらせてください』と電話があったらしいのです。どうもREINSを見ていた三為業者が(謄本で所有者を割り出し)元付けであるうちをすっ飛ばして、売主を口説いているらしいのです。売主には絶対に取り合わないで下さいと釘を刺しておきました。売主から業者名を聞き出しているのでこれから抗議します」

何とか社長にこの業者を抑えてもらうことができましたが、こういったことも往々にして起こるのが不動産投資の世界です。

さまざまな障害がありましたが、かくして、この物件は僕の手に入ることになった訳です。

仲介業者との関係構築方法

一言で言ってしまえば、仲介業者の立場と利益に配慮すること、自分が確実に買える客だと分からせること、だと思います。

繰り返しになりますが、不動産業者は仲介手数料を得ることを生業としていますし、そこで働く営業マンは当然ながらノルマを抱えています。ここに配慮してあげることで業者・営業マンと良い関係を構築し、優先的に優良物件を紹介してもらえるようになります。

以前、融資枠のあるエリアをローラー開拓していたときに知り合った営業マンがいます。彼には「僕は○○銀行から融資枠を○億円ほどもらっています。御社のテリトリー内に○○のような物件が出れば必ず購入できます。御社の管理物件などの紹介であれば、手数料が両手になりますよね?その際は真っ先にご連絡ください」と伝えました。

半年後、その彼から非常に割安な優良物件の紹介があり、(僕には融資枠があったので)難なく購入することができました。管理物件の紹介でしたので彼の会社には、売主および買主から両手の手数料が転がり込んだのです。

言うまでもなく、この取引を契機として、彼には僕が買える客、儲けさせてもらえる客であるということがインプットされたので、次からの紹介は必然的に僕に真っ先に来るようになりました。

彼とは知り合ってから4年近くの月日が流れますが、その後、彼からの紹介で超優良物件4棟を取得することができています。

こういった業者・営業マンとwin-winの関係を構築することで、優先的に優良物件を紹介してもらえることができるようになります。不動産投資で勝利する秘訣は、このような関係を幾つ作れるか? ということにかかっているといっても過言ではないと思っています。

(鑑定士×投資家)