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今回の豪雨では、中国・四国地方で大きな被害が出ました。被災された方々には心よりお見舞いを申し上げます。復旧、復興もこれからで、大変だと思います。東日本大震災で被害にあった私の実家も、最近やっと裏山をコンクリで固め、復旧にひと段落がつきました。長くかかりました。

物件購入の方はと言うと、今年に入ってからは積極的には動いていません。価格も高止まりなので、いつものように馴染みの不動産仲介の営業マンに仕入案件の進捗を聞いているところです。現在は仕入中だそうで、うまくすれば今年の年末か、新年早々には利回りの良い物件が買えるかもしれません。

このように、私は不動産会社の営業マン・営業ウーマン(以下、冗長なので営業マンで統一させてください)から、仕入れの早い段階で情報を流してもらい、購入を決めています。今回は、不動産会社の営業マンとどう付き合うべきか、そして、購入を決めた時に迅速に融資してもらえるように金融機関とどう付きあっているのかをお伝えしたいと思います。

同じ営業マンから買い続ける理由

私は、不動産投資は車の運転のようなものだと思っています。不動産会社の営業マンと金融機関が推進力を生む後輪、不動産管理会社と保険・保証会社は、方向を間違わないように進むための前輪に当たるでしょう。またガス欠しないよう、エンジンが焼き切れないように監視するダッシュボードの機能が、会計・税務の知識、および会計事務所との付き合いであろうと思います。

私の場合、1度選んだ営業マンから継続して物件を買います。東京の1棟物はAさん、沖縄の物件はBさん、茨城の1棟物はCさん、といった具合です。なぜ、決まった営業マンからしか買わないのか、以下に理由を述べていきます。

大きな規模の不動産仲介業者の場合、複数の営業マンがいて、主に地域によって役割分担がされています。営業マンも玉石混交ですから、良い営業マンに当たればOKですが、そうでないと悲惨です。

かつて私は、こうした地域割りで担当になった営業マンにひどい目に遭わされたことがあります。仕事がいい加減で購入後にトラブルが続出したのです。購入時の説明で「付帯設備」と説明されたエアコン4機が、実は入居者のものであったことが発覚しました。当然、退去時にトラブルになりました。

それでもその営業マンは対応が鈍く、のらりくらりとかわすばかりです。ミスを認めず、大家に損を押しつけようとしたりしました。結局、不動産会社にクレームを入れ担当替えをしてもらいました。

その後、1棟ものを買った別の営業マンは実に反応が早く、何を聞いても即調べて対応してきます。大家にとってのメリットとデメリットを整理して、リスクも開示し、判断を求めてきます。大家の立場に立ち、大家が損をせず、それでいて自社も儲かるように振る舞うのです。以降、私の担当はすべてこの営業マンにしてもらいました。後に10棟近くの購入をこの営業マンからしていくことになります。

信頼の基準は?

この営業マンから買い続ける理由は、「信頼」です。私は一度信頼すると、その営業マンから物件を買い続けます。どのような営業マンを信頼しているのか、私なりの基準を書いてみます。

第1に、反応が早く「ホウ・レン・ソウ」ができること。メールをしても電話をしても、その日のうちに返信が来ることが最低限の基準です。つまり、仕事の基本ができることです。

2に、投資家の立場に立って行動ができること。投資家そっちのけで、売ることばかり考えている営業マンは失格です。特に「今が買い時」「いま買わないとなくなります」などとせかす営業マンとは私は付き合いません。売る都合ばかりを優先されてしまっては、リスクを見落とす可能性があります。せかす営業マンとは絶対に付き合いません。

3に、頭の回転が速く複数の選択肢を出せること。計算がスピーディで、投資家が何を望んでいるのかがすぐ把握できる営業マン、リスクを想定し、対応案を出せる営業マンです。

第1、第2の条件を満たす営業マンは見つけられますが、第3の条件を満たす営業マンはなかなか見つからないもの。したがって、付き合っていく中で「導く」必要があります。

自分の「エージェント」になってもらう

良いと思う営業マンを見つけたら、放さずに、徐々に自分の望む動きをしてもらうように導いていきます。

例えば違法建築や問題のある入居者がいる物件は最初から紹介案件から除外してもらう、できれば仕入れの段階から情報を流してもらう、などです。さらに、購入時はいろんな提案をしてもらうようにします。

加えて、金融機関とのやりとりや書類の受け渡し、忙しい時には納税証明書の取得や印鑑証明の取得などを代行してもらうこともあります。営業マンに私の「エージェント」になってもらうのです。

ただし、一方的に要望を出すだけではだめです。実際に続けて買うことで、営業マンにも対応するメリットがあると思ってもらわなければなりません。

一方、私の場合、営業マン個人への利益供与は絶対にしません。営業マンへの報酬は、会社での評価のアップ、その結果の会社からのボーナスです。個人的なお返しはしません。そんなことをするとグレーな関係になり、お互いに言いたいことが言えなくなりますし、なんとなく取引が汚れる気がします。営業マンの報酬は彼の会社が支払うべきなのです。

会社ではなく「人」をみる

私は本業でも、会社ではなく人だけを見ています。結局、仕事は人が回しているのです。人さえ押さえておけば、その人が会社を移っても同じ仕事をしてくれます。逆に会社がいくら良くても、人が替われば対応が変わってしまいます。

ですから、営業マンはその所属の会社より大事です。会社より人をみて仕事をしましょう。そうすれば彼は「エージェント」となって、投資家である私やあなたに利益をもたらしてくれます。

投資には融資が必須です。そして融資をしてくれるのは金融機関です。したがって、金融機関を不動産投資のパートナーと考えてお付き合いをしなければなりません。

金融機関と付き合うための私のポリシーは「正直でオープンな付き合いをする」ということです。

金融機関はとても保守的な組織です。融資を受けるにしてもかなり厳密に、リスクを考慮した担保評価をします。人物の属性も厳密に検証します。金融資産もチェックされますし、不動産等の資産、借金、年収などのチェックも厳密です。

以前、不動産を一気に増やすためにトリッキーな手法が広まっていた時期がありました。金融資産が多くあるように見せるトリックのような手法、法人を使った同時購入中の不動産を隠す手法、借入金を隠す手法などです。また、不動産業者と組んで、売買契約金額を膨らませて実質的なフルローン・オーバーローンにして、あとで契約書の金額を減額する「巻直し」とういう手法もありました。こうした手法での投資は信用を失います。

金融機関とは正直に付き合わなければだめです。そして、常に王道の付き合い方をします。トリッキーなことを避け、正々堂々と付き合うのです。

「飛び込み」はやめて、紹介を受けるべし

融資申し込み前の行為のなかにも、金融機関にとってはトリッキーと思える行為があります。「融資して欲しい」と飛び込み営業をかけることです。

金融機関はなによりも信用を重視します。信用の要件のひとつは計画性です。飛び込み客は計画性がないと判断されます。しかも、店舗窓口はそもそも優良客の通過すべきゲートではないのです。

では、金融機関の信用を最初から得るのはどうすればいいのかというと、やはり「紹介」です。既にその金融機関を使っている大口の顧客からの紹介であれば金融機関もきちんと対応してくれますし、優良顧客の紹介は「信用できる」となるわけです。

大口顧客が不動産業者ということも当然あります。不動産業者も融資を受けてビジネスをしているわけですから、その紹介でも問題ないわけです。私は、ほぼすべての融資申し込みを不動産業者の紹介から始めています。

まずは紹介者の信用をレバレッジにして付き合いを始め、後は自分の信用を積み上げていくことが、金融機関との付き合いのポイントです。

融資時にも信用を積み上げるために

融資の申し込み時には、一切のウソ、ごまかしをせず、すべての資産・負債状況と収入を明らかにします。金融機関はウソを嫌います。正直に資産・負債内容や収入を明らかにします。書類提出を求められたら、漏れなく、期日を守って提出します。

その上で、担当者や支店が融資を通しやすいストーリーに沿って対応をします。たとえば固定金利、変動金利で時期によって融資のしやすさに違いがあるときがあります。できれば自分の希望を通したいところですが、難航して買い逃しになったりすると困りますから、妥協も必要です。

金融機関には正直にすべてを開示し、融資時にも信用を積み上げることに注意を払います。一度融資を受けたからと言って、金融機関との付き合いはそれで終わりになるわけではありません。返済期間中、ずっとお付き合いをすることになります。継続融資をお願いすることも多々出てきます。最初の融資後、金融機関に対し、信用を積み上げていくことが重要です。

融資後・返済中の立ち振る舞い方

融資後は、確定申告や会社の決算が終わったら必ずタイムリーに確定申告書や決算書を届けることです。私の場合、近くに行ったら定期的に融資窓口に顔を出すことにしています。ただし、必ず事前に連絡をしてから訪問すること。金融機関は忙しいので、急な訪問は嫌われます。

定期的に会いながらお互いのことを知れば信用度も上がり、次の融資もスムーズです。いろいろ相談もできますし、先方から相談を受けることもあります。「融資したいので、新規案件を持ってきてくれませんか」と言われたりするようにもなりえます。

もちろん、金融機関にも定期異動があります。担当が変われば付き合いにくくなることもあります。支店長次第で融資姿勢ががらりと変わることもあります。

それでも、引き継いだ担当や新しい支店長には必ず挨拶にいき、会って自分の人となりを知ってもらう努力はすべきです。あまり良くない人が担当になっても、また、次の人が来ます。相性のいい人から融資を受ければいいのです。継続的に関係性をつなぎながら、良い人が回ってくるのを待つことも大事です。

金融機関も組織ですから、組織の論理で動くものですし、人によって姿勢のブレが出るのは仕方がないことです。そうしたことは織り込み済みで、お互い良きパートナーとしての関係を構築していきましょう。

金融機関も人が営む営利組織です。収益もあげなければなりません。我々が良い顧客になって金融機関の収益を高めることに協力すれば、上顧客に扱われます。その結果、融資を受けやすくなれば、投資をするときに我々が助かるわけです。

金融機関と投資家は、お互いが、お互いのビジネスパートナーなのです。末永く付き合い、お互いが栄えるように、努力をしていくことが重要です。

今のところ、1年に最低1棟の購入は何とか維持できています。昨年は1棟ものに加え戸建も2件購入しました。今年も営業マン、金融機関とうまく付き合い、2つの後輪として、物件を増やす推進力となっていただけるよう頼りにしています。

次回は、もうひとつの両輪である「前輪」として、不動産の運営を誤らないようにナビゲートしてくれる管理会社と保険・保証会社との付き合い方について書いていきたいと思います。

(石川貴康)